複素流体力学ノート - 理想流体の基礎から粘性流への展開 -
流れの物理的意味を再確認していきながら,複素流体力学で粘性流のモデル化を導いていく。
- 発行年月日
- 2012/10/26
- 判型
- A5
- ページ数
- 142ページ
- ISBN
- 978-4-339-04622-9
- 内容紹介
- 目次
- レビュー
複素流体力学は理想流体に関するものであるが,粘性流におけるせん断流を渦度の集まりと見なすことで,粘性流も表せるようになる。本書では,流れの物理的意味を再確認していきながら,複素流体力学で粘性流のモデル化を導いていく。
1. 複素数の基礎
1.1 複素数
1.2 複素数の幾何学的意味
1.2.1 実数倍
1.2.2 和と差
1.2.3 積と商
1.3 複素数による直線の方程式の表現
1.4 複素数による円の方程式の表現
1.4.1 円に関する鏡像
1.4.2 直線の円に関する鏡像
1.4.3 円の円に関する鏡像
1.5 複素変数の関数
1.5.1 複素関数の微分可能性
1.5.2 複素数の指数関数
1.5.3 複素数の三角関数
1.5.4 複素数のn乗根
1.5.5 複素数の対数関数
1.6 複素関数の積分
1.7 コーシーの積分定理
1.8 コーシーの積分公式
1.9 留数定理
2. 速度ポテンシャルと流れ関数
2.1 速度ポテンシャル
2.2 流れ関数
2.3 渦度
3. 複素速度ポテンシャル
3.1 複素速度
3.2 流線と等ポテンシャル線
4. 複素速度ポテンシャルを用いて表す流れ
4.1 平行な流れ
4.2 凹状角部(90±)を回る流れ
4.3 凹状もしくは凸状角部(任意の角度)を回る流れ
4.4 湧き出し,吸い込み
4.5 回転流,渦
4.6 二重湧き出し
5. 流れの合成
5.1 強さの等しい湧き出しと吸い込み
5.2 一様流と湧き出し
5.3 一様流と湧き出し,吸い込み
5.4 一様流と二重湧き出し
5.5 流線の合成
6. 種々の円柱周りの流れ
6.1 円柱周りに循環がある流れ
6.2 静止した流体中を等速運動する円柱
7. 等角写像
7.1 等角写像
7.2 流れ場における等角写像
8. Joukowski 翼
8.1 Joukowski変換
8.2 楕円柱周りの流れ
8.3 楕円柱周りに循環がある流れ
8.4 Joukowski 翼
9. Blasiusの定理
9.1 線素ds に働く力とモーメント
9.2 物体全体に働く力とモーメント
10. 鏡像の方法
10.1 壁が平板の場合
10.1.1 湧き出しの鏡像
10.1.2 渦糸の鏡像
10.1.3 二重湧き出しの鏡像
10.2 壁が円の場合(Milne-Thomson の円定理)
10.2.1 一様流の鏡像
10.2.2 湧き出しの鏡像
10.2.3 渦糸の鏡像
10.2.4 二重湧き出しの鏡像
10.2.5 双子渦の鏡像
10.2.6 強さの異なる二つの渦糸の鏡像
11. 非粘性渦(渦糸)による粘性流のモデル化─渦糸近似法
11.1 渦点による速度成層の表現
11.2 渦点による物体の表現
11.3 渦点による粘性流の表現
12. 仮想質量
12.1 仮想質量の計算
12.2 離散渦法の応用
付録
A.1 変数変換
A.2 直交する流線
A.3 コーシーの積分定理
引用・参考文献
索引