図でよくわかる材料力学
従来の材料力学に加え,有限要素法を使用する際の基礎知識,材料の非均質性により生じる破壊現象についても解説した初学者向けの1冊
- 発行年月日
- 2014/04/25
- 判型
- A5
- ページ数
- 190ページ
- ISBN
- 978-4-339-04636-6
- 内容紹介
- 目次
本書では,材料力学の初心者を念頭におき,複雑な式はできるだけ排除し平易に読めるように努めた。また従来の材料力学の内容に加え,有限要素法を使用する際の基礎知識および材料の非均質性により生じる破壊現象についても解説した。
1. 応力とひずみ
1.1 垂直応力と垂直ひずみ
〔1〕垂直応力 /〔2〕垂直ひずみ
1.2 せん断応力とせん断ひずみ
〔1〕せん断応力 /〔2〕せん断ひずみ
1.3 応力とひずみの関係
〔1〕垂直ひずみと垂直応力の関係 /〔2〕代表的な材料定数 /
〔3〕せん断応力とせん断ひずみの関係 /〔4〕変形量の計算
材料力学は微小変形だけを扱う?
1.4 応力 ― ひずみ線図
〔1〕材料強度の試験 /〔2〕応力 ― ひずみ線図
〔3〕弾性変形,降伏応力 /〔4〕塑性領域,加工硬化,くびれ
弾性ひずみと塑性ひずみの違いは?
1.5 さまざまな応力 ― ひずみ曲線
〔1〕0.2%耐力 /〔2〕延性材料と脆性材料
降伏応力は理論的に予測できる?
1.6 応力とひずみの測定法
〔1〕ひずみゲージ /〔2〕光弾性法
塑性ひずみ=転位の発生と移動
1.7 安全率と許容応力
〔1〕許容応力 /〔2〕基準強さと安全率
クリープひずみ
1.8 疲労に対する基準強さ
〔1〕疲労 /〔2〕S ― N線図と疲労限
1.9 疲労はなぜ起きるのか
〔1〕材料の不均質性 /〔2〕応力集中
〔3〕疲労の原因は応力集中骨と金属の違い
1章のまとめ
演習問題
2. 引張りを受ける棒
2.1 重ね合わせの原理
2.2 棒の引張りと圧縮
2.3 異なる材料を組み合わせた棒
〔1〕複合材料の単純なモデル /〔2〕各部の応力,ひずみ,および伸びの計算
複合材料
2.4 骨組み構造 ①:静定問題
〔1〕2本の棒でできた骨組み構造の問題 /〔2〕解法:力のつり合いを考える
2.5 骨組み構造 ②:不静定問題
〔1〕3本の棒が1点でピン結合されている問題 /〔2〕解法:つり合いと変位の条件を考える
2.6 熱応力
〔1〕熱ひずみと熱応力 35 /〔2〕熱応力は熱ひずみと直接には関係しない 36
2章のまとめ
演習問題
3. はりの曲げ
3.1 はり
〔1〕はりの荷重方法と支持方法 /〔2〕支持方法の組合せ
3.2 せん断力と曲げモーメント
〔1〕曲げモーメント /〔2〕せん断力と,正負の向き /〔3〕曲げモーメントの正負の向き
3.3 せん断力線図と曲げモーメント線図
〔1〕S.F.D.とB.M.D. /〔2〕S.F.D.の描き方 /
〔3〕計算例:中央に集中荷重を受ける単純支持はりのB.M.D.とS.F.D. /〔4〕計算例:分布荷
重を受ける単純支持はりのB.M.D.とS.F.D.
3.4 S.F.D.とB.M.D.の例
〔1〕複数の集中荷重を受ける単純支持はり /〔2〕等分布荷重を受ける単純支持はり /
〔3〕自由端に集中荷重を受ける片持はり /〔4〕二つの集中荷重を受ける片持はり /
〔5〕等分布荷重を受ける
片持はり
3.5 はりに生じる応力
〔1〕断面形状によるたわみ方の違い /〔2〕曲げ応力 /
〔3〕中立面と中立軸 /〔4〕はりのたわみ方 /
〔5〕断面二次モーメントと曲げ剛性 /〔6〕曲げ応力の求め方 /
〔7〕断面一次モーメントと断面二次モーメント /〔8〕はりに生じるせん断応力
3.6 はりのたわみ
〔1〕はりのたわみの考え方 /〔2〕計算例:自由端に集中荷重を受ける片持はり /
〔3〕計算例:中心に集中荷重を受ける単純支持はり
3.7 重ね板ばね
〔1〕平等強さのはり /〔2〕重ね板ばね /〔3〕組合せはり
3章のまとめ
演習問題
4. 軸のねじり
4.1 中実丸軸
〔1〕動力を伝達する軸 /〔2〕軸に生じる応力とひずみ /
〔3〕断面二次極モーメントとねじり剛性
4.2 中空丸軸
〔1〕軽量な中空丸軸 /〔2〕中実丸軸との径の比による違い
4.3 はりの曲げと軸のねじりの相似点
たわみとねじりの計算手順の比較
4.4 伝導軸
〔1〕軸が伝える仕事 /〔2〕中実丸軸と中空丸軸の比較
4.5 円筒形コイルばね
〔1〕素線に生じる応力とひずみ /〔2〕半径と巻数と応力の変化
4.6 円錐形コイルばね
素線に生じる応力とひずみ
4章のまとめ
演習問題
5. 多軸応力場での応力とひずみ
5.1 三次元場での応力の定義
〔1〕応力テンソルの定義 /〔2〕外力と表面力の関係
テンソルについて
5.2 工学ひずみ
〔1〕工学ひずみの定義 /〔2〕せん断ひずみの意味
5.3 一般化されたフックの法則
〔1〕三次元場での応力 ― ひずみ関係 /〔2〕体積ひずみ
5.4 平面応力と平面ひずみ
〔1〕二次元近似 /〔2〕平面応力近似 /〔3〕平面ひずみ近似
5.5 内圧を受ける薄肉円筒
薄肉円筒の問題
内圧と外圧を受ける薄肉円筒の応力
5.6 焼きばめ問題
鋼管と銅管の焼きばめ
5.7 応力の座標変換と主応力
〔1〕主応力 101 /〔2〕主せん断応力 103 /〔3〕モールの応力円
5.8 ロゼットゲージによる応力測定
ロゼットゲージ
5.9 多軸応力状態での降伏条件
二つの降伏条件
寸法効果
5章のまとめ
演習問題
6. 応力集中
6.1 円孔の応力集中
〔1〕円孔縁での応力分布 /〔2〕応力集中率 /〔3〕円孔縁での応力成分 /
〔4〕有限要素法による応力集中の解析例 /
〔5〕二つの円孔の干渉
6.2 応力集中のいくつかの例
〔1〕四角形の孔による応力集中 /〔2〕隅部の応力集中 /
〔3〕だ円孔の応力集中
6.3 応力集中の原因
応力集中源の発生
6.4 応力集中による破損の例
〔1〕日本航空123便の墜落事故 /〔2〕アロハ航空の飛行機上部剥離事故 /
〔3〕もんじゅの温度計ケースの破損事故 /〔4〕ドイツの高速
鉄道の脱線事故 /〔5〕米国ミネアポリスの橋崩落事故
新聞を読んで材料力学を
6.5 応力集中の緩和
隅部の応力集中の緩和
6.6 応力集中を考慮した設計
〔1〕切り欠き係数b /〔2〕aとbの関係 /〔3〕応力集中部の監視
身近な応力集中の例
6章のまとめ
7. コンピュータによるシミュレーション…有限要素法
7.1 有限要素法とは
〔1〕コンピュータによる解析 /〔2〕理論と実現方法 /
〔3〕実行環境と有限要素法ソフトウェア /〔4〕有限要素法の適用範囲
〔5〕CAEシステム 131
有限要素法は自然現象をどこまで表現できるでしょうか
7.2 有限要素法による解析
解析作業の流れ
7.3 モデル作成/メッシュ生成/境界条件とサンブナンの原理
〔1〕モデル作成 /〔2〕メッシュ生成 /〔3〕境界条件設定
7.4 境界条件にまつわる大切なポイント
〔1〕剛体変位と剛体回転 /〔2〕対称境界条件 /
〔3〕4分の1対称,8分の1対称 /〔4〕接触問題の扱い方
7.5 解析/可視化/適切な解析結果の見方とその検討
〔1〕解析 140 /〔2〕可視化 141 /〔3〕適切な解析結果の見方とその検討
有限要素法の達人になる近道は?
7.6 いくつかの失敗事例の紹介
7章のまとめ
演習問題
8. 機器の保守・管理
8.1 破壊の力学
〔1〕材料の破壊過程 /〔2〕破壊力学
8.2 き裂先端の応力と応力拡大係数
〔1〕き裂にかかる力のモード /〔2〕応力拡大係数
8.3 破壊条件と破壊靱性
〔1〕脆性破壊と延性破壊 /〔2〕脆性破壊の破壊条件
破壊はいつでも悪者でしょうか
8.4 機器の保守・管理の手順
機器の保守・管理に必要な技術
8.5 応力拡大係数の求め方
〔1〕引張りを受ける帯板のき裂 /〔2〕さまざまなき裂の応力拡大係数
8.6 破壊靭性値の求め方
〔1〕破壊靭性値の板厚依存性 /〔2〕破壊靭性試験法の概略
8.7 疲労き裂進展予測
パリス則によるき裂進展予測
8.8 フラクトグラフィ
いくつかの破面形態
さらに進んで学ぶには
8章のまとめ
参考文献
演習問題解答
索引
索引