鋼構造学 (改訂版)

土木・環境系コアテキストシリーズ B-4

鋼構造学 (改訂版)

土木鋼構造物について,体系だった内容を豊富な図表を用い丁寧に解説した教科書の改訂版。

ジャンル
発行年月日
2020/09/20
判型
A5
ページ数
240ページ
ISBN
978-4-339-05618-1
鋼構造学 (改訂版)
在庫あり

定価

3,300(本体3,000円+税)

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  • 内容紹介
  • まえがき
  • 目次
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  • 広告掲載情報

土木鋼構造物の歴史から,他の材料との比較,力学,製作,架設,防食,耐久性評価などについて,豊富な図表を用い丁寧に解説した定評のある教科書である。今回の改訂では,2017 年に道路橋示方書の設計法が刷新され,長い伝統のある許容応力度設計法から,部分係数法に基づく限界状態設計法へと切替えられたことを受け,許容応力度設計法に関する具体的記述を削除し,新たに規定された道路橋示方書の設計式について解説を加えた。また,新鋼材の導入やボルト継手の設計法の変更など,最新動向を反映した内容としてリニューアルした。

改訂にあたって
本書の初版の発刊から9年が経過した。この間,2017年に道路橋示方書の設計法が刷新され,長い伝統のある許容応力度設計法から,部分係数法に基づく限界状態設計法へと切替えられた。これを受け,今回の改訂にあたっては,許容応力度設計法に関する具体的記述を削除し,新たに規定された道路橋示方書の設計式について解説を加えた。また,新鋼材の導入やボルト継手の設計法の変更など,最新動向を反映させた改訂を行っている。

ひき続き,学生諸氏の鋼構造学の学習のために本書が役立てば幸いである。

2020年8月
舘石和雄


まえがき
鋼構造物はコンクリート構造物や土構造物などと並んで,土木構造物の代表である。鋼構造はその軽量さから,大きく,軽やかで,優美な構造物を数多く生み出してきた。日本やアメリカなどの製鋼先進国に加え,世界各国で粗鋼生産量が拡大する中で,鋼構造が必要とされる場面は国内外を問わずこれからも数多くあるものと考えられる。

鋼,あるいは鋼構造は,品質が安定しており,かつ,それが時間を経ても変化しないことが大きな特徴である。また,万が一不具合が生じても,悪い箇所を取り去って新しくするといった外科的な対処が可能である。そのため,維持管理をしっかりしておけば,鋼構造物の寿命は非常に長いものが期待できるし,過去の鋼構造物がそれを証明している。

鋼構造に限った話ではないが,最近,土木構造物の設計法は変革期にある。そのような中で,2007年度には土木学会から初めて『鋼・合成構造標準示方書』が発刊された。これは,土木学会での長年にわたる鋼構造分野の学術研究成果の集大成である。これを機に,本書では,この『鋼・合成構造標準示方書』を特に意識して記述することとした。同示方書では,従来用いられてきた許容応力度設計法に代わり,部分係数を用いた性能照査型の設計法が採用されている。

そのため,本書においても許容応力度設計法に関する記述は最小限に留め,部分係数設計法による照査法について詳しく解説している。また,耐荷力,疲労,腐食などの各項目の説明を,特定の事項に重点を置くことなく,バランス良く記述するよう心がけた。著者の得手不得手もあり,必ずしも最良のバランスに仕上がっている自信はないが,最小限の知識を満遍なく解説することに注力したつもりである。

本来は,設計とは別の次元で,鋼構造に関する普遍的な知識について解説するのが教科書の姿であるのかもしれない。その一方で,工学知識の最終的な活用の場は設計であり,設計について知ることで,実社会とのつながりや専門家としての意識が芽生えるという面もある。特に,学生には,設計実務の一端を知ることで,土木技術者としての自信と,鋼構造への興味を持ってもらえるのではないかと考えた。そのため,本書では設計手法についてもかなりのページを割いて説明している。どこまで設計技術に踏み込むかに悩みながらの執筆となったため,こちらのほうのバランスについても,いささか心もとないところがある。いろいろとご批判いただければ幸いである。

最後になりますが,本書の執筆の機会を与えていただいた早稲田大学の依田照彦教授に深く感謝申し上げます。また,三井造船株式会社の内田大介博士には情報収集にご協力いただきました。名古屋大学の判治剛准教授と研究室の学生には校正をお手伝いいただきました。株式会社コロナ社の皆様には,多くのご助言と励ましをいただきました。ここに記して感謝いたします。

2011年8月
舘石和雄

1.鋼構造物概論
1.1 鋼の特徴
1.2 鋼構造部材の構成
1.3 鋼構造物の歴史---橋を中心として
1.4 土木分野における鋼構造物
 1.4.1 橋梁(鋼橋)
 1.4.2 河川・海洋構造物
 1.4.3 電力施設
演習問題

2.鋼構造物の設計法
2.1 設計の基本
2.2 照査式のフォーマット
2.3 おもな設計法
 2.3.1 許容応力度設計法
 2.3.2 限界状態設計法
 2.3.3 部分係数設計法
 2.3.4 性能照査型設計法
2.4 設計基準
 2.4.1 土木学会標準示方書
 2.4.2 鉄道橋設計標準
 2.4.3 道路橋示方書
演習問題

3.鋼材
3.1 鋼材の破壊
3.2 鋼材の応力-ひずみ関係
 3.2.1 公称応力-公称ひずみ関係
 3.2.2 真応力-真ひずみ関係
 3.2.3 降伏条件
 3.2.4 応力-ひずみ関係の数式モデル
3.3 じん性
3.4 鋼材の規格
 3.4.1 一般構造用圧延鋼材:JIS G 3101
 3.4.2 溶接構造用圧延鋼材:JIS G 3106
 3.4.3 橋梁用高降伏点鋼板:JIS G 3140
 3.4.4 形鋼
3.5 設計材料強度
演習問題

4.引張を受ける部材の力学
4.1 引張部材とは
4.2 応力集中の影響
4.3 部材軸の偏心の影響
4.4 ケーブル
4.5 引張耐力
4.6 軸方向引張力を受ける部材の設計
 4.6.1 土木学会標準示方書の方法
 4.6.2 鉄道橋設計標準の方法
 4.6.3 道路橋示方書の方法
4.7 引張部材に関する留意点
演習問題

5.圧縮を受ける部材の力学
5.1 柱の座屈
 5.1.1 弾性座屈荷重
 5.1.2 細長比パラメータ
 5.1.3 有効座屈長
 5.1.4 不完全さのある柱
 5.1.5 残留応力の影響
 5.1.6 柱の耐荷力
5.2 平板(無補剛板)の座屈
 5.2.1 平板の弾性座屈強度
 5.2.2 幅厚比パラメータ
 5.2.3 平板の座屈強度に影響を与える因子
 5.2.4 平板の耐荷力
5.3 補剛板の座屈
 5.3.1 補剛板の座屈強度
 5.3.2 補剛板の耐荷力
5.4 全体座屈と局部座屈の連成
 5.4.1 幅厚比制限
 5.4.2 局部座屈の影響
5.5 軸方向圧縮力を受ける部材の設計
 5.5.1 土木学会標準示方書の方法
 5.5.2 鉄道橋設計標準の方法
 5.5.3 道路橋示方書の方法
5.6 圧縮部材の留意点
演習問題

6.ねじりを受ける部材の力学
6.1 単純ねじりとそり拘束ねじり
6.2 単純ねじり
 6.2.1 単純ねじりの支配方程式
 6.2.2 開断面はりの単純ねじり
 6.2.3 閉断面はりの単純ねじり
6.3 薄肉開断面のそり拘束ねじり
 6.3.1 そり拘束ねじりの支配方程式
 6.3.2 薄肉開断面のそり関数
 6.3.3 そり拘束ねじりの直応力
 6.3.4 そり拘束ねじりの二次せん断応力
 6.3.5 支配方程式の構築と解
6.4 曲げとそり拘束ねじりとの対応関係
6.5 ねじり耐力
演習問題

7.曲げを受ける部材の力学
7.1 曲げ耐力
 7.1.1 降伏モーメントと全塑性モーメント
 7.1.2 断面の分類
7.2 横ねじれ座屈
 7.2.1 横ねじれ座屈とは
 7.2.2 横ねじれ座屈モーメント
 7.2.3 ねじり定数比
 7.2.4 柱の座屈問題への置き換え
 7.2.5 横ねじれ座屈耐力
7.3 曲げモーメントを受ける部材の設計
 7.3.1 土木学会標準示方書の方法
 7.3.2 鉄道橋設計標準の方法
 7.3.3 道路橋示方書の方法
7.4 曲げを受ける部材のせん断耐力
 7.4.1 薄肉断面部材の曲げせん断応力
 7.4.2 開断面のせん断応力
 7.4.3 せん断中心
 7.4.4 閉断面のせん断応力
 7.4.5 せん断耐力
7.5 ウェブの座屈
7.6 ウェブの設計
7.7 曲げ部材の留意点
演習問題

8.組み合わせ外力を受ける部材の設計
8.1 組み合わせ外力とは
8.2 軸方向力と曲げモーメントを受ける部材の照査
8.3 せん断力とねじりを受ける部材の照査
8.4 軸方向力,曲げモーメント,せん断力を受ける部材の照査
演習問題

9.溶接継手
9.1 溶接とは
9.2 溶接継手の種類
 9.2.1 溶込みによる分類
 9.2.2 板組みによる分類
 9.2.3 溶接部の各部名称
9.3 溶接残留応力
9.4 溶接継手の耐力
 9.4.1 溶接部の有効断面
 9.4.2 溶接継手の破壊形態と耐力
9.5 溶接継手の設計
9.6 溶接継手の留意点
演習問題

10.高力ボルト継手
10.1 高力ボルト接合のメカニズム
10.2 高力ボルトの材質と種類
10.3 高力ボルト摩擦接合継手の力学挙動
10.4 高力ボルト摩擦接合継手の耐力
 10.4.1 すべり耐力
 10.4.2 母板および連結板の耐力
10.5 高力ボルト摩擦接合継手の設計
 10.5.1 土木学会標準示方書および鉄道橋設計標準の方法
 10.5.2 道路橋示方書の方法
10.6 高力ボルト摩擦接合継手の留意点
演習問題

11.腐食と防食
11.1 鋼の腐食
11.2 腐食環境
11.3 防食法の種類
11.4 塗装
 11.4.1 塗装材料
 11.4.2 塗装系
11.5 耐候性鋼材
11.6 その他の防食法
 11.6.1 溶融亜鉛メッキ
 11.6.2 金属溶射
 11.6.3 電気防食
演習問題

12.疲労
12.1 疲労とは
12.2 疲労強度曲線(S-N線)
12.3 疲労強度に影響を与える因子
 12.3.1 平均応力の影響
 12.3.2 止端形状の影響
 12.3.3 板厚の影響
 12.3.4 鋼種の影響
12.4 設計疲労強度
12.5 変動振幅応力の取扱い
12.6 疲労照査
演習問題

13.製作
13.1 鋼の製造法
13.2 鋼の組織と相変態
13.3 熱による鋼材特性の調整
 13.3.1 冷却速度の影響
 13.3.2 熱処理
13.4 溶接施工
 13.4.1 おもな溶接方法
 13.4.2 溶接入熱と冷却速度
 13.4.3 硬さ
 13.4.4 溶接部の組織
 13.4.5 溶接割れ
 13.4.6 その他の溶接欠陥
 13.4.7 溶接変形
 13.4.8 溶接施工の留意点
13.5 高力ボルト摩擦接合継手の施工
 13.5.1 摩擦接合面の処理
 13.5.2 ボルト軸力の管理
13.6 接合方法の利点・欠点
13.7 非破壊検査
13.8 高性能鋼材
演習問題

引用・参考文献
演習問題解答
索引

掲載日:2021/11/01

「土木学会誌」2021年11月号広告

掲載日:2020/12/02

「土木学会誌」2020年12月号広告

掲載日:2020/10/30

「土木学会誌」2020年11月号広告

【営業担当者より】

鋼構造学に関連する重要な基準である土木学会標準示方書,鉄道橋設計標準,道路橋示方書の改訂にともない,該当箇所を修正した改訂版です。旧版は多くの教育機関で採用実績があり,今回の改訂により現状に即した学習に一層お役立てできましたら幸いです。