音の福祉工学

音響テクノロジーシリーズ 3

音の福祉工学

急速な高齢化に伴い感覚や伝達器官の障害者も急増している。本書は音に関連する障害者に,現在の音響工学技術が補助できる範囲,また音の福祉工学が音声の認識・合成,環境認識,人工現実感などの技術とどう結びつくかを記述した。

ジャンル
発行年月日
1997/06/30
判型
A5 上製
ページ数
252ページ
ISBN
978-4-339-01103-6
音の福祉工学
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定価

3,850(本体3,500円+税)

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急速な高齢化に伴い感覚や伝達器官の障害者も急増している。本書は音に関連する障害者に,現在の音響工学技術が補助できる範囲,また音の福祉工学が音声の認識・合成,環境認識,人工現実感などの技術とどう結びつくかを記述した。

1.音響福祉工学の基礎知識
 1.1 道具としての音
 1.2 聴覚の仕組みと障害
  1.2.1 内耳と中耳の起源
  1.2.2 外耳の役割
  1.2.3 聴覚中枢系
 1.3 言葉の鎖
 1.4 発生の仕組みと障害
  1.4.1 音声器官
  1.4.2 声道における共鳴
  1.4.3 声道モデル
 引用・参考文献

2.音響福祉工学のとらえ方
 2.1 感覚における最大伝達情報量
 2.2 感覚の空間特性の表現法
 2.3 最大伝達情報量の推定法
 2.4 感覚の時間特性の表現法
  2.4.1 聴覚と触覚の比較
  2.4.2 難聴者と健聴者の比較
 2.5 視覚,聴覚,触覚における知覚時間特性
 引用・参考文献

3.音の皮膚刺激変換による伝達
 3.1 タクタイルエイド
  3.1.1 はじめに
  3.1.2 皮膚内の受容器
  3.1.3 聴覚情報の触覚への提示方法
 3.2 タクタイルエイドの効果
  3.2.1 タクタイルエイドの歴史
  3.2.2 触知ボコーダの原理と効果
  3.2.3 タクタイルエイドの問題点
  3.2.4 発声訓練
  3.2.5 感覚像定位
 3.3 触覚による聴覚代行の将来
 引用・参考文献

4.音の視覚刺激変換による伝達
 4.1 ビジブルスピーチ
  4.1.1 はじめに
  4.1.2 色彩などによる音声の画像合成
  4.1.3 音声特徴情報の表示
 4.2 発生発話訓練装置
 4.3 音声認識技術の利用
  4.3.1 はじめに
  4.3.2 音声認識の一般的手法
  4.3.3 音声特徴要素の抽出
  4.3.4  音声パターンマッチング
  4.3.5 むすび
 4.4 視覚による聴覚代行の課題
 引用・参考文献

5.音の聴神経電気刺激による伝達
 5.1 機能的電気刺激
 5.2 神経の発火過程と電気刺激
  5.2.1 神経発火のメカニズム
  5.2.2 聴神経の電気刺激
 5.3 人工内耳
  5.3.1 人工内耳のハードウェア
  5.3.2 聴神経電気刺激の感覚特性
  5.3.3 人工内耳のための信号処理
  5.3.4 人工内耳による聴こえ
  5.3.5 人工内耳による音声認識と問題点
 5.4 聴覚神経電気刺激による他の効果
 5.5 聴神経電気刺激法の問題点と将来
 引用・参考文献

6.音の加工による聴覚呈示
 6.1 難聴の種類と特性
  6.1.1 難聴の種類とオージオグラム
  6.1.2 難聴における非線形性と語音明瞭度
 6.2 難聴の補助方式
  6.2.1 難聴器の現状と種類
 6.3 人工中耳
 6.4 ディジタル補聴器
  6.4.1 はじめに
  6.4.2 音声特徴抽出方式
  6.4.3 雑音軽減方式
  6.4.4 「ゆっくり」,「はっきり」にする方式
  6.4.5 聴覚非線形を考慮した方式
 6.5 補聴器の将来
 引用・参考文献

7.失われた声の再生
 7.1 九官鳥の音声
 7.2 代用発声
  7.2.1 喉頭摘出者の現状
  7.2.2 種々の代用発声法
  7.2.3 人工咽頭音声における波形揺らぎの重要性
  7.2.4 吸気圧制御形人工咽頭
  7.2.5 埋込み式人工咽頭
  7.2.6 嗄声の識別による咽頭がんの診断
 7.3 不正咬合による発声障害
  7.3.1 口蓋裂音声
  7.3.2 反対咬合者の音声
 7.4 発声障害補助の将来
 引用・参考文献

8.音による盲人補助
 8.1 はじめに
 8.2 音像定位によるパターン認識
  8.2.1 音像定位昨日を利用した方式
  8.2.2 スピーカマトリックスで呈示された音源の認知特性
  8.2.3 スピーカマトリックスを利用した文字認識
 8.3 文字音声変換方式
 8.4 歩行補助方式
  8.4.1 はじめに
  8.4.2 超音源ビームを利用したモワットセンサ方式
  8.4.3 音像定位を利用したソニックガイド方式
  8.4.4 コウモリの反響定位を模擬した方式
 8.5 盲人の障害物知覚
  8.5.1 はじめに
  8.5.2 従来の仮説
  8.5.3 歩行中の障害物知覚
  8.5.4 静止状態での障害物知覚
 8.6 音による人工現実感と平衡機能の制御
  8.6.1 はじめに
  8.6.2 静止音像による姿勢制御
  8.6.3 音像定位による空間知覚の制御
  8.6.4 前庭刺激による音像定位の変化
 8.7 音による盲人補助の将来
 引用・参考文献

あとがき
索引