音源の流体音響学 - CD-ROM付 -

音響テクノロジーシリーズ 10

音源の流体音響学 - CD-ROM付 -

音は物体の振動から生まれるが,その振動は流体の運動によって励起される場合が多い。また,流体の運動が物体と作用することによって,直接的な音源になる場合もある。本書では,このように発生する音の音源を流体力学的に考察した。

  • CD付
ジャンル
発行年月日
2007/01/25
判型
A5 上製
ページ数
280ページ
ISBN
978-4-339-01110-4
音源の流体音響学 - CD-ROM付 -
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定価

4,400(本体4,000円+税)

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音は物体の振動から生まれるが,その振動は流体の運動によって励起される場合が多い。また,流体の運動が物体と作用することによって,直接的な音源になる場合もある。本書では,このように発生する音の音源を流体力学的に考察した。

1. 渦音の基礎理論
1.1 はじめに
 1.1.1 空力音(渦音)の認識は一般には,まだまだ
 1.1.2 渦と渦度
1.2 Lighthillの理論(空力音響学の出発点)
 1.2.1 Lighthillのacoustic analogy(音響学的類推)
 1.2.2 acoustic analogy誕生のエピソード
 1.2.3 音源について,若干の補足
 1.2.4 近傍場と遠距離場
1.3 Curleの式とPowellの渦音説
1.4 Howeの渦音理論
 1.4.1 音源は渦とエントロピーの不均一
 1.4.2 渦度と音波(音波のパワー)
1.5 渦度からの音の発生は,どんな場合に?
 1.5.1 空気噴流の音(ジェット騒音),その他
 1.5.2 整合漸近展開
 1.5.3 噴流などの「大規模構造」
1.6 音源に対する異物体の効果とグリーン関数
 1.6.1 物体の効果(測定への影響)
 1.6.2 物体により渦の運動と環境が変化して発生する音
 1.6.3 翼に当たる乱れ(渦)による音の発生
1.7 渦による音波の吸収(負の発生)
1.8 フィードバック発振による音
 1.8.1 フィードバック発振の数学的取扱い
 1.8.2 フィードバック発振の微妙さ,敏感さ
1.9 渦と流れについての補足
 1.9.1 渦と流れの原因
 1.9.2 渦の「周波数」と音の周波数
引用・参考文献

2. 構造物による流体音の発生
2.1 はじめに
2.2 初期のエオルス音の研究
2.3 円柱エオルス音に関する最近の実験結果
 2.3.1 風洞実験手法の確立
 2.3.2 エオルス音のレイノルズ数依存性
 2.3.3 傾斜円柱のエオルス音
2.4 断面形状のエオルス音への影響
 2.4.1 角柱のエオルス音
 2.4.2 変形断面角柱のエオルス音
 2.4.3 楕円柱のエオルス音
 2.4.4 スパイラルワイヤの影響
2.5 非定常翼理論
2.6 近距離場の影響
2.7 エッジトーン
2.8 むすび
引用・参考文献

3. 流体音源の計測技術
3.1 はじめに
3.2 低騒音風洞
3.3 低騒音風洞における空力騒音の計測
 3.3.1 擬似音波と音波
 3.3.2 測定室内の音の減衰と反射
 3.3.3 せん断流中を横切る音波の性質
 3.3.4 相似則
3.4 空力音計測
 3.4.1 表面圧力計測
 3.4.2 渦度計測
 3.4.3 静圧変動プローブ
3.5 流れと音の同時計測
 3.5.1 円柱まわりの流れと音の同時計測
 3.5.2 表面圧力変動とのコヒーレンス
3.6 空力音源計測
3.7 コンパクトグリーン関数法
3.8 まとめ
引用・参考文献

4. 機械における流体音
4.1 はじめに
4.2 流体騒音の基礎式と発生メカニズム
 4.2.1 流体騒音の基礎式
 4.2.2 流体騒音の発生メカニズム
4.3 一般流体音
 4.3.1 噴流音
 4.3.2 物体まわりからの発生音
4.4 回転流体音
 4.4.1 回転翼からの発生音
 4.4.2 軸流送風機からの発生音
4.5 流力自励音
 4.5.1 流力自励音の発生メカニズム
 4.5.2 流力自励音の対策
4.6 流体発生音制御の考え方
引用・参考文献

5. 音声における声門波の生成機構
5.1 音声における発音機構
 5.1.1 はじめに
 5.1.2 声帯の構造と振動機構
 5.1.3 発声における肺や喉頭の働き
5.2 声門における流れ
 5.2.1 声門流の基本的なモデル
 5.2.2 境界層近似に基づく二次元声門流モデル
 5.2.3 声門流の挙動
5.3 音声生成の一次元モデル
 5.3.1 音声発話の全体的な過程
 5.3.2 声帯の2質量モデル
 5.3.3 声道の多管モデル
 5.3.4 音響放射モデル
5.4 まとめ
引用・参考文献

6. 聴覚の流体力学的モデル
6.1 はじめに
6.2 聴覚
6.3 蝸牛
 6.3.1 蝸牛の機能
 6.3.2 モデル
6.4 コルチ器
 6.4.1 コルチ器の機能
 6.4.2 二次元パッシブモデル
 6.4.3 二次元アクティブモデル
引用・参考文献

7. 管楽器の流体力学的モデル
7.1 問題の所在
 7.1.1 管楽器の共鳴と再発音理論
 7.1.2 エッジトーン対パイプトーン
 7.1.3 渦音理論における仮定
7.2 音響学的モデル
 7.2.1 変位モデル
 7.2.2 速度モデル
 7.2.3 加速度(圧力勾配)モデル
 7.2.4 不安定波動モデル
7.3 流体力学的モデル
 7.3.1 管壁に沿ったジェットの渦列モデル
 7.3.2 Lighthill-Howeの音響学的類推
 7.3.3 ジェットの渦層形成モデル
7.4 数値流体シミュレーション
 7.4.1 直接的シミュレーション
 7.4.2 近似的シミュレーション(格子ボルツマン法)
7.5 渦音理論の実験的検討
 7.5.1 エッジトーン,マウストーン,パイプトーン
 7.5.2 PIVによる観測データに基づく渦音モデルの検討
7.6 まとめ
引用・参考文献

吉川 茂(ヨシカワ シゲル)

和田 仁(ワダ ジン)

坂尾 富士彦(サカオ フジヒコ)

藤田 肇(フジタ ハジメ)

西村 正治(ニシムラ マサハル)

鏑木 時彦(カブラキ トキヒコ)