メカノクリーチャ - 生物から学ぶデザインテクノロジー -

メカノクリーチャ - 生物から学ぶデザインテクノロジー -

生物が持つ巧みな機能を工学的に利用することで従来にない新技術が生まれつつある。本書は先端技術のヒントの宝庫である生物のメカニズムを手掛りに,これを応用し新しい産業技術となっている例を,生物の種々の側面から解説した。

ジャンル
発行年月日
2003/04/10
判型
A5
ページ数
272ページ
ISBN
978-4-339-04568-0
メカノクリーチャ - 生物から学ぶデザインテクノロジー -
在庫僅少
在庫が少ない商品です。品切れとなっている場合がございます。

定価

4,400(本体4,000円+税)

カートに入れる

購入案内

  • 内容紹介
  • 目次
  • 著者紹介

生物が持つ巧みな機能を工学的に利用することで従来にない新技術が生まれつつある。本書は先端技術のヒントの宝庫である生物のメカニズムを手掛りに,これを応用し新しい産業技術となっている例を,生物の種々の側面から解説した。

1.生物から学ぶデザインテクノロジー
1.1 生物圏を含めた科学技術の必要性
1.2 生体工学独自の方法論の必要性:メカノクリーチャへの模索
1.3 生命システムの特徴
1.4 人工物から生命現象をデザインする-メタバイオティクス
 1.4.1 メタバイオティクスという考え方とは
 1.4.2 生命進化に関する先駆的研究およびシュピリン,木川隆則・横山茂之らの無細胞蛋白質合成に関する研究
 1.4.3 マイクロマシーニングを応用したプロセスミニチュアライゼーション
 1.4.4 メタバイオテックスの波及効果
1.5 新しいパラダイムとしてのメカノクリーチャ
 1.5.1 微小要素性
 1.5.2 自己修復性:自己修復する機械
 1.5.3 環境適応性
 1.5.4 飛翔運動性:飛翔生物のマイクロマシンデザイン
 1.5.5 創発性:ロボカップを通じた認知ロボットの学習と発達
 1.5.6 心性:人間の心と機械の心
 1.5.7 人間と人工システムとのコミュニケーション
 1.5.8 自然システムと人工システムとの共生:システム生命と知的制御
1.6 バイオエンジニアリングを重点領域としている米国

2.微小要素性
2.1 細胞に学ぶマイクロ化学分析
 2.1.1 FIA装置と混合反応器
 2.1.2 マイクロミキサ
 2.1.3 ミクロミキサによる化学分析
2.2 物質生産装置としての生物―バイオプロセスエンジニアリングの新展開―
 2.2.1 はじめに
 2.2.2 バイオプロセスエンジニアリング―現状とブレイクスルーポイント―
 2.2.3 細胞内のケミカルな世界
 2.2.4 プロセスミニチュアライゼーション―マイクロマシンとケミカル世界―
 2.2.5 マイクロ生化学システムの展開
 2.2.6 新しいバイオプロセスエンジニアリング

3.自己修復性―自己修復する機械―
3.1 はじめに
3.2 分散型機械システムの研究例
3.3 自己構造可変機械と自己修復
 3.4 自己構造可変機械のユニット
3.5 自己組立てのソフトウェア
3.6 大規模システムの自己組立てと自己修復
3.7 おわりに

4.環境適応性
4.1 生物を支える構造組織(スーパーメカノストラクチャ)
 4.1.1 生体組織の適応
 4.1.2 セルオートマトンモデル
 4.1.3 構造物の自己組織化シミュレーション
 4.1.4 シミュレーション結果
 4.1.5 生物からなにを学ぶのか
 4.1.6 スーパーメカノストラクチャの実現に向けて
4.2 ミミズから学ぶ「柔らかい機械」のデザイン
 4.2.1 はじめに
 4.2.2 「柔らかい機械」とミミズ
 4.2.3 ミミズの構造
 4.2.4 ミミズはどのような行動をするのか
 4.2.5 ミミズの学習
 4.2.6 ミミズ行動の電気生理学的な知見
 4.2.7 巨大軸索を伝播するCa²+波
 4.2.8 まとめ

5.飛翔運動性―飛翔生物のマイクロマシンデザイン―
5.1 はじめに
5.2 翼形状
5.3 翼運動
5.4 胴体

6.創発性―ロボカップを通じた認知ロボットの学習と発達―
6.1 はじめに
6.2 環境との相互作用:身体性
6.3 認知科学,発達心理,神経科学から認知する主体の設計論へ
6.4 認知ロボティクスの設計論
6.5 ロボカップを通じた認知ロボティクス
6.6 他者の存在の認知
6.7 具体的アプローチ
 6.7.1 強化学習の枠組
 6.7.2 シュート行動獲得への応用
6.8 状態行動空間のオンライン生成
6.9 おわりに

7.心性―人間の心と機械の心―
7.1 人間の心
 7.1.1 心とはなにか
 7.1.2 観察の結果としての心
 7.1.3 心に関する用語の意味
 7.1.4 生物における心の起源
 7.1.5 情の重要性
7.2 機械の心を考える意義
7.3 機械の感情
 7.3.1 疑似と自立
 7.3.2 これまでの感情モデル
 7.3.3 従来の感情モデルの問題点
 7.3.4 身体現象としての感情と自己保存
 7.3.5 脳と身体の情報処理
 7.3.6 機械の身体性と内分泌系
 7.3.7 心のレベル:システム度
7.4 心をもつ機械(ロボット)の開発
 7.4.1 設計論
 7.4.2 WAMOEBA-2の機能
 7.4.3 WAMOEBA-2の自律系
 7.4.4 WAMOEBA-2の感情表現
 7.4.5 WAMOEBA-2の行動
 7.4.6 自己組織化マップ
 7.4.7 機械で自己保存を考えることの妥当性と必然性

8.人間と人工システムのコミュニケーション―粘菌から学ぶ歩行介助ロボット―
8.1 はじめに
8.2 粘菌から学ぶ
8.3 共創インタフェース
8.4 歩行介助ロボット
8.5 共創プロセスとしての介助
8.6 おわりに

9.システム生命と知的制御
9.1 システム生命の概念の背景
9.2 システム生命の概念の定義
9.3 システム生命を有する知的システムの構築
 9.3.1 キュービックニューラルネットワークを用いた知的制御手法の確立
 9.3.2 システム生命概念に基づいた自律分散型コントローラの協調的制御手法
 9.3.3 サッカーロボットへのシステム生命的アプローチ
9.4 おわりに

参考文献
索引

谷下 一夫(タニシタ カズオ)

遠藤 勲(エンドウ イサオ)

三宅 亮(ミヤケ リョウ)

藤井 輝夫(フジイ テルオ)

村田 智(ムラタ サトシ)

伊能 教夫(イノウ ノリオ)

岡 浩太郎(オカ コウタロウ)

劉 浩(リュウ ヒロシ)

砂田 茂(スナダ シゲル)

浅田 稔(アサダ ミノル)

菅野 重樹(スガノ シゲキ)

尾形 哲也(テツヤ おがた)

三宅 美博(ミヤケ ヨシヒロ)

吉田 和夫(ヨシダ カズオ)