プラスチックの加工技術 - 材料・機械系技術者の必携版 -

新塑性加工技術シリーズ 5

プラスチックの加工技術 - 材料・機械系技術者の必携版 -

プラスチック材料の成形加工法の概要,リサイクル技術および材料試験・評価法などを紹介。

ジャンル
発行年月日
2016/11/18
判型
A5
ページ数
304ページ
ISBN
978-4-339-04375-4
プラスチックの加工技術 - 材料・機械系技術者の必携版 -
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「プラスチックの溶融・固相加工」(塑性加工技術シリーズ)にて紹介されていた内容を新技術やデータ等の更新の観点から全面的に見直し,さらに複合材料の成形やリサイクル技術に関する内容を加えた。

プラスチックは化学工業の発展とともに,多くの期待と可能性を秘めた材料として著しい発展を遂げ,金属材料と肩を並べる基材の一つとなった.

プラスチックの元祖ともいうべきセルロイドが1869年に誕生し,また,1909年にベークライトの合成に成功し,合成高分子として初のプラスチックが誕生した.これがプラスチックの二大要因(熱可塑性と熱硬化性)の誕生である.

その後,大規模な近代工業として生産されるようになったのは,第二次世界大戦後のことである.以来,石油化学工業の急激な発展と新しい合成技術の開発により,多彩なプラスチック(樹脂)が市場した.中でもポリスチレン,ポリプロピレン,ポリエチレン,ポリ塩化ビニルは,四大プラスチックと呼ばれている.わが国では,1958年頃から国策の後押しで本格的な生産がスタートし,わずか半世紀余の短期間で目覚ましい躍進を遂げ,1999年にわが国は世界有数のプラスチック王国となった.

プラスチックは,他素材に見られないすばらしい特性と可能性を秘めた材料として,多くの期待とともに発展してきた.このプラスチックの代表的な特徴は,軽く,強く,耐食性に優れ,その上いかなる大きさの製品も自由自在に,しかも任意の形状に造形できることである.

例えば,代表的な射出成形では,材料のプラスチックを加熱溶融して型に流し込み,冷却するのみで所要の形状の成形品が大量に生産できる.また,技術の複合化によりきわめて精巧で複雑な形状の部品・製品が得られる.近年では,3Dプリンターやナノ・マイクロ成形が市場を賑わしている一方,既存の成形プロセス技術の変革と改良が進められている.さらに,社会的ニーズや環境調和に沿ったものづくりが定着し,部材のプラスチック化(軽量化),小型化,高強度化,コスト低減化が一段と図られている.

このように,あらゆる分野で使用されるプラスチックおよびその複合材料は,それを利用する機械,構造物,その他あらゆる産業,工業分野の設計者,技術者などにプラスチックの広範な知識や情報が要求されるようになった.

本書は,プラスチック材料の種類と特性・物性をはじめ,材料の流動特性,状態変化と結晶化,各種成形加工法(射出成形,押出し成形,ブロー成形,熱成形,粉末成形,圧縮・トランスファー成形など)の概要・特徴・応用,複合材料の成形,塑性加工,接合・接着,金型設計とCAE,リサイクル技術および各種材料試験・評価法などについて,基礎から先進技術まで幅広く網羅し,かつわかりやすく記述した.したがって,これからプラスチック材料や成形加工などを学習する方はもとより,日常的な生産や研究の場において,実際に必要となる種々の加工技術やデータなどは,有効に活用できるものと確信する.

本書は,塑性加工技術シリーズ『プラスチックの溶融・固相加工』(1991年)を基に改編した.編集に伴い一部では旧版を加筆修正し,新技術やデータ等の更新を図り利便性を高めた.旧版の著者におかれては,ご了承賜りたくお願い申し上げます.また,多くの専門書を参考にさせていただき,データ等の引用をご快諾いただいた著者の方々には,深く謝意を表するものである.また,限られた紙面の中では説明や資料不足の箇所もあるかと思われるが,ご理解いただきご指導賜れば幸いである.

終わりに,執筆者の方々には,ご多用中にもかかわらず快くお引受けいただき,ここに改めてお礼申し上げる.さらに出版を企画された一般社団法人日本塑性加工学会ならびにコロナ社には謝意を表する.

2016年8月
「プラスチックの加工技術」 専門部会長  松岡 信一

1. 総論
 1.1 プラスチックの発展と経緯  
 1.2 プラスチックと金属(材料の科学)  
 1.3 プラスチック加工と金属加工(加工の形態)  
 1.4 多彩なプラスチック(構造の形態)  
 引用・参考文献  

2. プラスチック材料の種類と特性
 2.1 プラスチックの分類  
  2.1.1 熱可塑性プラスチックと熱硬化性プラスチック  
  2.1.2 汎用プラスチックとエンジニアリングプラスチック  
 2.2 おもなプラスチックの特性  
  2.2.1 汎用プラスチック  
  2.2.2 汎用エンジニアリングプラスチック(汎用エンプラ)  
  2.2.3 特殊エンプラ(スーパーエンプラ)  
  2.2.4 熱硬化性プラスチック  
 引用・参考文献  

3. 材料の流動特性
 3.1 流動特性  
 3.2 塑性変形特性  
  3.2.1 塑性加工の温度領域  
  3.2.2 負荷時の変形特性  
  3.2.3 変形後のひずみ回復特性  
 引用・参考文献  

4. 成形による状態変化
 4.1 状態変化  
 4.2 固化および結晶化  
 4.3 構造発現  
 引用・参考文献  

5. 各種成形方法
 5.1 前処理  
  5.1.1 乾燥  
  5.1.2 混合,混練  
 5.2 射出成形  
  5.2.1 概要  
  5.2.2 射出成形機  
  5.2.3 製品,金型設計  
 5.3 押出し成形  
  5.3.1 概要  
  5.3.2 成形機  
  5.3.3 押出し成形の理論的解析  
  5.3.4 成形機の設計と成形品品質  
  5.3.5 スクリューの設計  
  5.3.6 成形ヘッドの設計  
  5.3.7 各種の押出し成形法とその進歩  
 5.4 ブロー成形  
  5.4.1 概要  
  5.4.2 成形の基本現象  
  5.4.3 成形法,成形機  
 5.5 熱成形(真空・圧空成形)  
  5.5.1 概要  
  5.5.2 熱成形法の種類  
  5.5.3 成形機  
  5.5.4 材料  
  5.5.5 成形技術  
  5.5.6 成形品物性  
 5.6 延伸成形  
  5.6.1 概要  
  5.6.2 特徴  
  5.6.3 延伸成形法と延伸成形機  
  5.6.4 延伸の効果  
 5.7 ラミネーション成形  
  5.7.1 概要  
  5.7.2 押出しラミネーション  
  5.7.3 ドライラミネーション  
  5.7.4 無溶剤ラミネーション  
 5.8 カレンダー成形  
  5.8.1 概要  
  5.8.2 ロール構成  
  5.8.3 製品厚み精度の要因  
  5.8.4 カレンダー成形の未来  
 5.9 発泡成形  
  5.9.1 概要  
  5.9.2 発泡成形に用いる発泡剤  
  5.9.3 代表的な発泡成形  
 5.10 RIM成形  
  5.10.1 概要  
  5.10.2 高圧注入機  
  5.10.3 高圧ミキシングヘッド  
  5.10.4 R―RIM成形およびエアーローディング  
  5.10.5 RIM成形の未来  
 5.11 粉末成形  
  5.11.1 概要  
  5.11.2 粉末成形法の種類と特徴  
 5.12 圧縮・トランスファー成形  
  5.12.1 概要  
  5.12.2 トランスファー成形の特徴  
  5.12.3 成形工程  
  5.12.4 成形装置  
 引用・参考文献  

6. 複合材料の成形
 6.1 複合材料の創製  
 6.2 複合の目的と効果  
 6.3 強化複合のしくみ  
 6.4 熱硬化性プラスチックの成形方法と特徴  
  6.4.1 オープンモールド(開放型)法  
  6.4.2 クローズドモールド(密閉型)法  
 6.5 熱可塑性プラスチックの成形方法と特徴  
  6.5.1 中間材料  
  6.5.2 プレス成形  
  6.5.3 引抜き成形法  
  6.5.4 液体複合材成形  
  6.5.5 ハイブリッド成形  
 6.6 複合鋼板  
 6.7 ナノコンポジットの成形  
  6.7.1 ナノ充てん材  
  6.7.2 ナノコンポジットの成形方法  
 引用・参考文献  

7. 塑性加工
 7.1 鍛造加工  
  7.1.1 加工法  
  7.1.2 特徴  
  7.1.3 加工例  
  7.1.4 関連技術(転造加工)  
 7.2 押出し加工  
  7.2.1 固体押出しの種類  
  7.2.2 加工法  
  7.2.3 加工条件  
  7.2.4 特徴  
 7.3 引抜き加工  
  7.3.1 引抜き加工法の種類  
  7.3.2 特徴  
 7.4 圧延加工  
  7.4.1 加工法  
  7.4.2 特徴と加工例  
  7.4.3 異方性とその対策  
 7.5 せん断加工  
  7.5.1 種類  
  7.5.2 熱可塑性プラスチックのせん断加工  
  7.5.3 複合材料のせん断加工  
 7.6 曲げ加工  
 7.7 深絞り加工  
  7.7.1 加工法  
  7.7.2 特徴と絞り性  
 引用・参考文献  

8. 接着・接合
 8.1 機械的締結  
 8.2 融着接合  
  8.2.1 加熱方法による分類  
  8.2.2 融着接合と材料  
 8.3 接着剤を用いた接合  
  8.3.1 接着剤の種類と特徴  
  8.3.2 プラスチック材料の接着  
  8.3.3 接着工法  
 引用・参考文献  

9. 金型設計とCAE
 9.1 射出成形のCAEシステム  
 9.2 プラスチック流動シミュレーションの経過と現状  
 9.3 プラスチック流動シミュレーションの理論  
  9.3.1 充てん解析  
  9.3.2 保圧解析  
 9.4 プラスチック流動シミュレーションの適用例  
 引用・参考文献  

10. リサイクル
 10.1 プラスチックリサイクル  
 10.2 プラスチックリサイクルのLCA  
 10.3 家電製品のプラスチックリサイクル  
  10.3.1 解体分離の可能な成形品のリサイクル  
  10.3.2 解体分離の困難な成形品のリサイクル  
 10.4 自動車のプラスチックリサイクル  
  10.4.1 自動車リサイクルの現状  
  10.4.2 バンパーのリサイクル技術  
  10.4.3 自動車部品へのリサイクルプラスチックの適用状況  
  10.4.4 自動車部品へのリサイクルプラスチックの課題  
 引用・参考文献  

11. 試験・評価方法
 11.1 材料試験方法  
  11.1.1 標準化  
  11.1.2 比較可能なデータ  
  11.1.3 分子量,成形性  
  11.1.4 熱的性質  
  11.1.5 機械的性質  
 11.2 成形品の評価方法  
  11.2.1 基本性能  
  11.2.2 物理化学的特性  
  11.2.3 表面特性  
  11.2.4 光学特性  
  11.2.5 電気的特性  
  11.2.6 環境試験,耐久性  

引用・参考文献  
付録  
索引 

松岡 信一(マツオカ シンイチ)

中山 和郎(ナカヤマ カズオ)

杉本 昌隆(スギモト マサタカ)

安倍 賢次(アンバイ ケンジ)

長岡 猛(ナガオカ タケシ)

松田 裕行(マツダ ヒロユキ)

山田 俊樹(ヤマダ トシキ)

馬場 文明(ババ フミアキ)

伊藤 勝也(イトウ カツヤ)

辰巳 昌典(タツミ マサノリ)

秋元 英郎(アキモト ヒデオ)

山川 孝好(ヤマカワ タカヨシ)

多田 和弘(タダ カズヒロ)

仲井 朝美(ナカイ アサミ)

永澤 茂(ナガサワ シゲル)

佐藤 千明(サトウ チアキ)

佐伯 準一(サエキ ジュンイチ)

松尾 雄一(マツオ ユウイチ)

阿部 知和(アベ トモカズ)

「プラスチックス」2017年6月特大号(日本プラスチック工業連盟誌) 掲載日:2017/05/31

月刊 トライボロジー 2017年2月号 NO,354 掲載日:2017/02/14


掲載日:2023/05/31

2023年度塑性加工春季講演会論文集広告

掲載日:2023/02/28

「月刊 プラスチックス」2023年3月号

掲載日:2023/02/27

日本塑性加工学会誌2023年2月号

掲載日:2020/11/05

第71回 塑性加工連合講演会講演論文集広告

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