画像情報符号化

映像情報メディア基幹技術シリーズ 7

画像情報符号化

信号処理,情報理論,画像工学をつなぐ応用技術として,また放送・通信の要素技術として,画像圧縮の技術はますます重要性が高まっている。このような背景から,本書は画像圧縮のための符号化理論と実例を解説している。

ジャンル
発行年月日
2008/04/30
判型
A5 上製
ページ数
256ページ
ISBN
978-4-339-01267-5
画像情報符号化
品切・重版未定
当面重版の予定がございません。

定価

3,850(本体3,500円+税)

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信号処理,情報理論,画像工学をつなぐ応用技術として,また放送・通信の要素技術として,画像圧縮の技術はますます重要性が高まっている。このような背景から,本書は画像圧縮のための符号化理論と実例を解説している。

1. ディジタル画像の基礎
1.1 はじめに―ディジタル画像とアナログ画像―
1.2 空間サンプリングと量子化
 1.2.1 アナログ画像とディジタル画像の生成
 1.2.2 空間サンプリング
 1.2.3 量子化
1.3 ディジタルカラー画像とそのフォーマット
 1.3.1 人間の視覚特性と色表現
 1.3.2 4:4:4,4:2:2,4:2:0フォーマット

2. ディジタル画像符号化の概要
2.1 はじめに―画素値の表記法―
2.2 画像圧縮符号化とは
 2.2.1 可逆符号化と非可逆符号化
 2.2.2 画像符号化における画質と符号量の評価法
 2.2.3 波形符号化
2.3 波形符号化の一例
 2.3.1 等長2進符号化
 2.3.2 非可逆符号化―データの量子化―
 2.3.3 データの性質を利用―差分符号化―
 2.3.4 以上を通して
2.4 画像の性質―圧縮符号化の観点から―
 2.4.1 ・画素の配列・は画像か・164D
 2.4.2 画像の基本的性質
2.5 簡単な画像圧縮符号化の例
 2.5.1 画素値の変換処理
 2.5.2 変換(2.7)を用いた画像の非可逆符号化
2.6 画像符号化アルゴリズムの一般的構成
 2.6.1 非可逆画像符号化アルゴリズムの再検討
 2.6.2 非可逆画像符号化アルゴリズムの一般的構成

3. エントロピー符号化
3.1 はじめに
 3.1.1 シンボルと情報源
 3.1.2 平均符号長
 3.1.3 平均符号長Lを小さくするには
 3.1.4 画像符号化への応用に限定すると
3.2 符号の条件
 3.2.1 一意復号性と瞬時復号性
 3.2.2 符号の条件
3.3 情報源符号化定理
3.4 ハフマン符号
 3.4.1 ハフマン符号の構成
 3.4.2 情報源の拡大―簡単に―
 3.4.3 可変長符号の復号とハフマン符号の問題点
 3.4.4 ハフマン符号化における符号長の制限
3.5 算術符号

4. 量子化
4.1 はじめに
4.2 さまざまな量子化器
4.3 量子化誤差の統計的扱い
 4.3.1 オーバーフローの制限と量子化誤差
 4.3.2 量子化誤差の統計的性質
4.4 式(4.16)について

5. 画素間相関除去と変換符号化(1)―KLTとDCT―
5.1 はじめに
5.2 画素間相関の定量化
 5.2.1 相互共分散
 5.2.2 自己共分散関数とその性質
 5.2.3 画像(2次元波形)への拡張
 5.2.4 自己共分散行列―ブロック内の画素間相関の評価―
5.3 カルーネン・レーブ変換(KLT)
 5.3.1 自己共分散行列の対角化と画素間相関除去
 5.3.2 行列の対角化について―簡単な復習―
 5.3.3 KLTの導出
5.4 ブロック直交変換符号化法について
 5.4.1 一般構成
 5.4.2 量子化部の設計―最適ビット割当て―
5.5 KLTの諸性質―KLTはなぜよいのか―
 5.5.1 部分逆変換とKLTの基本性質
 5.5.2 ブロック直交変換符号化法におけるKLTの最適性
 5.5.3 分離性と分離形KLT
 5.5.4 KLTの構成例
5.6 KLTからDCTへ―DCTの導出―
 5.6.1 自己共分散行列のモデル化とそのKLT
 5.6.2 KLTの極限としてのDCT
 5.6.3 DCTの2次元化―標準形式へ―
5.7 DCTの諸性質
 5.7.1 2次元DCTの基底要素
 5.7.2 2次元DCTの性質
5.8 符号化への応用―DCTによる画像符号化―
 5.8.1 符号化におけるカラー画像の取扱い
 5.8.2 DCT係数の量子化
 5.8.3 量子化後のDCT係数のエントロピー符号化
5.9 おわりに―JPEGの概要―

6. 画素間相関除去と変換符号化(2)―ウェーブレット変換―
6.1 はじめに―DCTによる画像符号化の問題点―
6.2 ウェーブレット変換の概要
6.3 準備―ディジタル信号処理の基礎―
 6.3.1 DCTと畳み込み和
 6.3.2 フィルタリングと畳み込み和
 6.3.3 線形性とシフト不変性
 6.3.4 畳み込み和と周波数特性
 6.3.5 Z変換
 6.3.6 2次元フィルタリング
 6.3.7 直線位相フィルタ
 6.3.8 例といくつかの重要な定理
6.4 DCTの周波数特性とフィルタバンク表現
 6.4.1 DCTの周波数特性
 6.4.2 信号のダウンサンプリングとアップサンプリング
 6.4.3 フィルタバンクとDCTの表現
6.5 2分割最大間引き形完全再構成フィルタバンク
 6.5.1 2分割フィルタバンク
 6.5.2 2分割フィルタバンクの完全再構成条件
 6.5.3 完全再構成条件を満たす2分割フィルタバンクの構成
6.6 フィルタバンクからWTへ
 6.6.1 フィルタバンクにおける信号の・端点・の処理
 6.6.2 フィルタバンクの適用例
 6.6.3 変換係数y0(m),y1(m)における相関
 6.6.4 いよいよフィルタバンクからWTへ
6.7 DWT・の諸性質
 6.7.1 2次元DWTへの拡張
 6.7.2 直交性と双直交性
 6.7.3 DWTの等価表現と信号表現
 6.7.4 DWTはなぜよいのか
 6.7.5 フィルタバンクとDWT
6.8 JPEG2000とDWT
6.9 おわりに―厳密なDWTを少しだけ―

7. 動き補償予測と動画像符号化
7.1 はじめに―動画像とは―
7.2 動画像符号化の基本手法
 7.2.1 フレーム内符号化とフレーム間符号化
 7.2.2 3次元ブロック直交変換を用いたフレーム間符号化
 7.2.3 動き補償予測を用いたフレーム間符号化法
7.3 動き補償予測を用いた動画像符号化
 7.3.1 基本アルゴリズム
 7.3.2 動き補償予測方式とそのパラメータ
 7.3.3 動き推定,動き補償の基本アルゴリズム
7.4 ブロックマッチング法
 7.4.1 ブロックマッチング法とは
 7.4.2 BM法によるME・MCが機能しない場合
 7.4.3 ME・MCの精度―フルペルとサブペルME・MC―
 7.4.4 実際のブロックマッチングアルゴリズム
7.5 ME・MCに基づくフレーム間符号化法
 7.5.1 ME・MCに基づく実際のフレーム間符号化法アルゴリズム
 7.5.2 カラー動画像の扱い
 7.5.3 双方向動き補償予測の導入
7.6 おわりに―MPEG・1の概要―

8. 画像符号化と国際標準化
8.1 ビデオ符号化と国際標準化の歴史
8.2 ビデオ符号化の国際標準化機関
8.3 標準化の作業
8.4 AVC(H・264・MPEG・4 Part 10)の標準化
8.5 ビデオ符号化の国際標準の今後

9. 画像符号化の実例(1)―AVC―
9.1 AVC(Advanced Video Coding)
9.2 AVCの符号化アルゴリズム
 9.2.1 概要
 9.2.2 ビットストリームの構成
 9.2.3 スライスタイプ
 9.2.4 フレーム内符号化
 9.2.5 動き補償
 9.2.6 Bピクチャ
 9.2.7 タイレクトモード
 9.2.8 整数変換と量子化
 9.2.9 デブロックフィルタ
 9.2.10 エントロピー符号化
9.3 プロファイルとレベル

10. 画像符号化の実例(2)―JPEG2000―
10.1 JPEG2000
 10.1.1 JPEG2000のターゲット
 10.1.2 符号化特性
10.2 JPEG2000の符号化アルゴリズム
 10.2.1 概要
 10.2.2 コードストリームの構成とファイル形式
 10.2.3 符号化の入力処理
 10.2.4 離散ウェーブレット変換
 10.2.5 量子化
 10.2.6 エンベデッド符号化:EBCOT
 10.2.7 算術符号化(MQ・coder)
 10.2.8 選択的領域画質制御
 10.2.9 符号ストリーム生成:レイヤとパケット
 10.2.10 プログレッシブ表示制御
10.3 応用と今後の動向

付録
 付録5.1 最適ビット割当ての導出
 付録5.2 定理5.2の略証
 付録5.3 定理5.5の略証
 付録6.1 式(6.25)の導出
 付録6.2 hq(k)(n)とqq(k)(n)の間の双直交性について
 付録6.3 式(6.90)の導出

引用・参考文献
索引

吉田 俊之(ヨシダ トシユキ)

鈴木 輝彦(スズキ テルヒコ)

広明 敏彦(ヒロアキ トシヒコ)