音声は何を伝えているか - 感情・パラ言語情報・個人性の音声科学 -

音響サイエンスシリーズ 12

音声は何を伝えているか - 感情・パラ言語情報・個人性の音声科学 -

話し言葉を文字言語に書き起こすと失われる情報があるいう点に焦点を当て「音声は何を伝えているか」という問いを解説した。

ジャンル
発行年月日
2014/12/22
判型
A5
ページ数
222ページ
ISBN
978-4-339-01332-0
音声は何を伝えているか - 感情・パラ言語情報・個人性の音声科学 -
品切・重版未定
当面重版の予定がございません。

定価

3,410(本体3,100円+税)

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話し言葉を文字に書き起こすと失われる情報がある。この「書き言葉にはない特質」が音声によるコミュニケーションを豊かで特別なものにしている。本書はここに焦点を当て「音声は何を伝えているか」という問いを解説した。

第1章 音声による情報伝達
1.1 プロローグ
1.2 話し言葉と書き言葉
1.3 音声が伝えているもの
1.3.1 言語とメッセージ
1.3.2 感情
1.3.3 態度・意図
1.3.4 話者の個人性
1.3.5 音声の多チャンネル性
1.4 どう整理するか
1.4.1 ノンバーバルとパラ言語
1.4.2 藤崎の分類
1.4.3 本書における分類
1.4.4 話し手と聞き手
1.5 本書の構成
引用・参考文献

第2章 感情
2.1 感情とは何か
2.1.1 感情? 情動? そしてaffect? emotion?
2.1.2 感情の三つの側面
2.1.3 感情とその周辺
2.1.4 音声研究における「感情」
2.2 基本感情説 vs 次元説
2.3 感情の起源
2.3.1 感情の生物学的背景
2.3.2 進化との関係
2.3.3 感情の社会的側面
2.4 音声による感情の表出
2.4.1 生理的反応
2.4.2 表情の影響
2.4.3 社会的要因
2.4.4 感情と音声の音響特徴に関するこれまでの研究
2.5 音声からの感情の知覚
2.6 感情の記述
2.6.1 カテゴリによる記述
2.6.2 次元による記述
2.7 音声と感情に関する研究の方法
2.7.1 音声の収録―演技音声 vs 自発音声―
2.7.2 感情の記述法
2.7.3 感情の認識
2.7.4 音声合成と感情
引用・参考文献

第3章 パラ言語情報
3.1 パラ言語情報とは何か
3.2 パラ言語情報研究の基本的課題
3.2.1 体系化
3.2.2 伝達メカニズム
3.2.3 言語との関係
3.2.4 言語依存性
3.2.5 分析の観点
3.2.6 本書で触れていない問題
3.3 パラ言語情報の伝達メカニズム
3.3.1 生成データの収録と同定実験
3.3.2 音響特徴の分析
3.4 パラ言語情報の知覚
3.4.1 多次元尺度法による分析
3.4.2 各軸の解釈
3.4.3 音響特徴量と各次元の関係
3.5 調音運動の観察
3.5.1 「A感心」と「S疑い」
3.5.2 すべてのパラ言語メッセージ
3.5.3 
3.5.4 子音の調音
3.5.5 調音運動の個人差
3.6 言語との関係
3.6.1 音韻情報の保存と破壊
3.6.2 語彙と韻律の独立性―熊本方言の場合―
3.6.3 ま  と  め
3.7 言語依存性
3.7.1 問題のありか
3.7.2 日本語学習者によるパラ言語情報の知覚
3.7.3 議論と結論
3.8 パラ言語メッセージの生成モデル
引用・参考文献

第4章 話者の個人性
4.1 話者の個人性とは何か
4.1.1 発話と個人性
4.1.2 音声の自動処理における個人性
4.1.3 声質と個人性
4.1.4 本章で取り扱う個人性
4.2 年齢
4.2.1 年齢と個人性
4.2.2 成長に伴う神経生理的変化
4.2.3 成長に伴う音声器官の生理・形態的変化
4.2.4 成長に伴う音響特徴の変化
4.2.5 加齢に伴う音声器官の生理・解剖学的および形態的変化
4.2.6 加齢に伴う音響特徴の変化
4.2.7 年齢の認知と音響関連量
4.3 性別
4.3.1 喉頭の性差
4.3.2 声道の性差
4.3.3 性差に関係する音響特徴
4.3.4 性別の認知と音響関連量
4.3.5 社会的性
4.4 その他の個人性
4.4.1 その他の個人性要素
4.4.2 喉頭・声道の生理・形態的な個人差
4.4.3 個人性の音響特徴と認知
引用・参考文献

第5章 発展と課題
5.1 エピローグ
5.2 パラ言語情報研究の発展と課題
引用・参考文献
索引

森 大毅(モリ ヒロキ)

粕谷 英樹(カスヤ ヒデキ)