JPEG・MPEG完全理解

JPEG・MPEG完全理解

静止画像の符号化技術であるJPEGとJPEG2000,動画像の符号化技術であるMPEG2,MPEG4,H.264の基礎事項から規格までを詳細に解説した。さらに,動画像の符号化制御と画質評価法についても解説した。

ジャンル
発行年月日
2005/09/22
判型
A5
ページ数
220ページ
ISBN
978-4-339-00778-7
JPEG・MPEG完全理解
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定価

2,970(本体2,700円+税)

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静止画像の符号化技術であるJPEGとJPEG2000,動画像の符号化技術であるMPEG2,MPEG4,H.264の基礎事項から規格までを詳細に解説した。さらに,動画像の符号化制御と画質評価法についても解説した。

1. 画像符号化の基礎
 1.1 絵から画像へ
 1.2 画像データ
 1.3 空間周波数と時空間周波数
 1.4 色信号と色度図
 1.5 画像の持つ平均情報量
 1.6 ハフマン符号化による情報量の削減
演習問題

2. 静止画像の性質とJPEG・JPEG2000
 2.1 さまざまな静止画像の性質
 2.2 JPEGとJPEG2000
 2.3 JPEG符号化技術
  2.3.1 ブロック分割と2次元DCT変換
  2.3.2 2次元DCT係数の量子化
  2.3.3 ハフマン符号化
  2.3.4 復号化の過程
 2.4 JPEG2000符号化技術
  2.4.1 DCレベルシフト
  2.4.2 コンポーネント変換
  2.4.3 コンポーネント信号の標本化とタイリング
  2.4.4 ウェーブレット変換と量子化
  2.4.5 EBCOTによるエンベデッド符号化
  2.4.6 ROIの考え方
  2.4.7 復号過程
 演習問題

3. 動画像信号規格と符号化概要
 3.1 動画像信号
  3.1.1 概要
  3.1.2 インターレース走査とプログレッシブ走査
  3.1.3 コンポジット信号とコンポーネント信号
  3.1.4 動画像の撮像・形成
  3.1.5 動画像の表示
 3.2 ディジタル動画像フォーマット
  3.2.1 規格フォーマットの経緯と概要
  3.2.2 民生機器でのフォーマット
  3.2.3 符号化用サブフォーマット
  3.2.4 有効画像部分と同期信号部分
  3.2.5 輝度色差信号形成(4:2:2と4:2:0)
  3.2.6 動画像の記録
 3.3 動画像フォーマットの変換
  3.3.1 変換処理構成
  3.3.2 リサンプリング(画素数・ライン数変換)
  3.3.3 走査構造変換
  3.3.4 画像レート変換
  3.3.5 画像アスペクト比変換
 3.4 動画像の符号化
  3.4.1 動画像符号化の処理構成
  3.4.2 動き補償画像間予測
  3.4.3 動き推定
  3.4.4 予測残差の符号化
 3.5 動画像符号化規格
  3.5.1 動画像符号化の標準化
  3.5.2 標準方式の技術概要
  3.5.3 標準方式の応用
  3.5.4 動画像フレーム内符号化方式
 演習問題

4. MPEG-2
 4.1 規格概要
  4.1.1 規格の経緯
  4.1.2 規格の構成
  4.1.3 Profileと応用
  4.1.4 Level と画像フォーマット
  4.1.5 応用規格における制約
 4.2 Main Profile 符号化処理
  4.2.1 処理概要
  4.2.2 階層構造と符号同期
  4.2.3 Picture予測構造
  4.2.4 Macroblockタイプと適応予測
  4.2.5 インターレース走査での動き補償タイプ
  4.2.6 DCT
  4.2.7 量子化
  4.2.8 可変長符号化
 4.3 Main Profile 以外の技術
  4.3.1 SNR Scalable Profile
  4.3.2 Spatial Scalable Profile
  4.3.3 4:2:2 Profile
 演習問題

5. MPEG-4
 5.1 規格概要
  5.1.1 規格の経緯
  5.1.2 規格の構成
  5.1.3 Profileと応用
  5.1.4 Levelと画像フォーマット
 5.2 MPEG-4の基本符号化処理
  5.2.1 MPEG-4符号化の概要
  5.2.2 MPEG-4のIntra符号化
  5.2.3 MPEG-4の画像間予測
  5.2.4 MPEG-4のDCT及び量子化
  5.2.5 MPEG-4の可変長符号化
  5.2.6 Error Resilient
 5.3 Profile別の符号化処理
  5.3.1 Core Profile
  5.3.2 Main Profile
  5.3.3 Advanced Simple
  5.3.4 Studio Profile
 演習問題
 
6.  MPEG-4AVC(H.264)/ VC-1
 6.1 MPEG-4AVC(H.264)規格概要
  6.1.1 規格の経緯
  6.1.2 規格の構成
 6.2 Basic(Profile共通)符号化処理
  6.2.1 処理概要
  6.2.2 Slice構造
  6.2.3 画像内(Intra)予測
  6.2.4 画像間予測
  6.2.5 DCTと量子化
  6.2.6 VLC
 6.3 Profile共通以外の処理
  6.3.1 画像間予測
  6.3.2 DCTおよび量子化
  6.3.3 可変長符号化
  6.3.4 符号誤り対応機能
 6.4 SMPTE VC-1規格概要
  6.4.1 規格経緯
  6.4.2 Profileと応用
  6.4.3 Levelと対応画像
 6.5 Simple Profile (全Profile共通)の処理
  6.5.1 動き補償
  6.5.2 DCT及び量子化
  6.5.3 可変長符号化
 6.6 Simple Profile以外の処理概要
  6.6.1 Main profile
  6.6.2 Advanced profile
 演習問題

7. MPEG符号化制御
 7.1 ビットレート制御
  7.1.1 必要ビットレートと制御方法
  7.1.2 画像フォーマットと必要ビットレート
  7.1.3 固定ビットレート制御
  7.1.4 可変ビットレート
 7.2 符号化効率の改善
  7.2.1 動き補償予測の最適化
  7.2.2 量子化
  7.2.3 符号化前後処理
 7.3 画像の切替・編集
  7.3.1 ビットストリーム切替
  7.3.2 画像編集
 7.4 特殊再生
  7.4.1 特殊再生の実現
  7.4.2 高速画像サーチ
  7.4.3 2倍(1.5倍)速再生
  7.4.4 逆方向再生
  7.4.5 インターレース走査での問題点
  7.4.6 特殊再生用符号化
 7.5 再符号化(Trans-coding)
  7.5.1 同一方式で再符号化
  7.5.2 異なった符号化方式への変換符号化
  7.5.3 異なった画像フォーマットへの変換符号化
 演習問題

8. 画質評価技術
 8.1 画質劣化要因
  8.1.1 折り返し歪
  8.1.2 アパーチャ効果
  8.1.3 偽輪郭
  8.1.4 粒状雑音
  8.1.5 勾配過負荷雑音
  8.1.6 エッジビジネス
  8.1.7 ブロック歪
  8.1.8 モスキート雑音
  8.1.9 解像度低下
  8.1.10 モーションビジネス
  8.1.11 破綻
 8.2 客観評価方法
  8.2.1 視覚の空間周波数特性
  8.2.2 視覚のマスキング特性
  8.2.3 局所的な明るさに対する視覚特性
  8.2.4 注視点に対する重み付け
 8.3 主観評価方法
  8.3.1 標準観視条件
  8.3.2 標準画像
  8.3.3 評価方法
 8.4 画質評価の標準化
 8.5 主観評価値と客観評価値の対応

半谷 精一郎(ハンガイ セイイチロウ)

[本書の著者、杉山先生による書籍紹介コメント]

現在見られている映像は、放送もネットもすべて圧縮されたディジタル映像となりました。カメラで撮られた映像はすぐに圧縮され、テレビやディスプレイで表示される直前まで圧縮された状態で記録・伝送されます。アナログ映像はもちろん、非圧縮ディジタル映像もすでに特殊なものとなっています。扱う映像がすべて圧縮されたものになった以上、映像に関わるすべての技術者は、圧縮についてよく理解する必要が生じてきています。そこで、静止画像標準方式であるJPEG(ジェーペグ)と動画像標準方式であるMPEG(エムペグ)について、基礎から応用まで解説したのが本書です。

本書のタイトルはJPEG・MPEGとなっていますが、具体的に解説している圧縮規格は、静止画像ではデジカメの定番JPEGと最近応用が広がりつつあるJPEG2000の両方です。動画像では世界中に50億台が出ているMPEG-2、携帯電話のMPEG-4、そしてワンセグ以降の主力方式H.264(AVC)からWMVの規格であるVC-1に至るまで、実際に使われている標準化方式をすべて網羅しています。

また、他の画像符号化(情報圧縮)に関する本に無い特長として、符号化処理内容のみならず符号化制御方法や編集などの関連技術、さらに画質評価方法まで解説されています。符号化(圧縮)技術を真に理解し、それを活用するためには、符号化・復号化方法のみでなく、制御や評価まで理解する必要があると思います。そこまで解説して、まさに「完全理解」と言えるでしょう。本書は映像関係の研究を行う大学生や大学院生、映像機器の開発・設計に携わる技術者、映像制作や編集・配信を行う人に、ぜひ読んでほしい一冊です。