ユーザのための システム同定理論

ユーザのための システム同定理論

本書は対象の数学モデルを構築するシステム同定問題に焦点を絞り,その中でも制御系設計のためのシステム同定理論について,基礎から実際的な側面までを難しい数学を用いることなく理解できるように工夫した。

ジャンル
発行年月日
1993/07/31
判型
A5
ページ数
232ページ
ISBN
978-4-339-08349-1
ユーザのための システム同定理論
品切・重版未定
当面重版の予定がございません。

定価

3,740円(本体3,400円+税)

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本書は対象の数学モデルを構築するシステム同定問題に焦点を絞り,その中でも制御系設計のためのシステム同定理論について,基礎から実際的な側面までを難しい数学を用いることなく理解できるように工夫した。

まえがき
第1章 序論
 1.1 はじめに
 1.2 例題
  1.2.1 大型宇宙構造物
  1.2.2 産業用ロボット
  1.2.3 血糖値調節機能
  1.2.4 音声信号中の喉頭雑音の推定
 1.3 本書の構成
第2章 システム同定の基礎
 2.1 はじめに
 2.
2 モデルの表現
  2.2.1 線形システムの一般的な表現
  2.2.2 式誤差モデル
  2.2.3 出力誤差モデル
 2.3 予測誤差法
  2.3.1 式誤差法
  2.3.2 出力誤差法
 2.4 周波数領域からみた予測誤差法
  2.4.1 周波数領域における評価規範
  2.4.2 式誤差法の周波数特性
  2.4.3 出力誤差法の周波数特性
 2.5 同定モデルの選定
 2.6 同定結果の妥当性
 2.7 まとめ
第3章 システム同定実験の設計
 3.1 はじめに
 3.2 同定入力の与え方
  3.2.1 PE性
  3.2.2 M系列信号
  3.2.3 帯域制限された同定入力信号
  3.2.4 同定入力信号のレベル
 3.3 サンプリング周期の決定法
  3.3.1 サンプリング周期の上界
  3.3.2 サンプリング周期の下界
  3.3.3 サンプリング周期の決定法
 3.4 入出力データのための信号処理
  3.4.1 低周波外乱の除去
  3.4.2 デシメーション 
  3.4.3 入出力信号のスケーリング
  3.4.4 入出力データ数
 3.5 ロバストな推定法
  3.5.1 M推定
  3.5.2 不感帯法、σ-修正法
 3.6 モデル次数の選定
 3.7 まとめ
第4章 数値的な側面からみたシステム同定
 4.1 はじめに
 4.2 数値的に安定なシステム同定法
  4.2.1 連立1次方程式の感度解析
  4.2.2 同定入力信号に起因する悪条件
  4.2.3 正則化法
  4.2.4 同定対象の特性に起因する悪条件
 4.3 離散時間同定モデルのパラメトリゼーション
  4.3.1 デルタオペレータモデル
  4.3.2 ラゲールモデル
  4.3.3 周波数サンプリングフィルタ
 4.4 まとめ
第5章 ロバスト制御のためのシステム同定法
 5.1 はじめに
 5.2 システマティック誤差
 5.3 ノンパラメトリックモデルの同定法
  5.3.1 周波数応答法
  5.3.2 相関を用いた周波数応答法
  5.3.3 スペクトル解析法
  5.3.4 デシメーションを複数個用いた同定法
 5.4 周波数応答からパラメトリックモデルの合成法
  5.4.1 最小2乗法に基づく周波数応答から伝達関数の合成法
  5.4.2 SVDに基づく方法
 5.5 低次元化
 5.6 パラメータ集合の同定法
 5.7 セットメンバーシップ同定法
  5.7.1 問題の設定
  5.7.2 1次モデルの同定
  5.7.3 式誤差モデルの同定 
 5.8 まとめ
第6章 システム同定におけるトピックス
 6.1 はじめに
 6.2 閉ループシステムの同定
 6.3 不安定システムの同定
  6.3.1 不安定システムの特徴
  6.3.2 有界な入力信号を用いた不安定システムの同定
  6.3.3 非有界な入力信号を用いた不安定システムの同定
 6.4 非線形システムの同定
  6.4.1 非線形モデル
  6.4.2 NARMAXモデルの同定
 6.5 まとめ
参考文献
索引

足立 修一

足立 修一(アダチ シュウイチ)

 足立氏は慶應義塾大学理工学部で長く教鞭を執り,現在は同大学名誉教授を務めています。彼は 「複雑なものを整理し,わかる形にして世の中へ渡す人」です。研究においては,システム同定,モデリング,カルマンフィルタ,制御工学という専門の軸が明確で,研究・教育・産業応用が一本につながっています。人物像として際立つのは,単に研究成果を出すだけでなく,分野全体を整理して伝える力です。難しい理論を,学生や技術者が使える形に翻訳する。彼は,研究者であると同時に,案内人,解説者,体系化する人です。そのために数多くの著書を執筆してきました。特にシステム同定の分野では,理論的な研究だけでなく,実際に手を動かしながら学べるような教科書を執筆してきました。たとえば,『ユーザのためのシステム同定理論』(1993)をはじめ,『MATLABによる制御のためのシステム同定』(1996),『システム同定の基礎』(2009)などです。特に,『ユーザのためのシステム同定理論』(コロナ社,品切・重版未定)は,システム同定の基礎から実験設計,数値計算,ロバスト制御のための同定までを扱った著作で,計測自動制御学会創立30周年記念著述賞1等を受賞しました。
 また,システム同定だけでなく,『カルマンフィルタの基礎』,『信号・システム理論の基礎』(コロナ社),『制御工学のこころ』 ,『モデル予測制御』(翻訳) など,制御工学を学ぶうえで重要なテーマについても幅広く本を執筆しています。難解だと言われることが多い制御工学の理論と実践を,彼は長年にわたってわかりやすく伝えてきています。
 制御工学をこれから学ぶ学生にとってはもちろん,研究や実務でシステム同定やカルマンフィルタを使いたい技術者や研究者にとっても,足立氏の著作は「理論を学ぶための本」であると同時に,「実際にどう使うのか」を考えるための本になっているのが魅力です。