Webテクノロジー - 自然言語処理・検索・推薦・大規模言語モデル -
生成AI時代に対応したWebテクノロジーの基礎から応用までを体系的に学べる入門書
- 発行予定日
- 2026/07/中旬
- 判型
- A5
- ページ数
- 270ページ
- ISBN
- 978-4-339-01383-2
- 内容紹介
- まえがき
- 目次
【読者対象】
本書の主な対象読者は,Webテクノロジーを体系的に学びたい大学生・大学院生ですが,Webの基盤技術,機械学習,自然言語処理,情報検索・推薦,大規模言語モデル(LLM)を幅広く扱うので,これらの要素技術に興味のある幅広い読者に役立つ内容となっています。
【書籍の特徴】
本書では,インターネットとWebの基礎から,機械学習,自然言語処理,情報検索,情報推薦,大規模言語モデルまで,現代のWebサービスを支える多様な技術を幅広く扱っています。Webテクノロジーは,通信プロトコルやWebアプリケーションの仕組みに加えて,検索エンジン,推薦システム,生成AIなど,日常的に利用されるサービスの中核をなす情報処理技術とも深く関わっています。本書では,それぞれの技術について,基礎的な考え方に加えて代表的な手法や応用例も解説しています。各章は個別のテーマごとに構成されているため,最初から順に読み進めるだけでなく,興味のある章から読むこともできます。必要な知識を目的に応じて学びながら,Webテクノロジー全体への理解を広げられる一冊です。
【各章について】
1章では,インターネット通信,URL・HTTP,クライアント技術,Webサービス設計などを通じて,Webを支える基盤技術を概観します。(河合)
2章では,多くのWebテクノロジーを支える中核技術である機械学習の基本概念と代表的手法を学びます。(牛尼,佃)
3章では,自然言語処理について,言語解析の基礎から応用タスクまでを扱い,人間の言語を計算機で処理する仕組みを理解します。(若宮)
4章の情報検索と5章の情報推薦では,膨大なデータからユーザにとって有用な情報を精度高く発見するための技術を学びます。(佃)
6章では,生成AIの基盤技術である大規模言語モデル(LLM)の仕組みと応用について解説します。(牛尼,中島)
【著者からのメッセージ】
Webを支える技術は多岐にわたります。本書では,そうした技術を体系的に学べるよう,多様な分野について基礎から応用まで幅広く取り上げました。本書で扱う分野はいずれも,新しい技術が次々と生まれていますが,古典的な技術も取り上げることで,個々の新しい技術だけでなく,その背後にある基本的な考え方や設計思想を理解し,今後登場する新しい技術を学ぶための土台を身につけられるようにしました。本書を通して,日々利用しているインターネットやWebサービスの裏側にある技術にも興味を持っていただければ幸いです。
【キーワード】
Web,インターネット,機械学習,自然言語処理,情報検索,情報推薦,大規模言語モデル
☆発行前情報のため,一部変更となる場合がございます
インターネットとWebテクノロジーは,われわれの日常生活やビジネス活動に深く浸透し,その影響力は年々増大している。本書でいう「Webテクノロジー」とは,インターネット上でサービスや情報を提供・流通させるための基盤技術の総称であり,通信プロトコルやデータ処理だけでなく,自然言語処理・情報検索・推薦・大規模言語モデルといった高度な情報処理技術をも包含する。情報通信,エンターテインメント,教育,医療,そしてビジネスの多くの側面が,これらの技術によって支えられ,革新され続けている。本書『Webテクノロジー』は,これらの急速に進化する技術の基礎から応用までを包括的に解説し,読者が現代のWebテクノロジーを深く理解するための道しるべとなることを目指すものである。
近年,大規模言語モデル(LLM)を中核とする生成AIの進展により,Webサービスの設計と実装を取り巻く前提が大きく変わりつつある。従来の検索や推薦に加え,対話型の情報アクセス,コンテンツ生成,パーソナライズといった機能が実用化し,Webサービスに求められる技術要素も多様化している。本書は,こうした変化を踏まえて,基盤となる原理と実装上の要点を体系的に学べる構成とした。その上で,Webテクノロジーに興味を持つすべての読者,特にこれからこの分野でのキャリアを目指す学生や技術者にとって貴重な知識と洞察を提供することを目的とする。
本書は,全6章から構成される。まず1章(河合)では,インターネットとWebの基礎を概観する。インターネット通信の仕組み,URLとHTTP,クライアント技術,Webサービス設計などを通じて,Webを構成する基盤技術の全体像を把握する。2章(牛尼,佃)では,機械学習の基礎を扱う。機械学習は,現代の多くのWebテクノロジーを支える中核技術であり,その基本的な概念と手法の理解は,Webテクノロジー全般の理解を深める上で不可欠である。3章(若宮)では自然言語処理を扱い,言語解析の基礎から実応用タスクまでを学ぶことで,人間の言語を計算機的に扱う原理と方法を習得する。さらに,4章(佃)の情報検索と5章(佃)の情報推薦では,膨大なデータからユーザにとって有用な情報を精度高く見つけ出すために必要な検索・推薦アルゴリズムや評価指標を詳述する。最後に6 章(牛尼,中島)では,生成AIの基盤となる大規模言語モデルとその応用を取り上げ,大規模言語モデルがどのように開発され,どのように実世界の問題解決に活用できるのかを学ぶ。
本書で扱うおもな数式や記号の表記ルールは,つぎのとおりである。ベクトルや行列などの具体的な記号が表す内容は章によって異なり,各章の本文中で適宜説明しているため,ここでは例示のみとする。
• スカラー(通常の変数):小文字の斜体で表記する(例:𝑥, 𝑦, 𝑎)。
• ベクトル:小文字の太字で表記する(例:𝐱, 𝐲)。
• 行列:大文字の太字で表記する(例:𝐀, 𝐁)。
• 集合:大文字の斜体で表記する。実数や整数の集合には白抜き文字を用いる(例:𝐴, 𝐵, ℝ, ℤ)。
• 関数:1文字の関数名は斜体,2文字以上の関数名や三角関数・対数関数などは立体(ローマン体)で表記する(例:𝑓(𝑥), exp(𝑥), sin 𝑥, log 𝑦)。
最後に,本書の執筆機会を与えてくださった「メディアテクノロジーシリーズ」の編集委員会および,長期間にわたり献身的なご支援をいただいたコロナ社の皆さんに,心より謝意を表する。本書が読者の学びと発展に寄与し,Webテクノロジーの未来を切り開く一助となることを願う。
2026年4月
編集者 牛尼剛聡・佃洸摂
☆発行前情報のため,一部変更となる場合がございます
1.Web技術の基礎と仕組み
1.1 インターネットとWeb
1.2 クライアント・サーバモデル
1.2.1 URL
1.2.2 HTTPリクエストとHTTPレスポンス
1.2.3 HTTPバージョンの進化
1.3 Webクライアント
1.3.1 HTMLとWebページ
1.3.2 CSS
1.3.3 JavaScript
1.4 Webのデータ通信と構造
1.4.1 XMLとJSON
1.4.2 Ajax
1.4.3 SOAP
1.4.4 REST
1.4.5 OAuth
1.5 モダンWeb開発の潮流
1.5.1 クロスプラットフォーム開発フレームワーク
1.5.2 クラウドサービス
1.6 まとめ
2.機械学習
2.1 機械学習とは
2.2 教師あり学習
2.2.1 学習の流れ
2.2.2 分類の手法
2.2.3 分類の評価指標
2.2.4 回帰の手法
2.2.5 回帰の評価指標
2.3 教師なし学習
2.3.1 階層的クラスタリング
2.3.2 K-means
2.3.3 DBSCAN
2.4 深層学習
2.4.1 ニューラルネットワークの基本構造
2.4.2 パラメータの学習
2.5 まとめ
3.自然言語処理
3.1 テキストデータの扱い方と基礎概念
3.1.1 テキストの前処理
3.1.2 言語データの統計的性質
3.2 形態素解析
3.2.1 形態素解析とは
3.2.2 形態素解析器
3.3 固有表現抽出
3.3.1 固有表現抽出とは
3.3.2 固有表現抽出の方法
3.3.3 応用と発展
3.4 構文解析
3.4.1 構文解析とは
3.4.2 構文解析の種類
3.4.3 構文解析器と出力例
3.5 意味解析
3.5.1 意味解析とは
3.5.2 単語レベルの課題:語義の曖昧性解消
3.5.3 文レベルの課題:意味役割付与
3.5.4 単語埋め込み
3.5.5 伝統的な意味表現:統計的手法とベクトル化
3.5.6 意味解析のための知識資源の活用
3.6 応用タスク
3.6.1 文書分類
3.6.2 機械翻訳
3.6.3 要約
3.6.4 質問応答
3.7 言語資源
3.7.1 コーパス
3.7.2 辞書
3.7.3 言語資源の整備と共有
3.8 まとめ
4.情報検索
4.1 情報検索の流れ
4.2 転置インデックス
4.3 単語の出現傾向を用いたランキング手法
4.3.1 ベクトル空間モデル
4.3.2 TF-IDF
4.3.3 BM25
4.4 リンク構造を用いたランキング手法
4.4.1 PageRank
4.4.2 HITS
4.5 機械学習を用いたランキング手法
4.5.1 ランク学習
4.5.2 深層学習に基づくWebページランキング
4.6 情報検索の評価
4.6.1 Precision
4.6.2 Recall
4.6.3 F-measure
4.6.4 MAP
4.6.5 MRR
4.6.6 nDCG
4.6.7 その他の評価指標・評価方法
4.7 クエリ自動補完・クエリ推薦
4.7.1 クエリ自動補完
4.7.2 クエリ推薦
4.8 まとめ
5.情報推薦
5.1 Webにおける情報推薦
5.2 ユーザの嗜好表現
5.2.1 明示的フィードバック
5.2.2 暗黙的フィードバック
5.3 アイテムの内容に基づく情報推薦
5.3.1 メタ情報に基づく情報推薦
5.3.2 特徴量に基づく情報推薦
5.4 協調フィルタリングに基づく情報推薦
5.4.1 ユーザ間型メモリベース法
5.4.2 アイテム間型メモリベース法
5.4.3 モデルベース法:MF
5.4.4 モデルベース法:BPR
5.4.5 モデルベース法:FM
5.5 深層学習を用いた情報推薦
5.5.1 ニューラルネットワークに基づく推薦
5.5.2 グラフニューラルネットワークに基づく推薦
5.5.3 時系列に基づく推薦
5.6 ハイブリッド型の情報推薦
5.6.1 混合
5.6.2 切り替え
5.6.3 重み付け
5.6.4 カスケード
5.7 推薦手法の評価
5.7.1 オフライン評価
5.7.2 オンライン評価
5.7.3 ユーザスタディ
5.7.4 三つの評価方法の比較
5.8 まとめ
6.大規模言語モデルとその応用
6.1 言語モデルの概念と歴史的背景
6.1.1 初期の言語モデル
6.1.2 ニューラル言語モデル
6.1.3 リカレントニューラルネットワーク(RNN)
6.1.4 Seq2Seq
6.1.5 注意機構
6.2 Transformer
6.2.1 自己注意機構
6.2.2 位置エンコーディング
6.2.3 エンコーダ–デコーダアーキテクチャ
6.3 Transformerを基盤とした言語モデル
6.3.1 GPT
6.3.2 BERT
6.3.3 構造と応用の比較
6.4 Transformerを基盤とした言語モデルの学習
6.4.1 事前学習
6.4.2 ファインチューニング
6.4.3 人間の意図との整合:アライメントとRLHF
6.5 LLMを活用したアプリケーション
6.5.1 プロンプトエンジニアリングと出力制御
6.5.2 自然言語インタフェースとしてのLLM
6.5.3 検索拡張生成(RAG)
6.5.4 Webアプリケーションにおける活用例
6.6 LLMの課題
6.7 まとめ
引用・参考文献
索引
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