機械加工学基礎

機械系コアテキストシリーズ E-1

機械加工学基礎

除去加工における切削,研削,研磨加工を対象とした加工作業の実践的な説明と加工現象の理論的背景を解説。

ジャンル
発行年月日
2018/06/08
判型
A5
ページ数
168ページ
ISBN
978-4-339-04539-0
機械加工学基礎
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定価

2,420(本体2,200円+税)

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年々,軽量・高強度となる素材,寿命特性が向上する工具,機能や性能が進歩する工作機械に応じて,試行錯誤によって作業の改善を図ることは難しい状況にある。そのため,最近の生産技術の開発では,部品の短納期化や省資源などの観点から,加工に関する理論的な背景と,これに基づくシミュレーション技術などに対する関心が高い。このような製造プロセスの技術的な要求を踏まえ,本書では,除去加工における切削,研削,研磨加工を対象とし,加工作業に関する実践的な説明と加工現象の理論的な背景を解説するものである。

【各章のテーマ】
1章 機械加工学
機械製作における材料加工を総括し,機械的な除去加工の位置づけを示す。また,機械加工における構成要素と材料除去の原理について述べる。そして,本書で学ぶ切削加工,研削加工,砥粒加工の違いと,その適用について理解する。さらに,これらの加工現象を理解するための物理的な因果関係と関連分野を明らかにする。最後に,除去加工が応用されている分野とその技術的課題,除去加工を担う工作機械技術の課題について説明する。

2章 切削加工
切削加工は,刃物が材料の一部を切りくずとして除去しながら,所定の寸法に仕上げる加工法である。これは古くから多くの製品や部品の製造技術として適用されてきたものであり,他の加工法に比べて除去効率が高く,形状制御性もよい。近年では材料や工具の開発が進み,これらに対応した切削作業の改善や最適化が望まれている。そのため,物理的な観点から切削現象を把握することが必要となる。本章では,まず,一般的に実施されているさまざまな切削作業を述べる。つぎに,切削機構とその力学,温度,工具摩耗に関する理論的背景を説明し,製品や部品の加工品位の観点からこれらとの関係を明らかにする。最後に,切削油剤の機能について述べる。

3章 研削加工
研削加工は硬度の高い砥粒を切れ刃とした精密仕上げ加工である。切削加工よりも精度の高い加工が可能で,かつ硬度の高い工作物を加工できるのは,非常に硬度の高い砥粒を用いることと,加工単位の小さな微細な切削が集積した結果として加工面が創成されるためである。また砥石には砥粒の破砕や脱落によって新しい切れ刃が現れる自生作用があり,研削砥石の適度な損耗は切れ味を維持するために必要である。さらに,砥粒や砥石の種類,研削加工の種類と用いられる工作機械,砥石の調整技術について学ぶ。

4章 研磨加工
研磨加工は研削加工と同様に砥粒を用いる加工である。研磨加工の加工能率は研削加工の約1/100~1/10程度と低いが,工作物表面を極微量ずつ除去することにより加工面の粗さは小さく,加工変質層を残さない加工も可能である。本章では研磨加工の特徴と種類,加工機構について学ぶ。

1. 機械加工学
1.1 材料加工
1.2 機械加工
1.3 除去加工の現象
1.4 除去加工の産業応用とその課題
1.5 工作機械技術の課題
演習問題

2. 切削加工
2.1 切削加工法
 2.1.1 旋削
 2.1.2 フライス・エンドミル切削
 2.1.3 ドリル・リーマ・タップ切削
 2.1.4 平削り・形削り
 2.1.5 ブローチ切削
 2.1.6 歯車切削
2.2 切削メカニズムと切削力
 2.2.1 切削現象
 2.2.2 切削メカニズム
 2.2.3 切りくず生成
 2.2.4 構成刃先
 2.2.5 切削力
 2.2.6 切削力の変化
 2.2.7 旋削における切削力
 2.2.8 フライス・エンドミルにおける切削力
 2.2.9 ドリルにおける切削力
 2.2.10 切削力の解析的予測手法
 2.2.11 工具面の応力分布
2.3 切削温度
 2.3.1 切削エネルギーと切削熱
 2.3.2 切削温度の測定
 2.3.3 切削温度の解析
 2.3.4 切削温度の数値解析
2.4 工具摩耗
 2.4.1 工具材料
 2.4.2 工具損傷
 2.4.3 工具摩耗
 2.4.4 工具寿命
 2.4.5 工具摩耗モデル
 2.4.6 切削条件の最適化
2.5 加工品位
 2.5.1 加工精度
 2.5.2 仕上げ面粗さ
 2.5.3 加工変質層
2.6 切削油剤
 2.6.1 切削油剤の機能
 2.6.2 切削油剤供給の低減
 2.6.3 切削油の廃液処理
演習問題

3. 研削加工
3.1 研削加工の特徴と種類
 3.1.1 研削加工の特徴
 3.1.2 研削加工の種類
3.2 研削砥石
 3.2.1 砥粒の種類
 3.2.2 粒度
 3.2.3 結合剤の種類
 3.2.4 結合度
 3.2.5 組織
 3.2.6 研削砥石の形状
 3.2.7 研削砥石の表示
3.3 研削加工と工作機械
 3.3.1 平面研削
 3.3.2 円筒研削
 3.3.3 内面研削
 3.3.4 心なし研削
 3.3.5 心なし内面研削
 3.3.6 ねじ研削
 3.3.7 歯車研削
 3.3.8 その他の研削
3.4 砥石表面の調整技術
 3.4.1 砥石の自生作用
 3.4.2 砥石表面状態の変化
 3.4.3 ツルーイングとドレッシング
3.5 研削条件と加工状態
 3.5.1 研削状態のモデル化
 3.5.2 研削状態と加工面層への影響
演習問題

4. 研磨加工
4.1 研磨加工の特徴と種類
 4.1.1 研磨加工の特徴
 4.1.2 研磨加工の種類
4.2 固定砥粒研磨法
 4.2.1 超仕上げとホーニング
 4.2.2 ベルト研削とテープ研磨
4.3 遊離砥粒研磨法
 4.3.1 ラッピングとポリシング
 4.3.2 CMP
 4.3.3 超音波加工
4.4 自由砥粒研磨法
 4.4.1 噴射加工,アブレシブウォータジェット加工
 4.4.2 バレル研磨と粘弾性流動研磨
 4.4.3 磁気研磨
演習問題

引用・参考文献
演習問題解答
索引

松村 隆(マツムラ タカシ)

笹原 弘之(ササハラ ヒロユキ)

掲載日:2023/09/19

日本機械学会 2023年度年次大会総合プログラム広告

掲載日:2022/10/06

日本機械学会誌2022年10月号広告

掲載日:2022/03/14

「月刊トライボロジー」2022年3月号広告

掲載日:2021/10/06

「日本機械学会誌」2021年10月号広告

掲載日:2020/11/09

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