非線形有限要素法 - 線形弾性解析から塑性加工解析まで -
最近,有限要素法は,塑性加工のような,大変形や接触問題を伴う非線形解析にも広く応用されつつある。本書では,弾性をはじめ,剛塑性および弾塑性の非線形有限要素法を体系的に採り上げ,その基礎をわかりやすく解説した。
- 発行年月日
- 1994/12/20
- 判型
- A5 上製
- ページ数
- 260ページ
- ISBN
- 978-4-339-04318-1
- 内容紹介
- 目次
- レビュー
最近,有限要素法は,塑性加工のような,大変形や接触問題を伴う非線形解析にも広く応用されつつある。本書では,弾性をはじめ,剛塑性および弾塑性の非線形有限要素法を体系的に採り上げ,その基礎をわかりやすく解説した。
第1部 有限要素法
1. 線形弾性有限要素法(桑原利彦)
1.1 応力
1.1.1 外力と内力
1.1.2 応力の定義
1.1.3 釣合い式
1.2 ひずみ
1.2.1 ひずみの定義
1.2.2 変位とひずみの関係式
1.3 応力─ひずみ関係式(一般化されたHookeの法則)
1.3.1 垂直応力成分と垂直ひずみ成分の関係式
1.3.2 せん断応力成分とせん断ひずみ成分の関係式
1.3.3 応力─ひずみ関係式(一般化されたHookeの法則)
1.4 境界条件
1.5 弾性問題の基礎関係式のまとめ
1.5.1 3次元弾性問題の基礎関係式
1.5.2 2次元弾性問題と軸対称弾性問題の基礎関係式
1.6 仮想仕事の原理
1.6.1 静力学的可容応力場と運動学的可容変位場
1.6.2 仮想仕事の原理式の導出
1.7 有限要素法による離散化過程
1.7.1 有限要素法の概略
1.7.2 三角形要素の形状関数
1.7.3 変位─ひずみマトリックス(Bマトリックス)
1.7.4 要素剛性方程式
1.7.5 全体剛性マトリックスの組み立て方
参考文献
2. 剛塑性有限要素法(湯川伸樹)
2.1 はじめに
2.2 剛塑性体の構成式
2.2.1 降伏条件
2.2.2 構成式(Dマトリックス)
2.3 節点速度─ひずみ速度関係(Bマトリックス)
2.4 仮想仕事の原理(剛性マトリックス(Kマトリックス))
2.5 非線形方程式の解法
2.5.1 直接代入法
2.5.2 Newton-Raphson法
2.6 非圧縮性の拘束と数値積分
2.7 エネルギー汎関数による定式化
2.7.1 最小ポテンシャルエネルギーの原理
2.7.2 圧縮性材料特性法
2.7.3 Lagrange乗数法
2.7.4 ペナルティ法
2.8 おわりに
参考文献
3. 有限変形弾塑性有限要素法
3.1 静的陽解法(牧野内昭武)
3.1.1 はじめに
3.1.2 釣合い式および境界条件式
3.1.3 弾塑性構成式
3.1.4 仮想仕事の原理
3.1.5 平面ひずみ弾塑性問題の有限要素法定式
3.1.6 3次元有限変形弾塑性問題の有限要素法
3.1.7 おわりに
3.2 静的陰解法(横内康人)
3.2.1 基準配置の更新と運動学
3.2.2 構成式
3.2.3 境界条件
3.2.4 仮想仕事の原理
3.2.5 有限要素離散化方程式とアルゴリズム
3.2.6 プログラムの流れ
3.2.7 おわりに
3.3 動的陽解法(仲町英治)
3.3.1 運動学関係式
3.3.2 構成式
3.3.3 仮想仕事の原理式
3.3.4 有限要素方程式
3.3.5 プログラムの流れ
参考文献
第2部 有限要素法を支える理論
4. ベクトルとテンソル(柳本 潤)
4.1 ベクトルとテンソルの概略
4.1.1 ベクトル
4.1.2 テンソル
4.2 スカラー場,ベクトル場の微分,積分
4.2.1 スカラー場,ベクトル場の微分
4.2.2 スカラー場,ベクトル場の積分
5. 変形とひずみ(桑原利彦)
5.1 有限変形物体の運動学
5.1.1 配置と運動
5.1.2 変形こう配テンソルF
5.1.3 相対変形こう配テンソル
5.1.4 変形テンソルCとB-1
──材料線素の伸び──
5.1.5 ストレッチテンソルU,Vと回転テンソルR
──変形こう配テンソルFの極分解──
5.1.6 ひずみテンソル
5.1.7 微小体積要素と微小面積要素の変化
5.2 速度形テンソルによる物体の変形速度の表示
5.2.1 速度こう配テンソルL
5.2.2 変形速度テンソルDと回転速度テンソルW
参考文献
6. 応力(牧野内昭武)
6.1 Cauchy応力(真応力)
6.1.1 物体力と表面力
6.1.2 応力ベクトル
6.1.3 応力成分
6.1.4 応力成分の正負に関する規約
6.1.5 応力テンソル
6.1.6 応力の釣合い式
6.1.7 応力テンソルの対称性
6.2 有限変形理論で使われる各種応力
6.2.1 各種応力の定義
6.2.2 各種応力の間の関係
6.2.3 公称応力の釣合い式
6.3 応力の時間微分
7. 材料の構成式(横内康人)
7.1 弾性構成式
7.2 単軸の応力─ひずみ関係
7.3 多次元応力状態に対する弾塑性構成式
7.3.1 降伏条件
7.3.2 塑性流れ則
7.3.3 速度形弾塑性構成式
7.4 構成式の時間積分
7.4.1 ひずみ速度が一定の場合の時間積分
7.4.2 応力速度が一定の場合の時間積分
7.5 updated Lagrange形式の有限要素法に向けて
参考文献
8. 境界値問題と仮想仕事の原理(川井謙一)
8.1 連続体力学における境界値問題
8.1.1 物質時間導関数と質量保存則
8.1.2 Cauchyの運動法則
8.1.3 連続体力学における場の方程式と構成式
8.1.4 連続体力学における境界値問題
8.2 仮想仕事の原理
8.2.1 基準配置に対する仮想仕事の原理
8.2.2 速度形(増分形式)の仮想仕事の原理
8.2.3 updated Lagrange形式の仮想仕事の原理
8.2.4 現在配置に対する仮想仕事率の原理
参考文献
9. 有限要素の定式(仲町英治)
9.1 4節点四面体要素
9.1.1 形状関数とその微分
9.2 8節点アイソパラメトリック要素
9.2.1 形状関数とその微分
9.2.2 数値積分法
9.3 4節点縮退シェル要素
9.3.1 形状関数とその微分
参考文献
索引