線形システム解析

システム制御工学シリーズ 19

線形システム解析

線形時不変有限時限の多入力多出力システムに対する理解を深め,制御系設計問題への準備として必要な概念を理解することを目的としている。行列操作論に偏らないよう,システムの振舞いに着目して諸性質を解説する。

ジャンル
発行年月日
2011/04/18
判型
A5
ページ数
240ページ
ISBN
978-4-339-03319-9
線形システム解析
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定価

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  • 計測自動制御学会賞著述賞を受賞いたしました。
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線形時不変有限時限の多入力多出力システムに対する理解を深め,制御系設計問題への準備として必要な概念を理解することを目的としている。行列操作論に偏らないよう,システムの振舞いに着目して諸性質を解説する。

1. 状態空間表現とモデリング
1.1 状態空間表現の定義
1.2 ブロック線図による表現
1.3 デスクリプタシステム表現
1.3.1 特異ペンシル型
1.3.2 状態空間表現型
1.3.3 インデックス1 型
1.3.4 インパルス型
1.3.5 デスクリプタシステムの分類
1.4 物理系のモデリング
1.4.1 電気系から状態空間表現へ
1.4.2 力学系から状態空間表現へ
1.4.3 メカトロニクス系の状態空間表現
1.4.4 n階微分方程式から状態空間表現へ
1.4.5 非線形システムの線形近似
1.5 システムの結合と状態空間表現
1.5.1 直列結合
1.5.2 並列結合
1.5.3 出力フィードバック結合
1.5.4 一般的ネットワーク結合
1.5.5 状態フィードバック結合
1.5.6 出力注入結合
1.5.7 逆システム
演習問題

2. 状態方程式の解
2.1 状態方程式の解
2.1.1 行列指数関数
2.1.2 状態遷移行列
2.1.3 状態方程式の解
2.2 因果性,線形性,時不変性
2.2.1 インパルス応答と初期値応答
2.2.2 因果性
2.2.3 線形性
2.2.4 時不変性
2.2.5 LTI とFDLTI
2.2.6 プロパ性
2.3 伝達関数と状態空間表現
2.3.1 特性多項式とリゾルベント行列
2.3.2 マルコフパラメータ表現
2.4 システムの基本的な応答波形
2.4.1 インパルス応答と畳み込み積分表現
2.4.2 ステップ応答と定常ゲイン
2.4.3 周波数応答(シヌソイド波入力)
2.4.4 周波数応答(複素周波数)
2.4.5 座標変換と等価性
演習問題

3. モードと振る舞い
3.1 行列の固有構造とモード方程式
3.2 固有値・固有ベクトル
3.2.1 単純実固有モード
3.2.2 単純複素固有モード
3.2.3 拡張固有ベクトルとジョルダンブロック
3.2.4 縮退行列とモード方程式
3.2.5 一般の場合のモード方程式
3.2.6 行列の対角化とジョルダン形式
3.3 システムのモード分解と振る舞い
3.3.1 A 行列の対角化とモード分解
3.3.2 特性多項式
3.3.3 コンパニオン行列
3.3.4 オートノマス系の振る舞いとモード
3.3.5 単純実固有モードの振る舞い
3.3.6 単純複素固有モードの振る舞い
3.3.7 拡張固有モードの振る舞い
3.3.8 縮退固有モードの振る舞い
3.3.9 安定性
3.4 リアプノフの安定定理
3.5 安定性の定量的評価
3.5.1 固有値の分布に基づく評価
3.5.2 リアプノフ方程式の解に基づく評価
演習問題

4. デスクリプタシステムとインパルスモード
4.1 ワイエルストラス標準形
4.1.1 正則変換
4.1.2 クロネッカ分解
4.1.3 ワイエルストラスの標準形
4.2 デスクリプタシステムの解(入力なし)
4.2.1 有限周波数モード
4.2.2 インデックス指数が1の無限周波数モード
4.2.3 インデックス指数が2以上の無限周波数モード
4.2.4 Vs; Vf の計算法
4.2.5 デスクリプタシステムの状態遷移行列
4.2.6 インパルスモードの近似計算
4.3 デスクリプタシステムの解(入力あり)
4.3.1 伝達関数と周波数領域の解
4.3.2 時間領域の解
演習問題

5. 可制御性・可観測性とシステムの構造
5.1 可制御性
5.1.1 可制御性の定義と判別法
5.1.2 可制御モードと可制御部分空間
5.1.3 不可制御モードと可安定性
5.1.4 可制御性と可到達性
5.1.5 可制御性の定量的評価
5.1.6 可制御性判定行列の計算法
5.2 可観測性
5.2.1 可観測性の定義と判定法
5.2.2 不可観測モードと不可観測部分空間
5.2.3 不可観測モードと可検出性
5.2.4 可観測性の定量的評価
5.3 正準構造定理,平衡実現,モデルの低次元化
5.3.1 カルマンの正準構造定理
5.3.2 平衡実現
5.3.3 モデルの低次元化
5.3.4 モード分解による低次元化
5.3.5 平衡実現による低次元化
演習問題

6. 零点と出力零化モード
6.1 零点の定義
6.2 出力零化問題と有限零点モード
6.3 無限零点モード
6.4 零点とシステム結合
6.4.1 フィードバック不変性
6.4.2 直列結合と極零相殺
6.4.3 フィードバック結合と零点
6.5 内部モデル原理
6.6 逆システムとインタラクタ
6.6.1 逆システムのデスクリプタ表現
6.6.2 逆システムのデスクリプタ表現とプロパ近似
6.6.3 バイプロパシステムとインタラクタ

7. 制御問題のデスクリプタシステムによる表現
7.1 拘束条件としての状態フィードバック
7.2 インパルス除去問題
7.3 LQR 問題の解析
7.3.1 LQR 問題とリカッチ微分方程式
7.3.2 LQR 問題とハミルトン方程式
7.3.3 出力零化問題との関係
7.3.4 E が正則な場合の例題

付録
A.1 実数・複素数
A.1.1 実数
A.1.2 複素数
A.1.3 絶対値と偏角
A.1.4 オイラーの公式
A.2 ベクトル・ノルム
A.3 行列
A.4 線形空間・線形写像
A.5 正則ペンシルと一般化固有構造
A.5.1 detE = 0 であるペンシルの固有構造
A.5.2 detE = 0 である正則ペンシルの階数
A.5.3 detE = 0 であるペンシルの固有構造
A.6 特異ペンシルと一般化固有構造
A.7 特異値分解・行列のノルム
A.8 連立1次方程式AX = B の解法
引用・参考文献
演習問題の解答
索引

chakei 様

私はデスクリプタシステムについて勉強している大学院生です。
この本ほどデスクリプタシステムについて詳解している本にはいまだ出会っていません。
デスクリプタシステムの議論に必要となる数学の知識を、巻末の付録にて確認することができ、学習の助けになりました。

esumi 様

現在、デスクリプタシステムを対象に研究をおこなっており、本書はデスクリプタシステムを扱っているので購入しました。全体の構成が状態空間表現の拡張としてデスクリプタシステムを説明しているため非常に理解しやすかったです。また、デスクリプタシステムの分類やワイエルストラス標準形への変換について本書ほど詳細に書かれている書籍は他になく、大変参考になりました。

amazonレビュー

掲載日:2020/12/14

「計測と制御」2020年12月号広告