クリエイターのための 映像表現技法

メディア学大系 14

クリエイターのための 映像表現技法

名作映画にどんな技術が使われているのか知って,改めて映画を見てみよう

ジャンル
発行年月日
2021/01/22
判型
A5
ページ数
256ページ
ISBN
978-4-339-02794-5
クリエイターのための 映像表現技法
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定価

3,630(本体3,300円+税)

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  • 内容紹介
  • まえがき
  • 目次
  • レビュー
  • 著者紹介
  • 広告掲載情報

【読者対象】
映像作品を制作して動画配信サイトなどで発表してみたい学生。ミュージックビデオや、ゲーム・グラフィックなどの作成に興味を持ち、映像表現技法を歴史から学びたい学生。

【書籍の特徴】
映画を楽しく鑑賞しながら、具体的な映像表現技法を学べるのが本書の特色です。
カメラ撮影や編集技法など、映像演出に欠かせない重要な技法については、古典的作品の事例を用いて解き明かします。SFXやVFX、CGといった特撮映像の技法は、最新の映画やCM映像などに使われたテクニックの事例から学びます。アニメーションやタイトル・グラフィックスの制作など、美術的な表現やデザイン技法も紹介します。

【各章について】
まず1章から5章までに,映像表現の基本となる5つの技法を学びます。演出技法、撮影技法、編集技法、映像デザイン技法について、さまざまな映画から学びます。本書でとりあげる映画作品は、どれも作品として楽しめるものを厳選してあります。
特に5章では、名作物語におけるストーリーの秘密に迫ります。さまざまな人生を経験する映画や、世界史を学ぶ映画、日常を離れてSF世界に想像力を広げる映画など、さまざまな作品の魅力を紹介します。まずは名作映画の鑑賞から始めたいという方は、最初に5章から読み始めて、その後、他の章を参照するという読み方もおすすめです。

続く6章から10章では、さらに映像の魅力を輝かせる表現技法をたどります。6章では、実験映像の先駆者から、ミュージックビデオのクリエイターの作品まで、映像の時空間を操るアイデアを掘り起こし、7章と8章では、SFX、VFXなどの特撮技法とCG技法をとりあげ、魔法のようなイリュージョンを創る技術を紹介します。キングコングからアバターまで、CGによるキャラクターの創造にも迫ります。
9章では、アニメーション作家による、美しい芸術的作品を紹介し、アニメーションの歴史と、さまざまな制作技法の実例を知ることができます。また、ここまで学んできた技法を仮想空間での表現に活かすためのVR技法、AR技法の実際については10章で取り上げます。

11章から14章では、映像制作現場の実際や、映画ビジネス、動画配信ビジネスの実例などを紹介していきます。11章では、映像制作スタッフの職種や現場での仕事の実際を学ぶこともできます。12章と13章では、映画プロデュースの実際や、動画配信サイトのビジネスの実例から、映像産業の未来を考えます。最終章14章では、プロジェクションマッピングや、インタラクティブ映像など、ライブイベントにおける映像演出技法について学びます。

【著者からのメッセージ】
学習者の皆さんには,まずは映画の面白さを知ってほしいと思います。その上で、ミュージックビデオや、ゲーム・グラフィックに活用できる、映像表現のアイデアや重要な技法を自分のものとしてください。未来の映像クリエイターとなる皆さんにとって、実践的な技法を学ぶガイドブックとして、本書がお役に立てれば幸いです。

現代はまさに「映像メディア」の時代と言われます。SNSでは無数の映像クリップが行き交い世界中の人々を魅了しています。スマートフォンで撮影した映像を手軽な編集アプリで加工して,だれもが世界に向けて動画を配信することができるのです。ネット上で人々の共感を集めるユーチューバーが,放送局や広告代理店よりも大きな影響力を持つ時代もすでに目の前にあります。

プロの映像制作現場も激変しています。撮影機材はコンパクト化して,ドローンや360°カメラなどの新技術もつぎつぎに生まれています。デジタル技術によって,撮影データの転送や編集作業もスピードアップし,映像制作に関わるすべての技術環境が非常に高いレベルに達しています。プロとアマチュアの差も縮まり,だれもが映像クリエイターとして,ハイレベルな作品を制作する舞台が揃っているのです。

しかし,一方で「映像の価値の低下」も問われています。現代人の社会生活すべてがそうであるように,動画コンテンツも手軽さや話題性ばかりが重視される傾向にあるのではないでしょうか。短期間にフォロワーを増やすための映像に,凝ったストーリーやレベルの高い編集技法などは不要なのでしょうか。かつてメディアの中心にあったテレビ業界も,いまや予算効率化やスタッフの圧縮の流れの中で,映像の品質を守る奮闘を強いられているのです。また2020年に世界を襲ったコロナ禍によって,映像制作に関わるすべてが新時代にむけた変革の道筋を探さなければなりません。

このような時代状況の中で本書は執筆されました。本書の目的は,「映像」が持つ本来の力を解き明かして,これからの映像コンテンツ制作に役立てることにあります。先人たちによる優れた映像作品を分析することで,彼らが残した表現技法の素晴らしさや,隠されたアイデアを再発見して紹介していくことが本書のねらいです。

各章は,14週の講義をもとに「編集技法」や「撮影技法」などの映像表現の技法ごとに構成されています。例えば「撮影技法」であれば,名カメラマンによって撮影された美しい映像作品を紹介し,その撮影の技術を分析しています。各章を読み進めるにあたっては,各章で紹介されている作品のいずれかを視聴していただければ,具体的な映像表現技法をイメージする手助けとなるでしょう。

本書の巻末には,映像表現の技法に関係する映画や映像作品のリストを掲載しました。それらを,まずは映画作品として味わってみてはいかがでしょう。そのうえで,作品に隠された表現技法の秘密を知れば,映像表現を学ぶ楽しさは倍増することでしょう。また,特定の技法に注目してほしい場合は,本文中の脚注に,DVDやBDを再生する際に用いる再生時間の情報を加えました。映画作品の視聴の際にお役立てください。

近年のDVDソフトなどに付属するメイキングなどの特典映像は,映像表現技法を学ぶための情報の宝庫とも言えます。特に11章「映像制作の現場」では,こうした映像を資料として観ていただくことで,映像制作現場の実際について,より具体的に理解できることでしょう。

近年では,Netflixなどの動画配信サービスも登場して,過去の名作映画がいつでも観ることができるようになりました。DVDやBDも比較的安価に入手できるようになりましたし,シネコン型映画館を利用して「映画を好きに選ぶ」こともできます。映像作品を鑑賞するという意味では,理想的な環境が整っています。こうしたアドバンテージを最大限活用しない手はありません。こうした時代に,本書が実践的なリファレンスとして役立ち,大学生のみなさんが,これからの時代に活躍する,映像クリエイターとなる助けとなれば,著者にとって望外の幸せです。

本書は執筆者の専門分野を生かし,つぎの3名で分担して執筆しました。佐々木和郎:1~9,11,14章,羽田久一:10章,森川美幸:12,13章なお,武蔵野大学上林憲行氏には原稿のベース作りにご協力をいただきました。また,本学の相川清明氏,近藤邦雄氏には,執筆時から編集に至るまで貴重なご意見をいただきました。ここに感謝申し上げます。

2020年12月
著者を代表して 佐々木和郎

第Ⅰ部:映像表現の重要項目
1.映像演出 ―物語と感動を伝える―
1.1 映画監督とは
 1.1.1 目的地にたどり着くまで[フランソワ・トリュフォー]
 1.1.2 あらゆる準備を怠らない[アンソニー・ミンゲラ]
 1.1.3 人間性を失わないこと[ダニー・ボイル]
 1.1.4 立ち止まって考えること[伊丹万作]
 1.1.5 あきらめず作り続けること[ジェームズ・キャメロン]
1.2 演出技法の実例
 1.2.1 主観表現
 1.2.2 主観を入れ替える
 1.2.3 ワンカットでの主観と客観表現
 1.2.4 視線の演出表現
 1.2.5 視線による心理表現
 1.2.6 省略による映像演出
 1.2.7 映像をジャンプさせる
 1.2.8 作品のメッセージ
1.3 スタンリー・キューブリック
 1.3.1 徹底した演出技法
 1.3.2 撮影技法の開発
1.4 アルフレッド・ヒッチコック
 1.4.1 計算し尽くされた演出
 1.4.2 スリラー作品の演出
1.5 黒澤明
 1.5.1 人間の本質を描く
 1.5.2 戦国映画の大作
 1.5.3 演技と一体のカメラワーク
 1.5.4 マルチカヴァレッジとカメラワーク
 1.5.5 圧縮された構図 ― 望遠レンズの活用 ―
 1.5.6 日本の古典絵画のように描く
 1.5.7 黒澤作品のロングテイク
 1.5.8 静と動のコントラスト
演習問題

2.編集技法 ―映像の時空間を操る―
2.1 映像編集の基本ルール
 2.1.1 映像の最小単位
 2.1.2 映像のペースを作る
 2.1.3 最小で最大を語る
 2.1.4 人間の心理的な表現を作る
 2.1.5 カットと瞬きの関係を理解する
2.2 編集技法の歴史
 2.2.1 編集の無い映画[リュミエール兄弟]
 2.2.2 編集の発見[エドウィン S.ポーター]
 2.2.3 映画の父[D.W.グリフィス]
 2.2.4 ロシアのモンタージュ理論[S.エイゼンシュテイン]
2.3 映像の連続性を保つ技法
 2.3.1 コンティニュイティ編集
 2.3.2 アングルとサイズのルール
 2.3.3 切返しショットとイマジナリーライン
 2.3.4 リアクションとアイラインマッチ
 2.3.5 マッチカット
 2.3.6 トランジション
2.4 演出的な編集技法
 2.4.1 カットアウェイ
 2.4.2 比喩的な表現
 2.4.3 インサートショットとディティールカット
 2.4.4 ジャンプカット
 2.4.5 過去や未来に飛ぶ
2.5 時間と空間をコントロールする
 2.5.1 パラレル編集
 2.5.2 パラレル編集を用いた名シーン
 2.5.3 アクションの時空間をコントロールする
2.6 編集技法の優先順位
 2.6.1 編集技法の優先順位
 2.6.2 スクリーンディレクション
演習問題

3.撮影技法 ―光で世界を描く―
3.1 光で描く
 3.1.1 マスターズオブライト
 3.1.2 絵画のように描く
 3.1.3 SF映画で超自然現象を描く
 3.1.4 暗黒街の光と影
 3.1.5 寓話を描く ― 空と雲のコントラスト ―
 3.1.6 色盲の巨匠[ハスケル・ウェクスラー]
 3.1.7 日本の名カメラマンと監督の言葉
3.2 カメラの構造と撮影の原理
 3.2.1 カメラの基本構造
 3.2.2 焦点距離
 3.2.3 被写界深度
 3.2.4 パンフォーカス
 3.2.5 シャロウフォーカス
 3.2.6 映像におけるシャッタースピード
 3.2.7 シャッタースピードによる表現
3.3 ショットサイズと構図
 3.3.1 カメラのフレーミングと構図
 3.3.2 カメラアングル
 3.3.3 マスターショット
3.4 カメラワーク
 3.4.1 パンとティルト
 3.4.2 ズームとドリー
 3.4.3 ヒッチコックショット
 3.4.4 特殊機材によるカメラワーク
3.5 ライティングの基本技法
 3.5.1 基本的なライティング
 3.5.2 ライティングの応用
 3.5.3 照明のトーンと絵画的リファレンス
 3.5.4 マジックアワー
演習問題

4.映像デザイン ―ビジュアルで語る物語―
4.1 映像美術の源流
 4.1.1 映画草創期の美術『失はれた地平線』
 4.1.2 プロダクションデザイナーの誕生
 4.1.3 映画美術を牽引したデザイナーたち
4.2 傑出した映像美術
 4.2.1 リサーチと想像力[ケン・アダム]
 4.2.2 監督とイメージを共有する
 4.2.3 俳優の演技を支える
 4.2.4 VFXとの融合 ― 進化する映像デザイン ―
4.3 美術デザインの実際
 4.3.1 映像デザイン ― 3段階のプロセス ―
 4.3.2 台本の分析とスケジュール
 4.3.3 プリプロダクションの美術
 4.3.4 スタジオセットの準備
 4.3.5 衣装と小道具
 4.3.6 撮影現場での対応
 4.3.7 ロケ現場での美術
 4.3.8 ポストプロダクションでの美術
4.4 オープニングタイトル
 4.4.1 タイトルカードの時代
 4.4.2 タイトルアニメーション
 4.4.3 タイトルデザイナーの登場
 4.4.4 デジタル技法とモーショングラフィックス
演習問題

5.名作物語 ―感動を紡ぎ出す方法―
5.1 物語の原点を探す
 5.1.1 脚色作品と原作
 5.1.2 物語の源流
 5.1.3 短編作品の映画化
5.2 オリジナルの物語を作る
 5.2.1 オリジナル脚本
 5.2.2 ゴールデンパラダイム
 5.2.3 SAVE THE CATの法則
 5.2.4 脚本(シナリオ)通りにはいかない!
5.3 物語の時間構造
 5.3.1 プロットと物語
 5.3.2 直線的時間構造
 5.3.3 コンテクスト構造
5.4 人生を経験する映画
 5.4.1 必要なことは映画で学べる
 5.4.2 他人を傷つけた人生
 5.4.3 自己中心的な生き方
 5.4.4 自己犠牲のヒーロー
 5.4.5 青春時代に起きた大事件
 5.4.6 人生の破滅と再起を描く
5.5 日常を遠く離れて
 5.5.1 SFファンタジー映画
 5.5.2 非日常の出会い ― ロードムービー ―
 5.5.3 江戸時代の就活 ― 戦国時代のヒーロー ―
 5.5.4 死後の世界を垣間見る
5.6 歴史の舞台に立つ
 5.6.1 真実を追うジャーナリズム
 5.6.2 人種差別の歴史を知る
 5.6.3 法廷で闘い抜く
 5.6.4 崩壊する社会制度
 5.6.5 歴史の舞台に立つ
 5.6.6 社会派ドキュメンタリー
演習問題

第Ⅱ部:映像表現とテクノロジー
6.映像の先駆者たち ―斬新なアイデアの作り方―
6.1 実験映像の時代
 6.1.1 オスカー・フィッシンガー
 6.1.2 ノーマン・マクラレン
 6.1.3 ジョン・ウィットニーSr.
6.2 映像によるアート表現
 6.2.1 チャールズ・イームズ
 6.2.2 ロバート・エイブル
 6.2.3 ズビグニュー・リプチンスキー
6.3 MVのクリエイターたち
 6.3.1 ミシェル・ゴンドリー
 6.3.2 スパイク・ジョーンズ
 6.3.3 マーク・ロマネク
6.4 MV表現のアイデア
 6.4.1 MVにおける時間展開
 6.4.2 タイムラプス
 6.4.3 コマ撮り
 6.4.4 タイムスライス ― 決定的瞬間 ―
 6.4.5 多重露光撮影とプロジェクター再撮
 6.4.6 スプリット画面
演習問題

7.特撮技法 ―SFXとVFXの世界―
7.1 特撮技法の発見
 7.1.1 世界初の映像トリック[リュミエール兄弟]
 7.1.2 ステージマジックと映画[ジョルジュ・メリエス]
 7.1.3 『ベン・ハー』の戦車競走[セドリック・ギボンズ]
 7.1.4 スタジオ特撮のパイオニア[ロバート・ボイル]
 7.1.5 リアプロジェクションによる合成
7.2 モンスターの創造
 7.2.1 巨大生物登場[レイ・ハリーハウゼン]
 7.2.2 日本の特撮映画[円谷英二]
 7.2.3 ミニチュアの特撮[ジェリー・アンダーソン]
 7.2.4 アニマトロニクスによるモンスター
 7.2.5 CGによるモンスター登場
7.3 未知の世界を描く
 7.3.1 SF映画の金字塔『2001年宇宙の旅』
 7.3.2 ILMの始動『未知との遭遇』
 7.3.3 特撮技法のデジタル化
 7.3.4 バーチャル世界での撮影『アバター』
7.4 VFXのテクニック
 7.4.1 SFXとVFX
 7.4.2 コンポジット ― 背景合成の技法 ―
 7.4.3 モーションコントロール
 7.4.4 モーショントラッキングとマッチムーブ
 7.4.5 バレットタイム
 7.4.6 ワイヤーワーク
 7.4.7 CGによる自然の表現
 7.4.8 実写の力を生かす
演習問題

8.CG技法 ―イメージの魔法の翼―
8.1 魔法の翼 ― CG技法 ―
 8.1.1 CGは便利で簡単なもの?
 8.1.2 CG制作の工程を理解する
8.2 CG技法の源流
 8.2.1 ARPAにおけるCGの基礎研究
 8.2.2 CGの父[アイヴァン・サザランド]
 8.2.3 CGアートの創始者[ジョン・ウィットニーSr.]
 8.2.4 CGの基本技術の開発[ユタ大学]
8.3 CGアニメーションの可能性
 8.3.1 3DCGへの夢を追いかけて[エドウィン・キャットマル]
 8.3.2 初のCG長編映画『トロン』
 8.3.3 ILMにおけるCG技術開発
8.4 PIXARの軌跡
 8.4.1 ILMからの独立
 8.4.2 電気スタンドがすべてを変えた
 8.4.3 実力派CGプロダクションへ
 8.4.4 長編CG映画の幕開け
 8.4.5 不撓不屈の人々
8.5 特撮映画におけるCG映像
 8.5.1 ジェームズ・キャメロンのCGへの挑戦
 8.5.2 大型客船の沈没と群衆表現『タイタニック』
 8.5.3 バーチャル空間での特撮CG『アバター』
演習問題

9.アニメーション技法 ―芸術としての映像―
9.1 アニメーションの誕生
 9.1.1 フェナキストスコープ
 9.1.2 アニメ映像の発明[エミール・レイノー]
 9.1.3 世界初のアニメーション作品
9.2 アニメーション産業の成長
 9.2.1 ウォルト・ディズニーとセルアニメーション
 9.2.2 アニメキャラクターの時代
 9.2.3 日本のアニメ産業の誕生
 9.2.4 アニメブーム
9.3 アートアニメーションの作品
 9.3.1 カットアウトアニメーション『霧につつまれたハリネズミ』
 9.3.2 特殊画材アニメーション『木を植えた男』
 9.3.3 アートアニメーションに挑戦しよう
9.4 立体アニメーション
 9.4.1 オブジェクトアニメーション
 9.4.2 クレイアニメーション
 9.4.3 ウォレスとグルミット
 9.4.4 新時代の立体アニメーション
演習問題

10.VR,AR映像技法 ―仮想現実と拡張現実の未来―
10.1 新しい映像表現の手法 ― 大画面を超えて ―
10.2 VRとAR
 10.2.1 VR,ARとはなにか?
 10.2.2 映像装置としてのHMD
10.3 撮影方法の革新
 10.3.1 新しい撮影技術
 10.3.2 ドローンによる空中撮影
10.4 VRとそのコンテンツ
 10.4.1 VRの始まり
 10.4.2 VRコンテンツの広がり
10.5 ARによる現実の拡張
 10.5.1 AR技術の始まりと発展
 10.5.2 ARコンテンツの広がり
10.6 VR,AR技法の展開
演習問題

第Ⅲ部:映像のビジネス展開
11.映像制作の現場 ―撮影現場の職業図鑑―
11.1 プリプロダクション
 11.1.1 プリプロダクションの工程
 11.1.2 脚本をつくる
 11.1.3 配役(キャスティング)
 11.1.4 撮影台本のブレイクダウン
 11.1.5 ロケーションハンティング
 11.1.6 技術下見
 11.1.7 プレビズ
11.2 プロダクション(撮影)
 11.2.1 繰り返される撮影の日々
 11.2.2 スケジュールの優先事項
 11.2.3 準備は慎重の上に慎重に
 11.2.4 事故はクルーの気の緩みから
 11.2.5 独断で危険をおかさない
 11.2.6 車道での撮影
11.3 ポストプロダクション(後処理)
 11.3.1 映像制作の最終段階
 11.3.2 さまざまなバージョンを試す
 11.3.3 苦境に立たされた作曲家
11.4 メイキングで学ぶ映画製作の現場
 11.4.1 時系列で追う現場『マッチスティック・メン』
 11.4.2 プロの仕事辞典『LIFE!』
 11.4.3 海外との共同製作『ブラック・レイン』
 11.4.4 映画への情熱『映画に愛をこめてアメリカの夜』
 11.4.5 映画の挫折『ロスト・イン・ラ・マンチャ』
演習問題

12.映画ビジネス ―プロデューサーの仕事―
12.1 映画プロデューサーとは
 12.1.1 映画製作と映画制作
 12.1.2 プロデューサーの種類と役割
12.2 プロデューサーの仕事 ― プロジェクト成立まで ―
 12.2.1 マーケットリサーチ:企画立案
 12.2.2 映画化権取得
 12.2.3 企画書作成
 12.2.4 資金調達
12.3 映画ビジネスの現状
 12.3.1 興行収入と配給収入
 12.3.2 映画のビジネスモデル
 12.3.3 インターネット時代の映画ビジネス
演習問題

13.ネット社会と映像 ―動画配信サービスとデジタルジャーナリズム―
13.1 社会インフラとしてのインターネット
 13.1.1 インターネット誕生前のネットワーク
 13.1.2 ネットワークの技術革新と社会的浸透
 13.1.3 視聴端末と撮影機器の進化:スマートフォンインパクト
 13.1.4 ストリーミング配信サービス技術
 13.1.5 VODとリニア配信
13.2 動画共有サービスと動画配信サービス
 13.2.1 動画共有サービス
 13.2.2 有料動画配信サービス
 13.2.3 無料動画配信サービス
13.3 デジタルジャーナリズム
 13.3.1 新聞社の現状
 13.3.2 ウェブジャーナリズム
 13.3.3 ニュースメディアの未来
演習問題

14.ライブイベントと映像 ―空間と映像のコラボレーション―
14.1 映像による空間演出
 14.1.1 インターメディアとエクスパンデッドシネマ
 14.1.2 カラーインストゥルメント
 14.1.3 万国博覧会における映像演出
 14.1.4 映像博覧会としての大阪万博
 14.1.5 アートアンドテクノロジー
14.2 ライブコンサートと映像演出
 14.2.1 スタジアムロックの幕開け
 14.2.2 ロックフェスティバル
 14.2.3 高度化するライブステージの演出
 14.2.4 巨大スタジアムでのコンサート演出『THE WALL』
 14.2.5 多様なステージ演出『コーチェラフェスティバル』
 14.2.6 ARを用いたステージ演出『U2ライブツアー』
14.3 プロジェクションマッピング
 14.3.1 プロジェクションマッピングの源流
 14.3.2 現代のプロジェクションマッピング
 14.3.3 プロジェクションマッピングの技術要素
14.4 ステージ映像のデザイン
 14.4.1 ステージイベントにおける映像演出
 14.4.2 コンサートツアーのステージセット
 14.4.3 映像のプランニング
 14.4.4 コンサート演出の実際
演習問題

引用・参考文献
映画・映像作品
索引(用語)
索引(人名)

Amaxonレビュー 978-4-339-02794-5 クリエイターのための 映像表現技法

レビュー,書籍紹介・書評掲載情報一覧

佐々木 和郎

佐々木 和郎(ササキ カズオ)

子供のころから、怪獣映画や空想特撮SFが大好きで、お小遣いの大半は怪獣のプラモデルにつぎこまれました。いまもフィギュアの収集癖はとまらず、研究室や自宅には映画関係のグッズがいっぱいです。特に自慢なのは、ベルギーの漫画家エルジュが残した名作『TinTin(タンタン)』シリーズのミニカー・コレクション。今年の誕生日にも一台増えました!

私がテレビ局での見習い職員となった1983年は、CGやVFXといった新技術がどんどん生まれ、SFの名作映画が創られた時代でもあります。黒澤明監督も健在で、『影武者』や『乱』といった大作に取り組まれていました。その後、NHKの映像デザイナーとして、少年ドラマ『木星脱出作戦』や、科学番組『驚異の小宇宙・人体』など、さまざまな番組を担当しました。そうした中、放送現場で働く私に新鮮な刺激や活力を与えてくれて、映像技法の実際を教えてくれた教科書は、いつも大好きな映画でした。

2007年からは、東京工科大学の教員となり、学生たちと映像配信プロジェクトや、ゲームアプリの研究などを行っています。でも、いまも私の授業や研究では映画が中心。その中でも、やはり特撮SF映画は特別待遇です。子供の頃からあまり成長していないのかもしれませんね。黒澤監督の『七人の侍』やロバート・ゼメキス監督の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を知らない世代に、その魅力を伝導するのが最高の幸せ、という教員生活を送っております。

羽田 久一(ハダ ヒサカズ)

森川 美幸

森川 美幸(モリカワ ミユキ)

広島県広島市出身。
子どもの頃から漫画や小説、テレビ、映画などエンタテインメントが大好きでした。
大学進学と共に上京。文学部で文芸を専攻し、小説執筆に没頭しました。一方で連日のように映画館やレンタルビデオ店に通い、過去の名作から最新の話題作までとにかくたくさんの映画を鑑賞したものです。
大学卒業後、大手芸能プロダクションに入社。映画や映像ソフト事業を行っていた子会社に配属され、映画およびビデオの宣伝担当としてキャリアをスタートしました。
その後、カナダで日系人向け日英バイリンガル新聞の記者をしたり、ドイツで現地ケーブルチャンネルの番組制作に携わったりと、海外でもメディア関連の仕事をして経験を積み、帰国後、映像制作会社で映像プロデューサーの仕事に就きました。
転機となったのは、業務で海外の国際映画祭に参加するようになったことです。世界中から集まったプロデューサーたちとお話しする中で、彼らが持つ豊富なビジネスの専門知識が自分には欠けていることに気づいたのです。海外のプロデューサーにはMBA(経営学修士)を持っている人が多いことを知り、自分も働きながら大学院に入って学位を取ることに決めました。修士論文を書いたのがきっかけで研究の面白さと奥深さに目覚め、結局博士課程まで進学し、博士(経営管理)となりました。専門はエンタテインメント分野のマーケティングです。
現在は東京工科大学メディア学部メディア社会コースの教員として、専門演習「映画プロジェクト開発」や「デジタル・ジャーナリズム入門」といった授業を担当しています。

掲載日:2024/10/01

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掲載日:2023/12/04

電子情報通信学会誌2023年12月号

掲載日:2023/08/01

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掲載日:2022/03/28

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掲載日:2021/05/27

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掲載日:2021/03/01

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掲載日:2021/02/03

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掲載日:2021/01/06

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