コンピュータグラフィックス技術の基礎と応用
CG技術の基礎から応用までを数式表現は最小限としやさしく解説。
- 発行予定日
- 2026/08/上旬
- 判型
- A5
- 予定ページ数
- 220ページ
- ISBN
- 978-4-339-02958-1
- 内容紹介
- まえがき
- 目次
CG画像・映像生成技術の基本や実際に作成するための基礎,CG技術が利用されているVR・AR・MRなどの臨場感・没入感提示システム,可視化技術などの概要と特徴を,数式表現は最小限とし基礎技術を軸として平易な表現で解説。
☆発行前情報のため,一部変更となる場合がございます
本書は,著者がおよそ30年にわたり本務先や非常勤講師として担当している,コンピュータグラフィックス(CG)および応用システムに関する講義内容をまとめたものである。
著者が研究としてCGに触れたのは,自身の卒業研究テーマとした1980年代後半のことである。そして,応用システムの代表格であるバーチャルリアリティ(VR)に触れたのは2003年,勤務先にCAVE型システムを導入し,その直後にイリノイ大学シカゴ校に訪問研究員として1年間滞在してCAVEを生み出したElectronic Visualization Laboratoryに通った際のことである。
学生時代から数えれば約40年。この間にモバイルコミュニケーションやインターネットの爆発的普及を基盤として,CGやVRは社会にとって当たり前の存在となった。最近では生成AIによる画像やプログラムコードなどの自動作成も,CGやVRに応用され,ますます社会を変えようとしている。そのような時代変化の中で,CGやVRに関する講義内容を時代に合わせて徐々に変化させてきた。
しかし,おもに追加・変更してきたのは応用に関する部分であり,20世紀に先人が成した基礎技術についてはいまも中核として位置付けている。CGを作る基本は何か,VRで人に現実感を与える基本は何かを知らなければ,各種ツールや生成AIを用いて得られる結果の是非を判断できないからである。このため,自然科学系でCGやVRを学ぶ者には基本こそ修得してほしいと考えている。
以上を踏まえ,本書を通じて,読者にはCGの基礎と応用に関して以下を達成してほしいと考えている。
• CG画像・映像生成技術の基本を修得し,実際に作成するための基礎を身に付ける。
• CG技術が利用されているVR・AR・MRなどの臨場感・没入感提示システム,可視化技術などの概要と特徴を理解する。
本書は,自然科学系の大学初年次から大学院修士課程における,CG・VR技術の初学者を想定している。したがって,主として高校で学ぶ数学・物理・情報に関する知識を前提としているが,大学課程での知識も一部用いている。解説に当たって基礎技術を軸とし,平易な表現を心掛けるとともに,数式表現は最小限とした。一方,具体的な数式表現や実用水準のアルゴリズム,また,著しく進展している応用システムについては,あえて言及しないか簡潔な説明にとどめている。より詳細な内容および最新動向については,読者自身による調査・把握をお願いしたい。
一人の教員がこれほどの長期間,かつ,複数の大学・大学院で同一科目を担当できたことは,内容の継続的改善はもちろんのこと,本書執筆の動機と励みになった。このような機会をいただいた関係大学・大学院の方々,ならびに講義履修を通じて質問・指摘を寄せてくれた学生諸君,そして執筆を粘り強く支えてくれたコロナ社の方々に,心より感謝申し上げる。
CGやVRの基盤に触れた本書の読者から次世代のCGやVRを生み出す人が出てくることを強く願う。
最後に,筆者の学究活動をつねに理解し,支えてくれている家族に深謝する。
2026年7月
牧野 光則
☆発行前情報のため,一部変更となる場合がございます
1.CG概観
1.1 CGとは
1.2 CGはなぜ使われるのか
1.3 ディジタルとアナログ,アナログのディジタル化
1.4 CGの誕生前後からこれまで
2.座標系,ディスプレイ技術
2.1 座標とは
2.2 光と色
2.3 ディスプレイ技術の進展
3.反射モデル,物体表面へのマッピング
3.1 身近で見られる光の反射現象,陰と影の違い
3.2 拡散反射モデル
3.3 鏡面反射および関連モデル
3.4 光源のモデル化
3.5 スムースシェーディング,マッピング
4.レイトレーシング法
4.1 点描・透視投影を実現する仕組み
4.2 レイトレーシング法の原理
4.3 レイトレーシング法の特徴
4.4 レイトレーシング法の交点計算・交差判定依存性
4.5 交点計算・交差判定の例
4.6 レイトレーシング法の課題
5.高速レンダリング──Zバッファ法──
5.1 リアルタイムCGに求める要件と簡便な隠面消去法
5.2 Zバッファ法
6.形状モデリング
6.1 形状モデリングに求められる要件
6.2 ポリゴンモデル
6.3 CSGモデル
6.4 パラメトリック曲面
6.5 代表的な自由形状曲面モデル
6.6 自由形状曲面とレンダリングとの相性
6.7 境界表現,スイープ,ボクセル
7.大域照明を考慮したレンダリング──ラジオシティ法,フォトンマッピング──
7.1 間接光の影響が強く現れる情景の表現
7.2 ラジオシティ法
7.3 漸進的ラジオシティ法
7.4 フォトンマッピング
7.5 「リアル」なCGとは
8.ボリュームレンダリング
8.1 ボリュームレンダリングとは
8.2 断面表示,等値面表示
8.3 直接的ボリュームレンダリングへの導入
8.4 ボリュームレンダリングの全体的特徴
9.クロスリアリティ
9.1 クロスリアリティとは
9.2 バーチャルリアリティ
9.3 VRを取り巻く社会状況
9.4 拡張現実
9.5 複合現実
9.6 XRの将来展望と課題
10.可視化
10.1 ビジュアリゼーション(可視化)とは
10.2 可視化システム
10.3 コンピュータ以前の可視化
10.4 主要な可視化分野・技法・ツール
10.5 可視化の課題と将来
引用・参考文献
索引








