構造力学問題集 - 基本問題からチャレンジ問題まで -

構造力学問題集 - 基本問題からチャレンジ問題まで -

基礎~応用レベルの問題を用意し,企業の就職試験,公務員・資格試験対策にも役立つ問題集

ジャンル
発行年月日
2021/03/18
判型
B5
ページ数
188ページ
ISBN
978-4-339-05273-2
構造力学問題集 - 基本問題からチャレンジ問題まで -
在庫あり

定価

3,410(本体3,100円+税)

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  • 内容紹介
  • まえがき
  • 目次
  • 著者紹介
  • 広告掲載情報

 本書は、大学や高等専門学校で構造力学の講義を担当している著者4名で執筆しました。いずれも構造分野の教育・研究に20年近く携わってきた教員です。著者らのこれまでの講義経験を活かし、構造力学を学習する多様な読者を対象とした構成となっています。本書の最大の特徴は、各章の多くの問題が連続していることです。たとえば、3章の問題は4章でも取り扱っています。また、それ以降の各章においても同じ問題、あるいは類似問題、問題の組み合わせが出題されています。学習が進むなかで、計算が分からなくなったときに、それまでの問題を振り返ることができます。
これまで構造力学を学習したことのない読者向けに、各章には「基礎事項」を掲載しています。もちろん、学習した内容の再確認としても活用できます。次に、「基本問題」を設定しています。基本問題には、丁寧に解答を加えた問題と穴埋め問題があります。自身の理解度を確認しながら進めることができます。さらに学習レベルをステップアップするために「チャレンジ問題」を設定しています。なお、解答を間違いやすい箇所には「Point」を記載して注意を促しています。
 また、基本問題における穴埋め問題、およびチャレンジ問題の詳細解答は、すべてコロナ社のWEB上に掲載することにしました。皆さんのなかには、すぐに解答を見る癖がついていませんか?学習することは、自ら考え、自分なりの解き方を身につけるまで諦めないことです。これも著者らのこれまでの経験を踏まえてのことです。

各章について
 各章について簡単に説明します。
1章では力の分解・合成とモーメントを理解します。3章から始まるつり合い計算のための基本となります。
2章では図心や断面2次モーメントなどの断面の性質を理解します。この内容は、5章以降の計算に必要となります。
3章では構造物の支点反力、4章では構造物の断面内に作用する軸力、せん断力、曲げモーメントといった断面力の計算とそれらを図に描く方法を理解します。構造設計において、断面力の理解は最も重要です。
5章では構造物のたわみやたわみ角について、いくつかの解法を用いて解説しています。それぞれの解法の特徴や計算の難易度なども理解できます。6章では構造物に作用する応力やひずみの計算を理解します。各章で取り上げる問題は3章と4章の問題と同じ構造、あるいは類似の構造、また2章の断面との組み合わせ問題としました。学習が進むなかで,分からなくなったときにはそれまでの問題を振り返ることができます。
7章では長柱の座屈を理解します。その際、構造物の断面に応じて2章の内容を身につけておく必要がありますので、2章の断面を問題に含めました。
8章では簡単な不静定構造物の支点反力や断面力の計算と構造物が塑性崩壊するときの荷重についての基本を理解します。
9章では移動荷重が作用する構造物の影響線の基本とその書き方を理解します。
10章ではコンピュータを使った構造解析を行う際の基礎となる剛性方程式の組立てを理解します。

はじめに
著者らは,それぞれの教育機関で構造力学の講義や演習科目を担当している。そのなかで,「問題の解答がほしい」や「高校での物理を理解できなかった」,「構造力学をどのように勉強したらよいかわからない」といった学生の声を聞いてきた。そこで,大学や高専での講義や演習において,学生が理解し難いところ,計算を間違いやすいところなどに注意を払い,構造力学の理解度をさらに深めてもらいたいとの思いから,本書を執筆することにした。土木系の学科・コースに入学してくる学生にとって,構造力学は基礎となる科目であり,コンクリート構造学や鋼構造学,橋梁工学などといった土木系の応用科目を学ぶために必須の学問である。

本書は問題集として執筆しているが,構造力学を基礎から理解してもらえるように,各章に「基礎事項」をまとめ,「基本問題」についてはできるだけ丁寧な解答を心がけた。そのなかでこれまでの経験から,学生が間違いやすい箇所には「Point」としてコメントを加えた。そして自らの理解度を確認できるように,基本問題の解答のなかには穴埋め箇所を設け,基本問題の後にはチャレンジ問題を設定したので,最後まで諦めることなくステップアップしてもらいたい。

本書の構成・特徴は,つぎのようにまとめられる。
(1)1章に「力とモーメント」,2章に「断面の性質」がある。
(2)3章に「支点反力」,4章に「断面力」がある。各章で取り上げた問題は同じにしたので,3章の問題数がやや多いと感じるかもしれない。支点反力を理解できた時点で,4章へ進んでもらえればよい。
(3)5章に「たわみ」,6章に「応力とひずみ」がある。それぞれの章で取り上げた構造は3章と4章の問題と同じ,あるいは類似の構造が多く登場する。学習が進むなかで,わからなくなったときには,それまでの問題を振り返って復習できる。
(4)7章に「座屈」,8章に「簡単な不静定構造物と崩壊荷重」,9章に「移動荷重と影響線」,10章に「マトリックス構造解析の基礎」がある。
(5)本書は大学・高専の学生を対象としたが,基礎レベルから応用レベルまでの問題を設定しているため,企業や公務員への就職対策,資格試験対策にも活用できる。
(6)コーヒーブレイクと著者からのメッセージを各章末に掲載したので,学習の合間に読んでもらえればよいと思う。

なお,本書ではできるだけ多くの問題を掲載したいという思いから,基本問題の解答の穴埋め箇所とチャレンジ問題の詳細解答はコロナ社のWEB上に掲載している。さらに本書に掲載しきれなかった問題も併せて掲載しているので,そちらを活用して自主的に学習してもらいたい。

最後に,本書の出版にあたり,著者らの意図をご理解いただき,出版をご承諾いただいたコロナ社に深く感謝申し上げる。また,著者らが所属する教育機関の学生達には,本書の執筆にあたり参考になる意見を多数頂戴した。ここに感謝の意を記す。

2021年1月
著者一同

序.構造力学をはじめるにあたっての基礎事項
■基礎事項
0.1 荷重の種類
0.2 支持条件と支点反力
0.3 外的静定構造物と外的不静定構造物
0.4 有効数字
コーヒーブレイク<支承あれこれ>

1.力とモーメント
■基礎事項
1.1 力の3要素
1.2 力の分解
1.3 力の成
1.4 モーメント
■基本問題(1-1~1-7)
■チャレンジ問題(1-1~1-5)
著者からのメッセージ

2.断面の性質
■基礎事項
2.1 断面の図心
2.2 断面2次モーメント
2.3 主断面2次モーメント
■基本問題(2-1~2-7)
■チャレンジ問題(2-1~2-5)
コーヒーブレイク<紙を使った断面2次モーメントの概念>

3.支点反力
■基礎事項
3.1 力のつり合い式
3.2 多数の集中荷重が作用するはりの支点反力
3.3 分布荷重と等価な集中荷重
■基本問題(3-1~3-26)
■チャレンジ問題(3-1~3-16)
コーヒーブレイク<アイアンブリッジ>

4.断面力
■基礎事項
4.1 断面力の定義
4.2 はりに生じる断面力の求め方
4.3 分布荷重,せん断力,曲げモーメントの関係
4.4 静定トラスに生じる部材力の求め方
■基本問題(4-1~4-25)
■チャレンジ問題(4-1~4-16)
著者からのメッセージ

5.たわみ
■基礎事項
5.1 たわみの微分方程式
5.2 弾性荷重法
5.3 仮想仕事の原理
5.4 エネルギー法
■基本問題(5-1~5-6)
■チャレンジ問題(5-1~5-5)
著者からのメッセージ

6.応力とひずみ
■基礎事項
6.1 直応力と直ひずみ
6.2 曲げ応力と曲げひずみ
6.3 せん断応力とせん断ひずみ
6.4 任意面上の応力
6.5 主応力
6.6 温度変化によって生じるひずみ
■基本問題(6-1~6-8)
■チャレンジ問題(6-1~6-5)
コーヒーブレイク<平面応力状態と平面ひずみ状態>

7.座屈
■基礎事項
7.1 オイラーの座屈荷重
7.2 座屈応力と細長比
■チャレンジ問題(7-1~7-4)
コーヒーブレイク<全体座屈と局部座屈>

8.簡単な不静定構造物と崩壊荷重
8.1 不静定次数
8.2 変形の適合条件
8.3 全塑性モーメント
8.4 崩壊荷重
■基本問題(8-1~8-8)
■チャレンジ問題(8-1~8-6)
コーヒーブレイク<有限要素解析による桁の応力コンター図>

9.移動荷重と影響線
■基礎事項
9.1 単純ばりの影響線
9.2 張出しばりの影響線
9.3 片持ちばりの影響線
9.4 ゲルバーばりの影響線
9.5 不静定ばりの支点反力の影響線
9.6 相反作用の定理
9.7 たわみ,たわみ角の影響線
9.8 最大せん断力と最大曲げモーメント
9.9 トラスの影響線
9.10 ミューラー・ブレスラウの定理
■基本問題(9-1~9-3)
■チャレンジ問題(9-1~9-3)
著者からのメッセージ

10.マトリックス構造解析の基礎
■基礎事項
10.1 軸力部材のマトリックス構造解析の解法
10.2 傾斜トラス要素のマトリックス構造解析の解法
■基本問題(10-1~10-3)
■チャレンジ問題(10-1)
著者からのメッセージ

参考文献
索引

東山 浩士(ヒガシヤマ ヒロシ)

 近畿大学理工学部社会環境工学科教授。近畿大学理工学部土木工学科助手、同学部社会環境工学科講師、准教授を経て、現在に至る。その間、カナダ・ブリティッシュコロンビア大学にて客員研究員として、1年間の在外研究を行った。
 これまで、構造力学Ⅰ&演習、構造力学Ⅱ&演習、構造力学Ⅲなどの構造力学系科目の授業を約20年間担当している。また、構造工学、橋梁工学、維持管理工学に関する研究を行っている。構造力学は建設分野における基礎科目であり、基礎をしっかりと理解することにより、鉄筋コンクリート工学や鋼構造学などの応用科目の修得へとつながる。さらに、それらを礎として、構造分野の研究へと発展してもらいたい。

石川 敏之(イシカワ トシユキ)

 関西大学環境都市工学部都市システム工学科准教授。駒井鉄工株式会社,大阪大学大学院工学研究科特任研究員,名古屋大学大学院環境学研究科都市環境学専攻助教,京都大学大学院工学研究科都市社会工学専攻助教を経て,現在に至る。これまで、構造力学の講義・演習,鋼構造学,インフラデザイン,設計演習,構造実験などの構造力学関連科目の授業を担当してきた.構造工学,鋼構造,橋梁工学,維持管理工学に関する研究を行っている.構造力学は構造設計技術者を目指す学生にとっては必須となる科目である.演習問題を解くことで,構造力学をしっかりと学び,力学センスを磨いてもらいたい.

上中 宏二郎(ウエナカ コウジロウ)

 神戸市立工業高等専門学校都市工学科教授。神戸市立工業高等専門学校助手,講師,助教授,准教授を経て現在に至る。また,モナッシュ大学(オーストラリア)の客員研究員として1年間の在外研究を行った。
 これまで,構造力学の講義,構造実験などの構造力学関連の科目を担当している。また,橋脚などの構造工学関連の基礎的研究に興味がある。構造力学は問題を解く度に理解が徐々に深まっていきます。しっかりと十分に練習(演習)して慣れてください。

大山 理(オオヤマ オサム)

 大阪工業大学 工学部都市デザイン工学科 教授。片山ストラテック株式会社(現:日本ファブテック株式会社),大阪工業大学 工学部都市デザイン工学科,講師,准教授を経て,現在に至る。これまで,構造力学の講義・演習,橋梁工学,複合構造学など構造領域の授業を担当してきた.主に,鋼とコンクリートからなる複合構造,近年は,橋梁直下で火災が起きた際の力学特性に関する研究も行っている.構造力学は,将来,インフラ整備で社会貢献に努めようとする際,土台となる科目である.この本の演習問題を繰返し解くことで,土台をしっかりと固め成長して欲しいと思います(土台がしっかりしていないと,安全・安心な構造物を設計,施工することが難しくなります).

掲載日:2021/06/01

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