研究室では「ご安全に!」 - 危険の把握,安全巡視とヒヤリハット -

研究室では「ご安全に!」 - 危険の把握,安全巡視とヒヤリハット -

研究現場での安全推進・指導を担う人材の育成を目的とし,基礎的な教養や心構えから危険要因の分析とその対策が立てられるよう解説。

ジャンル
発行年月日
2018/05/07
判型
A5
ページ数
224ページ
ISBN
978-4-339-07816-9
研究室では「ご安全に!」 - 危険の把握,安全巡視とヒヤリハット -
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定価

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本書は,研究現場での安全推進や安全指導を担う人材(研究室のリーダーや将来の管理職)の育成を目的とし,基礎的な教養や心構えから危険要因の分析とその安全対策が立てられるところまでが身につくように実例を交えて解説している。

第Ⅰ部 安全推進のための「教養」
1. 安全の哲学・倫理
1.1 JCOショック
1.2 TPOに依存する善悪の判断の必要性
1.3 応用倫理学者とのやりとり
1.4 プロフェッショナルの矜持,社会的な期待
1.5 学会の倫理規定
1.6 シティーコープ・ビルでの秘密維持と公益通報
1.7 公益通報,内部告発はつねに正しいか?
この章の課題

2. 安全の法律
2.1 法律とは
2.2 コンプライアンスとは?
2.3 福島第一原子力発電所の事故とコンプライアンス
2.4 プロに求められるもの
2.5 労働安全衛生法の目的
2.6 労働安全衛生法のしくみ
2.7 労働安全衛生法の作るしくみ
2.8 安全関係の資格
この章の課題

3. 安全の心理
3.1 安全と安心の峻別
3.2 心理バイアス・認知バイアス:スロビックの11因子
3.3 地震の経験
3.4 大川小学校の悲劇:恒常性バイアスと多数派同調バイアス
3.5 「津波てんでんこ」の教訓
3.6 他愛行動か?手段の目的化か?
3.7 日本人の特性,レジリアンス
3.8 リスクコミュニケーション
この章の課題

4. 化学物質のリスク-1(危険物)
4.1 化学物質のリスクとは
4.2 化学物質のリスクの情報源:MSDS
4.3 化学実験の時の保護具・実験スタイル
 4.3.1 安全メガネ
 4.3.2 手袋
 4.3.3 マスク
 4.3.4 帽子
4.4 化学のリスク:危険性
 4.4.1 リスクとリターン:反応性=危険性
 4.4.2 燃焼の三要素
 4.4.3 管理された火は火事にあらず
 4.4.4 危険物の見つけ方
 4.4.5 炭酸消火器
 4.4.6 ガスボンベの保管
この章の課題
 コラム:引火するかしないか

5. 化学物質のリスク-2(有害性)
5.1 有害性とは
5.2 サリン事件:有害物から身を守るには
5.3 情報の重要性
5.4 有害物の侵入経路
5.5 毒と薬は紙一重:曝露量,作用量
5.6 有害物の作用部位と作用機序
 5.6.1 刺激性
 5.6.2 腐食性
 5.6.3 毒性
5.7 人工毒・天然毒
5.8 有害性に関する情報源
 コラム:セベソの悲劇から
5.9 番外編:う歯(ムシ歯)予防のフッ素塗布について
 5.9.1 化学物質の名称
 5.9.2 塗布するべきかせざるべきか
 5.9.3 フッ化物の毒性
この章の課題

6. 電気電子の安全
6.1 関西電気保安協会のCM
6.2 感電の思い出
6.3 感電について
6.4 感電対策・処置
6.5 電気火災
6.6 アースとその過信の危険
6.7 通電火災
6.8 安全装置の過信:実験器具のリスク
この章の課題
 コラム:電磁波による発ガンの可能性について

7.機械・回転体の安全
7.1 機械の力
7.2 安全確保の三原則
 7.2.1 安全確保の三原則の穴-1:映画『新幹線大爆破』
 7.2.2 安全確保の三原則の穴-2:小田急沿線火災の車両への引火
7.3 機械実験の保護具,服装スタイル
 コラム:指差呼称
7.4 作業の安全
 7.4.1 工具
 7.4.2 工作機器
この章の課題

8.情報の安全
8.1 セーフティとセキュリティ
8.2 情報社会での安全のMUST項目
8.3 ハードの盗難被害と防止対策
8.4 ソフトの保管と不正使用防止
8.5 コンテント犯罪
8.6 ネチケット
8.7 SNS:匿名の罠
8.8 電子ジャーナルの使用上の注意
8.9 ネット情報の信頼性
この章の課題

第Ⅱ部 ヒヤリハット報告書の作成とその指導(危険の見つけ方)
9.身近な危険
9.1 家庭内の危険
9.2 意外に危ない家の中
 9.2.1 階段の危険
 9.2.2 風呂場の危険
 9.2.3 台所の危険
9.3 食の安全
 9.3.1 急性の危険
 9.3.2 慢性の危険
9.4 交通の安全
 9.4.1 自動車事故
 9.4.2 公共交通機関の事故
9.5 若者の未熟さに起因する危険
 9.5.1 お酒:飲酒の弊害
 9.5.2 タバコ
 9.5.3 タバコと大麻
9.6 対策すべき危険,後回しにしてよい危険,10万分の1人/年
この章の課題
 コラム:スマホとその中毒

10. 危険要因分析(魚の骨を描く)
10.1 危険要因分析の意味
10.2 危険要因分析の目的:ハインリッヒの法則の意味
10.3 危険要因の分類
10.4 危険(要因)の認識
10.5 魚の骨図を作成する
この章の課題
 おまけのコラム:魚はなぜ左向きか

11. 安全対策の立て方
11.1 TPOにより異なる対策立案
11.2 危険要因をなくすことはできない
11.3 誰が安全対策を立てるのか:ボトムアップとトップダウン
11.4 防止対策と局限対策
11.5 危険の認識
11.6 リスクホメオステーシス
11.7 想定される被害を意識して安全対策を考える
 11.7.1 健康被害・肉体的被害の防止対策(肉体を守る服装と保護具)
 11.7.2 健康被害・肉体的被害の局限対策(医療,シャワー,洗眼器)
 11.7.3 精神的被害の防止対策(教育)
 11.7.4 精神的被害の局限対策(医療と教育)
 11.7.5 経済的被害の防止対策・局限対策(保険)
 11.7.6 社会的信用被害の防止対策・局限対策
 11.7.7 環境被害の防止対策
 11.7.8 環境被害の局限対策(処理システム)
 11.7.9 教育と情報は重要な安全対策
11.8 安全対策立案の手法
11.9 安全対策立案の阻害要因
この章の課題

12.ヒヤリハット報告書
12.1 よくある話
12.2 書式
12.3 ヒヤリハット報告書の書直し指導
12.4 指導者に求められるもの
この章の課題

13.安全巡視
13.1 職場安全巡視の心得
13.2 職場安全巡視の実際
 13.2.1 巡視準備
 13.2.2 巡視者の心得
 13.2.3 巡視の実際
この章の課題

引用・参考文献
あとがき
索引

八海醸造株式会社 研究開発室 室長 倉橋 敦 様

安全管理について、なかなかラボワークに即したテキストがなく、これまで建設業などの他業種の例をテキストにしてきました。
安全への考え方は同じですが、このように研究室を題材としたテキストは適切な対策と、これまで得られなかった視点も与えてくれます。
また、コラムも大変おもしろく、安全推進のテキストでありながら、すいすい読んでしまう内容に驚きました。
このような図書は、大学や公的研究機関、企業研究所のいずれにも大変ニーズのあるものと思います。
是非、引き続き良書の出版をお願いいたします。

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