
大学院入試徹底対策テキスト 制御工学
大学院入試に向けて,わかりやすく,丁寧に,さまざまな大学の制御工学の過去問題を解説。
- 発行年月日
- 2021/12/17
- 判型
- A5
- ページ数
- 200ページ
- ISBN
- 978-4-339-03236-9
- 内容紹介
- まえがき
- 目次
- レビュー
- 広告掲載情報
大学院入試問題はひとつの問題の中に小問が数題あり関連している。たとえば,システムの動特性を式表現し,それをラプラス変換して制御系全体のブロック線図を構成したのち,等価変換して伝達関数を見つけ,ステップ応答と定常偏差,安定度を計算するといった具合である。
早い段階で間違うとそれ以降の解答は苦労が無駄になってしまうことから,異常なほどの緊張に襲われ,実力を発揮できなかったという声をよく聞く。それぞれのテーマをしっかりと身に付けておれば恐れることはない。ただ,そのような問題に取り組んだ経験がないために焦ってしまうのである。
ならば,経験を積むためにと生まれたのが本書である。本書は,「実際の過去問」をわかりやすく丁寧に解いている。また,必要に応じて「さらに詳しく」のコーナーを設けて詳しい解説をしている。多くの市販本が,詳しい解説のあと章末問題を解いて理解度のチェックをするのと全く逆の構成である。まずは,本番を想定して,何も見ないで問題に取り組んで貰いたい。最初は,問題は複雑で難しく,とても越えることのできない高い壁に感じるであろう。しかしながら,本書に掲載している過去問をすべて解き終えたとき,壁の高さはかなり低くなっているはずである。
本書は大学院を目指す受験生のために書かれた本ではあるが,社会人になって制御工学を復習したい人,力試しをしたい人にも重宝される存在感のある1冊に仕上がっている。
大学院を受験しようと入試課に問い合わせると,過去2,3年分の試験問題を入手できることがある。その過去問は,いままでに見たこともない姿をしており,驚きと不安が襲ってくる。
これまで,学部の授業で制御工学を履修したときは,小テストがあり,期末試験があった。小テストは,直近の3週間に習ったごく限られた範囲から出題され,問題はきわめてシンプルである。また,期末試験では,ブロック線図の等価変換,定常偏差の計算,ラウス・フルビッツの安定判別,対角正準形への変換など,テーマごとの問題が数題出される。すなわち,おたがいが完全に独立した問題であり,著者は7問中5問を選択して解答する方式を取っていた。よい点を取ってもらうための策である。
しかし,大学院入試問題はそうではない。テーマを融合した出し方をする。また,一つの問題の中に小問が数題あり関連しているので,早い段階で間違うとそれ以降の苦労が無駄になってしまう。例えば,システムの動特性を式表現し,それをラプラス変換して制御系全体のブロック線図を構成したのち,等価変換して伝達関数を見つけ,ステップ応答と定常偏差,安定度を計算するといった具合である。
それぞれのテーマをしっかりと身に付けておけば恐れることはない。ただ,そのような問題に取り組んだ経験がないために焦ってしまうのである。ならば,経験を積むためにと生まれたのが本書である。
本書は,「実際の過去問」をわかりやすく丁寧に解いている。また,必要に応じて「さらに詳しく」のコーナーを設けて詳しい解説をしている。多くの本が,詳しい解説のあとに章末問題を解いて理解度のチェックをするのとまったく逆の構成である。大学院を目指す受験生のために書かれた本ではあるが,社会人になって制御工学を復習したい人,力試しをしたい人にも重宝される一冊に仕上がっている。
なお,本書の執筆にあたり,過去の大学院入試問題の転載をご許諾いただいた,北海道大学,東京工業大学,電気通信大学,名古屋工業大学,大阪大学,徳島大学(掲載順)の各大学院に改めて御礼申し上げます。
2021年10月
森 泰親
北海道大学大学院工学院修士課程
機械宇宙工学専攻機械・宇宙航空工学系研究室群
□令和2年度入試試験問題
解答
□平成31年度入試試験問題
解答
東京工業大学大学院課程(修士課程)
工学院機械系・システム制御系
□平成30年度入試試験問題
解答
□平成29年度入試試験問題
解答
電気通信大学大学院情報理工学研究科博士前期課程
機械知能システム学専攻
□令和2年度入試試験問題
解答
名古屋工業大学大学院工学研究科博士前期課程
工学専攻電気・機械工学系プログラム
□令和3年度入試試験問題
解答
□令和2年度入試試験問題
解答
□平成31年度入試試験問題
解答
大阪大学大学院工学研究科博士前期課程
電気電子情報通信工学専攻電気工学コース
□令和2年度入試試験問題
解答
□平成31年度入試試験問題
解答
□平成30年度入試試験問題
解答
□平成29年度入試試験問題
解答
□平成28年度入試試験問題
解答
徳島大学大学院先端技術科学教育部博士前期課程
知的力学システム工学専攻機械創造システム工学コース
□平成31年度入試試験問題
解答
□平成30年度入試試験問題
解答
□平成29年度入試試験問題
解答
参考文献
読者モニターレビュー【ボルテージ 様(ご専門:制御工学,制御理論,ロボット工学)】
◯概要
本書は,国立大学大学院入試で実際に出題された制御工学の試験問題を解説した問題集である.本書の構成は,各大学院の各年度の問題文とその解答解説の繰り返しとなっている.
※本書では,大学院から許可が得られた問題のみ掲載されているので,ここでレビューした内容が必ずしも大学院入試の問題の傾向と合致しないことを承知いただきたい.
◯出題範囲
古典制御と現代制御を中心として出題されている大学院がほとんどである.一方で,ロバスト制御やデジタル制御といったより専門的な分野の問題は出題されていない.
◯古典制御の出題範囲
何か制御対象を与えて,ブロック線図の等価変換や簡単化,ステップ応答やインパルス応答,定常偏差等を答えさせる問題が多い.また,ある制御対象の周波数応答から得られた部分的な情報(ゲインや偏角)を用いて,制御対象の伝達関数を求めたり,位相余裕やゲイン余裕等の指標を用いた制御系設計の問題が出題されている.上記の問題が,融合的に含まれている.
◯現代制御の出題範囲
状態空間表現から伝達関数への変換,安定性の判別,可制御性や可観測性,極配置によるフィードバック制御器設計,オブザーバ,併合系の問題が出題されている.上記の問題が,融合的に含まれている.
◯問題の出題傾向
何か具体的な制御対象を与えて,各種応答や安定性を計算させている.一方で,一般系で制御対象を記述した問題は出題されず,数学的な証明等を要求する出題はない.
◯本書の特徴
問題の解説はどれも丁寧になされており,問題の解説を理解するためには申し分ない.さらに,関連分野の説明もあるので,ちょっとした勉強にも役立つ.しかしながら,解説には制御工学の教科書に書いてある内容がすべて記述されていないため,教科書的な使い方は推奨しない.あくまでも,演習用に利用することをオススメする.よって,体系的に制御工学を学びたい場合は別の制御工学の参考書を購入する方が良い.
本書で紹介されている問題は,色んな単元を融合的に含んでいることから,より研究や現場での取り組みに近い実践的な構成になっていることも魅力的である.
amazonレビュー
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