レビュー,書籍紹介・書評掲載情報
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本書はサービスの科学を主旨とした書籍です。特に,近年の技術発展に伴ったサービスとAI,意思決定にフォーカスした内容となっています。さあ!AIと人間の意思決定の共存した世界を目指し,サービスの科学を学んでいきましょう!
- 発行年月日
- 2026/09/25
- 定価
- 2,640円(本体2,400円+税)
- ISBN
- 978-4-339-02957-4
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読者モニターレビュー【 まりりん 様 (業界・専門分野:教育関係 】
掲載日:2026/09/25
大学で心理学を学んだ私にとっては、心理学用語の懐かしさを感じながら拝見致しました。心理学を知らない心理学初心者の方にとっては、第2章人間科学とは?心理学とは?そして、認知心理学の例といったように例が挙げられておりますので、まずは、第2章を読んだ上で、1章・3~8章を読むと内容が頭に入ってくると思います。これからの時代、人間科学とAIの組み合わせの時代がそこまで来ているのだと、学びになる1冊に出会うことが出来ました。ぜひ、サービス業に関わる皆さんに、読んでいただきたい1冊でございます!
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読者モニターレビュー【 澁谷 喬之 様 (業界・専門分野:情報工学)】
掲載日:2026/09/25
2004年、IBM社が「SSME(Service Science, Management and Engineering)」という概念を提唱したことを契機に、わが国でも「サービス」という無形の営みを科学的に捉えようとする「サービスサイエンス」が注目を集めている。しかしその内実は、暗黙知の言語化や定性的な心理学的考察の域を出ない議論も少なくなく、学問としての体系性が十分に備わっているとは言い難い場合も見受けられる。これはIHIP特性に起因する提供者と受け手の相互作用のなかで生成される流動的な現象が原因で、定量化になじみにくいという性質があるためと考えられる。また昨今、OpenAIやAnthropicをはじめとするAIモデル提供各社が技術開発で鎬を削るなか、我々には、AIを活用した新たなサービスを生み出し、それを社会に還元していく役割がいっそう求められている。こうした状況を踏まえ、本書はサービス(著者はこれを「人間に対して、人間もしくは人間がつくり上げたシステムによって行われるもの」と定義する)に対し、AIやAHP(階層分析法)をはじめとする数理工学・情報工学的な方法論をもって切り込んだ一冊であると言えよう。
特筆すべきは、本書が一貫して、AIとAHPはいずれも人間の意思決定力を補強するツールとして機能するという位置づけをとり、意思決定の中心にあるのはあくまで人間であるという立場を貫いている点だ。昨今のAIブームに対する技術的な盲信を戒め、AIやAHPはあくまで人間の判断を補助し、暗黙知を可視化するための手段にすぎないとする姿勢が、本書全体を貫く思想の軸となっている。さらに、AIとAHPの関係を単なる並置にとどめず、両者がいかに連携しうるかという構造にまで踏み込んでいる。著者は、サービスサイエンス・AI・AHPという三者の相互関係性を「トライアングルインタフェース」という枠組みのもとで捉え、AIからAHPへ、AHPからAIへ、そしてAIにAHPのアルゴリズムを内包させるという三つの連携モデルを提示しており、この三者構造こそが本書独自の視座といえよう。
こうした高度なテーマを扱いながらも、本書には専門的な素養を持たない読者にも通読を可能にする配慮が随所に施されている。数式による厳密な論証を前面に押し出すのではなく、著者自身のコンサルタント経験に基づく実例――例えばAHPではマイホームの建築や医療施設の設計――を交え、数理モデルが現実社会でどう機能するかを分かりやすく描き出している。説明に用いる数式も義務教育の水準に留められており、数理的手法に不慣れであっても臆することなく読み進められる。加えて、巻末に付された用語一覧と各章末の「まとめ」も特長である。専門外の読者や活字に不慣れな読者であっても議論の骨格を見失わないよう工夫されており、章を通読してわからなければ、逆に「章のまとめ」から読み返すことで理解がしやすくなるだろう。
数学や情報科学が現実の人間社会といかに豊かな結びつきを持ちうるかを示す良書として、経営学やデータサイエンスを学ぼうとする初学者から、サービス設計や意思決定支援に携わる実務家まで、幅広い読者に薦められる一冊である。AIがますます社会に浸透していく今後において、本書のようにAIと人間の役割分担を丁寧に整理した議論は、いっそう重要性を増していくだろう。








