電子物性工学

電子情報通信レクチャーシリーズ C-16

電子物性工学

エレクトロニクスの基本である電子の振舞いについて,その応用分野を意識しながら量子力学や統計力学を絡めてその本質を解説

ジャンル
発行年月日
2013/12/25
判型
B5
ページ数
160ページ
ISBN
978-4-339-01850-9
電子物性工学
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定価

3,080(本体2,800円+税)

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エレクトロニクスは,物質中の電子を自由自在に操ることで多様な機能を引き出している。本書では,エレクトロニクスの基本である電子の振舞いについて,その応用分野を意識しながら量子力学や統計力学を絡めてその本質を掘り下げる。

1. 電子物性を学ぶための基礎的事項
1.1 電子の電荷
 1.1.1 電気素量と電子の電荷
 1.1.2 静電誘導とキャパシタ
 1.1.3 クーロンブロッケード
1.2 電子のエネルギー
 1.2.1 真空中の電子を動かす仮想実験
 1.2.2 電子のエネルギーを表す単位
 1.2.3 光子とエネルギー
1.3 熱エネルギー
 1.3.1 エネルギー等分配則と熱エネルギー
 1.3.2 ボルツマン因子
1.4 電子の半径
本章のまとめ
理解度の確認

2. 真空中の電子の運動
2.1 電子に働く力と運動
 2.1.1 運動方程式
 2.1.2 電界による電子の加速
2.2 空間電荷制限電流
2.3 電子ビームの偏向
 2.3.1 トムソンの実験
 2.3.2 静電偏向
 2.3.3 サイクロトロン運動
 2.3.4 磁界偏向
 2.3.5 電子の比電荷
本章のまとめ
理解度の確認

3. 固体中の電子の運動(古典的取扱い)
3.1 ドリフト運動
 3.1.1 電子の散乱
 3.1.2 固体中の電子についての運動方程式
 3.1.3 散乱の緩和時間と平均自由行程
 3.1.4 キャリアの拡散
3.2 電気抵抗率
 3.2.1 規格化されたオームの法則
 3.2.2 電気抵抗率による物質の分類
 3.2.3 電気抵抗率の温度依存性
本章のまとめ
理解度の確認

4. 原子核に束縛された電子
4.1 水素原子
 4.1.1 古典的モデル
 4.1.2 ボーア・ゾンマーフェルトの量子条件
 4.1.3 半導体中のドーパント不純物のイオン化エネルギー
4.2 量子力学への入口
 4.2.1 粒子と波動の二重性
 4.2.2 不確定性関係
 4.2.3 雲のような電子
4.3 電子の磁気モーメント
 4.3.1 軌道角運動量と磁気モーメント
 4.3.2 電子のスピン
 4.3.3 外部磁界の影響
 4.3.4 量子数
本章のまとめ
理解度の確認

5. 波動としての電子
5.1 シュレディンガー方程式
 5.1.1 自由電子状態
 5.1.2 ハミルトン演算子と波動方程式
5.2 電子の閉込め
 5.2.1 半導体の量子構造
 5.2.2 シュレディンガー方程式を満たす関数
 5.2.3 量子井戸の電子状態
5.3 電子のトンネル
 5.3.1 有限厚さのポテンシャル障壁
 5.3.2 電子波の透過と反射
本章のまとめ
理解度の確認

6. 電子の統計的取扱い
6.1 キャリア密度の数え方
6.2 状態密度
 6.2.1 周期境界条件
 6.2.2 kに対する状態密度(波のモードの数)
 6.2.3 Eに対する状態密度
6.3 フェルミ・ディラックの分布関数
 6.3.1 パウリの排他律とフェルミ粒子
 6.3.2 フェルミ粒子の状態への配置の仕方
 6.3.3 電子占有関数と非占有関数
 6.3.4 フェルミ波数とフェルミエネルギー
 6.3.5 フェルミ分布と電気伝導
本章のまとめ
理解度の確認

7. 結晶中の電子
7.1 周期ポテンシャル
 7.1.1 ポテンシャルのフーリエ展開
 7.1.2 結晶による電子波の回折
 7.1.3 ブロッホ状態の電子
7.2 禁制帯の発生
 7.2.1 空格子と自由電子の還元ゾーン表示
 7.2.2 自由電子に近い近似による取扱い
 7.2.3 価電子によるバンドの占有
 7.2.4 金属と絶縁体
7.3 半導体
 7.3.1 バンド端の放物線近似と有効質量
 7.3.2 半導体の電気伝導
 7.3.3 直接遷移型と間接遷移型のバンド構造
本章のまとめ
理解度の確認

基本的な物理定数
引用・参考文献
理解度の確認;解説
索引

奥村 次徳(オクムラ ツグノリ)