人工衛星と宇宙探査機

宇宙工学シリーズ 3

人工衛星と宇宙探査機

  • 木田 隆 電通大名誉教授 博士(工学)
  • 小松 敬治 宇宙航空研究開発機構名誉教授 工博
  • 川口 淳一郎 宇宙航空研究開発機構シニアフェロー 工博

人工衛星と宇宙探査機の設計法について,基礎となる原理から最新の技術までを取り上げ,システム構成,構造設計,軌道計画,制御技術について詳細に解説。理解を深め実際の問題に適用できるように多くの例題を紹介している。

ジャンル
発行年月日
2001/09/28
判型
A5 上製
ページ数
276ページ
ISBN
978-4-339-01223-1
人工衛星と宇宙探査機
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定価

4,180(本体3,800円+税)

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人工衛星と宇宙探査機の設計法について,基礎となる原理から最新の技術までを取り上げ,システム構成,構造設計,軌道計画,制御技術について詳細に解説。理解を深め実際の問題に適用できるように多くの例題を紹介している。

1.衛星と宇宙探査機の概要
 1.1 宇宙機
 1.2 宇宙機の軌道
 1.3 打上げ
 1.4 衛星の構成
 1.5 衛星と探査機の実例

2.衛星と宇宙探査機システムの設計
 2.1 構造サブシステム
  2.1.1 構造設計の概要
  2.1.2 衛星にかかる荷重
  2.1.3 構体
  2.1.4 材料
  2.1.5 寸法の決定
  2.1.6 展開構造物
 2.2 電源系サブシステム
  2.2.1 電池
  2.2.2 食の計算法
  2.2.3 太陽電池
  2.2.4 燃料電池
 2.3 熱制御系サブシステム
  2.3.1 熱放射
  2.3.2 放射による熱移動
  2.3.3 熱伝導による熱移動
  2.3.4 対流
  2.3.5 ヒータとクーラ
  2.3.6 衛星の熱制御例
 2.4 推進系サブシステム

3.衛星の構造解析
 3.1 モード解析
 3.2 有限要素法プログラム
 3.3 有効モード質量
 3.4 部分構造法
 3.5 衛星のダイナミックモデル

4.軌道計画の決定とその運用
 4.1 軌道運動の基礎
  4.1.1 二体問題
  4.1.2 二体問題に関する力学的な性質
  4.1.3 ケプラー6要素(軌道要素)
  4.1.4 ケプラー方程式
  4.1.5 カルテシアン要素からケプラー要素へ
  4.1.6 ケプラー要素からカルテシアン要素を求める
  4.1.7 軌道移行
  4.1.8 ヒルの方程式(円軌道上でのランデブー)
 4.2 衛星コンステレーション
  4.2.1 開発の歴史
  4.2.2 コンステレーションの軌道設計
  4.2.3 航法精度評価
  4.2.4 最近のコンステレーション検討方向
 4.3 惑星間飛行の計算法
  4.3.1 ランベルトの定理
  4.3.2 ランベルト問題の具体的な解法
  4.3.3 地球出発時の幾何学的関係と出発双曲線軌道,パーキング軌道の計算法
  4.3.4 脱出軌道投入時のケプラー6要素計算法
  4.3.5 目標惑星到着時の軌道関係式
  4.3.6 スイングバイ
 4.4 軌道決定
  4.4.1 軌道誤差(変分)の伝搬
  4.4.2 条件付き確率(期待値)
  4.4.3 確率過程とカルマンフィルタ
  4.4.4 推定共分散の最小化とカルマンフィルタ
  4.4.5 最小2乗推定とバッチシーケンシャル法
  4.4.6 電波による観測情報―距離と距離変化率
  4.4.7 1パス内の距離,距離変化率計測による軌道推定の精度
  4.4.8 軌道決定誤差の解析的評価

5.人工衛星の姿勢制御
 5.1 姿勢運動の基礎
  5.1.1 姿勢の表現
  5.1.2 キネマティックス
  5.1.3 ダイナミックス
 5.2 外乱トルク
 5.3 姿勢の安定化
  5.3.1 スピン衛星
  5.3.2 重力安定化衛星
 5.4 姿勢決定
  5.4.1 光学センサ
  5.4.2 慣性センサ
  5.4.3 姿勢決定アルゴリズム
 5.5 姿勢の制御
  5.5.1 制御系の構成
  5.5.2 ホイールによる制御
  5.5.3 CMGによる制御
  5.5.4 ガスジェットによる制御

付録
略語集
参考文献
索引

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木田 隆

木田 隆(キダ タカシ)

博士(工学)(東京大学 1994年)

経歴
1973年 東京大学工学部計数工学科卒業
同年 科学技術庁航空宇宙技術研究所 研究員
1996年 電気通信大学電気通信学部 教授
2015年 電気通信大学 名誉教授,現在に至る

研究分野
人工衛星の姿勢制御理論の研究と教育を行ってきた.また,宇宙開発事業団(現JAXA)との共同研究として,スキャン型地球センサのTT500Aロケットによる性能評価試験(1982年),技術試験衛星6号機(1995年),8号機(2009年~2010年)を用いた人工衛星のロバスト制御の軌道上実験などを実施した.

主な著書
スペースクラフトの制御(1999),コロナ社.
フィードバック制御の基礎(2003),培風館.
航空宇宙工学便覧第3版(2005,分担執筆),丸善.
人工衛星の力学と制御ハンドブック(2007,編集・分担執筆),培風館.
制御の事典(2007,編集・分担執筆)朝倉書店.

小松 敬治

小松 敬治(コマツ ケイジ)

1972年 東京大学工学部航空学科卒業
1972年~2003年 航空宇宙技術研究所
2003年~2015年 宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所 教授
2004年~2010年 総合研究大学院大学 物理科学研究科 宇宙科学専攻 教授
2010年~2015年 東京大学大学院 工学研究科 航空宇宙工学専攻 教授
2015年~     宇宙航空研究開発機構名誉教授
工学博士(1983, 東京大学)

航空宇宙技術研究所において、低騒音短距離離着陸実験機「飛鳥」、成層圏プラットフォーム飛行船などの開発に従事。この間、宇宙開発事業団の客員開発部員としてH2ロケット、技術試験衛星6型などの開発研究を行う。宇宙科学研究所においてはBeppi-Colombo MMO, はやぶさ2, SPICAなどの探査機の構造・機構を担当。

主な著作
PROGRESS IN BOUNDARY ELEMENT METHOD (1983 共著)Pentech Press .
モード解析の基礎と応用 (1986, 分担執筆), 丸善.
モード解析ハンドブック (2000, 分担執筆), コロナ社.
スペクトル解析ハンドブック(2004, 分担執筆), 朝倉書店.
機械構造振動学, (2009) 森北出版.
人工衛星の力学と制御ハンドブック,(2007, 分担執筆),培風館.
機械構造弾性力学,(2013) 森北出版.
スロッシング, (2015) 森北出版.

川口 淳一郎

川口 淳一郎(カワグチ ジュンイチロウ)

1978年 京都大学工学部卒業後、1983年 東京大学大学院工学系研究科航空学専攻博士課程を修了し、旧文部省宇宙科学研究所に助手として着任、2000年に教授、2021年宇宙航空研究開発機構定年退職。同年 東北大学大学院機械系特任教授。現オーストラリア国立大学 機械計算科学系 教授。宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所 名誉教授。工学博士。

2007年から2011年まで、JAXA 月惑星探査プログラムグループ プログラムディレクター、2011年よりJAXA シニアフェロー。ハレー彗星探査機「さきがけ」、工学実験衛星「ひてん」、火星探査機「のぞみ」などの月惑星探査ミッションに携わり、小惑星探査機「はやぶさ」では、プロジェクトマネージャを務めた。