よくわかるサービスの科学
サービスを科学的なアプローチで解説する書籍。特にAIや意思決定にフォーカスしている。
- 発行予定日
- 2026/08/下旬
- 判型
- A5
- ページ数
- 156ページ
- ISBN
- 978-4-339-02957-4
- 内容紹介
- まえがき
- 目次
【読者対象】
経営学やAI、データサイエンスを学ぶ初学生および経営者、企画職や営業職などのビジネスマンを対象としています。
【到達目標】
サービスの科学、サービスと人間科学の関係性および、AIが算出する最適解とは何かが理解できます。また、AHP(階層分析法)の解法を習得して、サービスサイエンスの運用ができます。
【書籍の特徴】
サービスを科学すると消費者のニーズや心理が明確になり、的を射た経営が実践できます。同時に、AIやデータサイエンスの価値を見出すことができます。
【各章について】
第1章 サービスの科学(サービスサイエンス)へのアプローチを理解します。
第2章 サービスに必要な人間科学(心理学)を解説しています。
第3章 サービスと経済学の仕組みを解説しています。
第4章 サービスを数理工学(効用関数やAHPなど)から捉えて論じ、数理最適化から価値創出のためのプログレッシブ・インターリレーション・サービスサイエンスを提案しています。
第5章 サービスを情報工学から捉え、AIやデータの応用など具体例を挙げています。
第6章 サービスサイエンスとAIとAHPの関係性をトライアングルインタフェースとして論じ、意思決定モデルの構築と提案をしています。
第7章 サービスサイエンスの運用を図解して、必要なチェックリストを記載しています。
第8章 AI時代に必要なサービスの未来像を提言します。
【著者からのメッセージ】
長期にわたるAHP数理工学研究の第一人者である研究者(木下栄蔵)と建築家であり企業コンサルタントの実務者でもあり、かつ、AIデータサイエンス研究、心理学研究の学術研究者(岸博之)がタッグを組み、サービスの科学に挑戦した書籍となっています。
経営者視点と消費者視点のサービスの最適解などが分かり、学術書はもとより、ビジネス書、ベンチャービジネスなどの起業に役立てられます。
【本書キーワード】
サービスサイエンス、データサイエンス、AHP、AI、トライアングル・インタフェース、プログレッシブ・インターリレーション・サービスサイエンス、スマートサイエンス社会
☆発行前情報のため,一部変更となる場合がございます
本書は「サービスの科学」を主旨とした書籍です。
「サービス」と聞いて,皆さんはどのようなものを思い浮かべるでしょうか? 人によってさまざまかと思いますが,本書では「サービス」を「人間に対して,人間もしくは人間がつくりあげたシステムによって行われるもの」と定義しています。そのため,サービスに介在する科学は,人間の科学と連動しなければなりません。そして,その実現には,サービスを提供する側と享受する側の視点から捉えた「実用的なものでなければならない条件」が付帯されます。
本書では「なぜサービスに科学が必要なのか?」「人間の科学とはなにか?」という問いに対して,人間の価値観と意思決定力に焦点を当てながら,解説しています。なお,本書では筆者のコンサルタント経験を通して,なるべく実例での説明を心掛けています。例えば,中小企業のトップランナーによるサービスサイエンスの取組みや商業施設における動線解析AI開発の実例などを挙げ,そこから得られるサービスサイエンスに関する知見を重要なパートとして紹介しています。
サービスサイエンスは,多方面の学術を統合して,サービスに関するアイデアの創出や設計,提供などの課題や問題を解決しようとする手法です。その結果として,効率性や品質性,顧客満足度の向上に帰結させることができます。一方で,近年のSNSやモバイル技術の発達によって,ビジネスモデルが大きく変わり,それに伴ってサービスの提供やアプローチも変化してきています。そのような状況を踏まえ,「AI(人工知能)」と「AHP(階層分析法)」を用いたサービスサイエンスにアプローチしました。AIは,生成AIに見られるように急速な発展と利用拡大があり,世界的にも身近なものになりつつあります。すでに浸透しきっているといっても過言ではありません。また,AHPは,人間が感じる重要度を数値化して意思決定の際に用いることができる数理工学手法の一つです。
本書では,上述したサービスサイエンス,AI,AHPによる相互関係性を明確にしながら,そしてその関係性を「トライアングルインタフェース」と呼ぶこととしています(図1)。このトライアングルインタフェースは,AIと同調する未来の社会構造や経済構造のあるべき姿を考えたとき,先のパラダイムへ導く駆動力となり得ると考えています。

トライアングルインタフェースの構造を明確にするためには,数理工学や情報工学はもとより,コンピュータ科学や経済学,認知科学,心理学,哲学,人間行動学などの幅広い学際的視点を源泉とする考察が必要です。特に,「人間対AI」の構造的考察は,先のパラダイムを見据えるうえでは,非常に重要であると考えています。AIにはパターンマッチングという画像認識や音声認識,言語処理などのルールベースに基づくAIの中核をなす技術もありますが,本書ではサービスと人間行動をつなげたAIのディープラーニングに言及しています。
現代社会において,だれもが利用できるAIは,普段の生活において,さらにはビジネスや教育,医療などすべての現場で変革をもたらします。1936年にチューリングにより提起された計算理論から,2024年にノーベル物理学賞を受賞したヒントンとホップフィールドのニューラルネットワークによるディープラーニングの構築まで,わずか88年しか経ていないにもかかわらず,AIは社会を劇的に変化させて,すべての分野において絶大な存在となりました。この現象は一過性のブームではありません。そして,次世代の技術として,素粒子物理学が育んだ量子コンピュータがディープラーニングと協調したあかつきには,想像をはるかに超える社会となるはずです。しかし,どれだけAIが発達して,どんな社会になろうとも,人間が中心である社会は未来永劫続きます。
さあ,AIと人間の意思決定(AHP)の共存した世界を目指し,「サービスの科学」を一緒に学んでいきましょう。
本書の出版にあたり,コロナ社の皆さまには,企画立案から構成,内容の精査に至るまで,終始丁寧なご指導と的確なご助言をいただきました。ここに深く感謝申し上げます。
2026年7月
木下栄蔵・岸 博之
☆発行前情報のため,一部変更となる場合がございます
1.サービスサイエンスとは
1.1 サービスとサービスサイエンス
1.2 サービスサイエンス概論
1.2.1 サービスサイエンスの歴史
1.2.2 サービスサイエンスの定義
1.3 本書の目的とアプローチ
本章のまとめ
2.サービスサイエンスと人間科学
2.1 人間科学とは
2.2 サービスサイエンスにおける心理学
2.2.1 心理学とは
2.2.2 認知心理学の例
2.2.3 アフォーダンス
2.2.4 シグニファイア
2.3 人間科学を用いたサービスの例
2.4 人間科学と統計解析
2.4.1 環境心理学の例
2.4.2 購買行動の例
2.5 人間科学と意思決定
2.5.1 態度の3成分
2.5.2 ハーロウの代理母実験
2.5.3 意思決定と購買行動
2.6 哲学と意思決定
本章のまとめ
3.サービスサイエンスと経済学
3.1 経済学とは
3.2 サービスサイエンスと資本主義
3.3 市場の2極化
3.4 正の経済と反の経済
本章のまとめ
4.サービスサイエンスと数理工学
4.1 数理工学とは
4.2 主問題と相対問題
4.3 サービスサイエンスとAHP
4.3.1 AHPとは
4.3.2 AHPの歴史
4.4 AHPの基礎
4.4.1 人間の意思決定
4.4.2 AHPの考え方
4.4.3 一対比較尺度
4.4.4 心理的距離と心理的圧力
4.5 AHP利用における注意点
4.6 AHPを用いたサービス解析の実例
4.6.1 マイホームの建築
4.6.2 医療施設の設計(実例1)
本章のまとめ
5.サービスサイエンスと情報工学
5.1 情報工学とは
5.2 AIとは
5.2.1 AIの歴史
5.2.2 生成AIと従来型AI
5.2.3 生成AIの流行
5.3 AIとデータ
5.3.1 AIにおけるデータ利用
5.3.2 スマートシティ
5.4 AIとビジネス
5.4.1 AIに関係するビジネスの変遷
5.4.2 サービスサイエンスとAI技術の進展
5.4.3 AI開発における学習特性とデータ依存性
5.4.4 オープン化戦略と制度としてのサービス設計
5.5 AI利用における注意点
5.6 AIを用いたサービス解析の実例
5.6.1 動線解析AI(実例2)
5.6.2 動線解析AIの将来像
本章のまとめ
6.サービスサイエンスとAIとAHP
6.1 トライアングルインタフェース
6.2 トライアングルインタフェースとスマートサイエンス社会
6.3 トライアングルインタフェースの事例
6.3.1 観光業での例
6.3.2 製造業での例(実例3)
6.4 サービスサイエンスとAI・AHPの関係
本章のまとめ
7.サービスサイエンスの運用
7.1 サービスサイエンスの循環工程
7.1.1 サービス財の提供工程(工程1)
7.1.2 データ抽出工程(工程2)
7.1.3 データマイニング工程(工程3)
7.1.4 アップサイクルデータ回収工程(工程4)
7.2 サービスサイエンスインタフェース
7.3 サービスサイエンスに必要な検討事項
7.3.1 基礎知識習得(表8.1)
7.3.2 情報・データ取得(表8.2)
7.3.3 AHP設計・被験実施とAI方向性策定・実装設計(表8.3)
7.3.4 サービスサイエンスとしての成立チェック(表8.4)
本章のまとめ
8.サービスサイエンスの未来像
8.1 未来のサービス財
8.2 生成AI時代におけるサービス
本章のまとめ
用語一覧
引用・参考文献
索引








