わかりやすい論理回路

わかりやすい論理回路

わかりやすさに特化した論理回路の入門書。厳選した例題・平易な説明・豊富な図表を用い,出発点となる知識も文中で解説する。

ジャンル
発行年月日
2012/03/07
判型
B5
ページ数
128ページ
ISBN
978-4-339-00826-5
わかりやすい論理回路
在庫あり

定価

2,420(本体2,200円+税)

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「普通の大学の普通の学生がよく理解できること」を念頭に,基本的かつ重要な内容を押さえつつ,わかりやすさに特化した論理回路の入門書である。厳選された例題・平易な説明・豊富な図表を用い,出発点となる知識も文中で解説する。

本書では,まず1章でディジタルの概念を説明した後,2章から9章では組合せ回路について説明する。組合せ回路は,現在の入力の組合せのみで出力が決まる論理回路である。組合せ回路はディジタルシステムの中で,判断・選択・演算の機能を果たす。2章では論理ゲートについて説明する。論理ゲートは,論理回路の最も基本的な構成要素となる回路素子である。また集合の考え方を用い,論理ゲートの働きを体系的に理解する視点を提供する。3章ではブール代数について説明する。ブール代数は,0と1からなる2値論理を扱う数学であり,論理回路設計の基礎を与える。その考え方を用いれば,複数の論理ゲートからなる論理回路の入出力関係を簡潔に表現できる。4章では正論理と負論理について述べる。一般に真理値表は2通りに解釈でき,それらは正論理・負論理と呼ばれる。両者を利用すると,NANDゲートやNORゲート1種類のみにより任意の論理関数を構成できる。
5章・6章・7章は,論理回路の設計において重要な概念を提供する。論理回路の設計では通常,与えられた真理値表の入出力関係をもれなく表す論理式(論理関数の標準形)を導出し,それを簡単化した後に回路で実現する。この手順に従えば,確実で無駄のない設計が可能となる。5章では,代表的な標準形である加法標準形と乗法標準形を説明する。6章と7章では,論理関数の標準形を簡単化する手順について説明する。6章では,カルノー図と呼ばれる真理値表の図的表現を用いた方法を説明する。また,7章ではクワイン・マクラスキー法について説明する。この方法は表を用いて論理関数を表現する方法であり,6章の方法より変数の数が多い場合にも適用できて計算機処理に適している。
8章・9章では,組合せ回路の代表的な応用例について述べる。8章ではエンコーダとデコーダ,マルチプレクサとデマルチプレクサを説明する。エンコーダとデコーダは2進数と他の基数との間の変換を,マルチプレクサとデマルチプレクサは入出力の切替えを行う回路である。9章では加算器について説明する。加算器は複数桁の2進数の加算を実現する回路であり,電子計算機の内部でその中核をなす部分である。この回路の利用により,2進数の減算も実現できる。
10章から13章では順序回路について説明する。順序回路は,入力のみでなく現在の状態
にも影響を受けてつぎの状態と出力が定まる論理回路である。順序回路はディジタルシステムの中で,記憶の機能を果たす。10章では,順序回路の構成要素となるフリップフロップとその種類について説明する。11 章ではフリップフロップの応用例について述べる。応用例はレジスタとカウンタであり,レジスタは2桁以上の2進数を記憶する回路,カウンタは入力されたパルスの数を2進数で数える回路である。応用上,基本的かつ重要な順序回路である。12章・13章では,同期式順序回路の一般的な取扱いについて述べる。同期式順序回路は,外部から与えられたクロックパルスに同期して動作する順序回路である。12章では,同期式順序回路を解析する上で重要な状態遷移図と,それを作成する手順について説明する。また,13章では同期式順序回路の設計について説明する。この設計は,12章の解析のほぼ逆の手順で行われる。

1. ディジタルとは何か
1.1 ディジタル信号とモールス信号
1.2 ディジタル信号のメリット
1.3 2進数と基数の変換
1.4 本書の構成
演習問題
 
2. 論理ゲート
2.1 基本的な論理ゲート
2.2 集合と論理式
演習問題
 
3. ブール代数
3.1 ブール代数の必要性
3.2 ブール代数の公理と定理
演習問題
 
4. 正論理と負論理
4.1 真理値表の解釈
4.2 NANDやNORによる完全系
演習問題
 
5. 論理関数の標準形
5.1 論理回路の設計手順
5.2 加法標準形
5.3 乗法標準形
演習問題
 
6. カルノー図を用いた論理関数の簡単化
6.1 論理関数の簡単化とカルノー図
6.2 簡単化の原理と手順
演習問題
 
7. クワイン・マクラスキー法による論理関数の簡単化
7.1 クワイン・マクラスキー法について
7.2 利用する主項の選択方法の改善
演習問題
 
8. 組合せ回路の応用
8.1 エンコーダとデコーダ
8.2 マルチプレクサとデマルチプレクサ
演習問題
 
9. 加算器
9.1 加算器の構成
9.2 加算器を利用した減算
演習問題
 
10. フリップフロップ
10.1 記憶のモデル
10.2 SRフリップフロップ
10.3 その他のフリップフロップ
10.3.1 Dフリップフロップ
10.3.2 JKフリップフロップ
演習問題
 
11. フリップフロップの応用例
11.1 シフトレジスタ
11.2 カウンタ
演習問題
 
12. 同期式順序回路の解析
12.1 順序回路の基本構成
12.2 順序回路と状態遷移図
12.3 順序回路の解析の流れ
演習問題
 
13. 同期式順序回路の設計
13.1 順序回路の設計手順
13.2 順序回路の設計例
演習問題

引用・参考文献
演習問題解答
索引

斎藤 利通(サイトウ トシミチ)

「Electoronic Journal」(電子ジャーナル発行) 2012年7月号 掲載日:2012/07/12
現在、デジタル回路を内蔵する製品が溢れ、その関連分野は広範にわたっている。そのため本書では、電気電子/情報通信系以外の読者も想定し、高校から大学初級の数学/物理の知識をマスターしていなくても、論理回路の基礎知識を習得し、それに関連した数理的考察を可能にすることを目指した。論理回路の基礎に始まり、回路の設計概念、論理回路の標準形や組み合わせ回路の応用例などについて、順を追って解説。わかりやすい解説と豊富な図の他、演習問題と丁寧な解答も加えられており、同分野を初めて学ぶ読者に最適な一冊となっている。

※当書評文は電子ジャーナルの許諾を得て掲載しております。

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