液体エレクトロニクス
液体のもつ電気的諸特性を電子的レベルで解説するとともに,伝導から破壊に至る諸現象を理論と実験の両面から述べた。また,光計測技術から液体エレクトロニクスの応用分野まで懇切丁寧に解説した。
- 発行年月日
- 1996/08/20
- 判型
- A5 上製
- ページ数
- 222ページ
- ISBN
- 978-4-339-00661-2
- 電気学会電気学術振興賞著作賞を受賞いたしました。
- 内容紹介
- 目次
液体のもつ電気的諸特性を電子的レベルで解説するとともに,伝導から破壊に至る諸現象を理論と実験の両面から述べた。また,光計測技術から液体エレクトロニクスの応用分野まで懇切丁寧に解説した。
1. 液体の基本的性質
1.1 概説
1.2 液体のモデル
1.3 液体の基礎的性質
参考文献
2. 液体の電気物性
2.1 液体の誘電性
2.2 液体の電気伝導
2.2.1 キャリヤの種類と電気伝導
2.2.2 電解質溶液の電気伝導とイオン伝導
2.3 絶縁性液体の電気伝導
2.3.1 液体中のキャリヤ発生
2.3.2 移動度
2.4 液体の高電界電気伝導
2.4.1 移動度の非線形性
2.4.2 キャリヤ密度の非線形性
2.4.3 空間電荷制限電流
2.4.4 その他の因子の効果
2.5 衝突電離
参考文献
3. 液体中の高電界電気伝導から絶縁破壊への過程
3.1 概説
3.2 高電界電気伝導と絶縁破壊の関係
3.2.1 高電界電気伝導機構と電界分布変歪の影響
3.2.2 電流集中とその影響
3.2.3 衝突電離作用と破壊前駆現象
3.2.4 電流-電圧特性の計算機シミュレーション
3.3 液体の絶縁破壊理論
3.3.1 電子論的破壊理論
3.3.2 気泡的破壊理論
3.4 破壊前駆現象と光学的観測
3.4.1 破壊前駆現象の定義
3.4.2 光学的観測
3.5 絶縁破壊現象
3.5.1 炭化水素液体
3.5.2 実用液体
3.5.3 極低温液体
3.6 部分放電現象
3.6.1 部分放電開始電圧
3.6.2 部分放電光と気泡発生
3.6.3 交流部分放電と周波数効果
参考文献
4. 液体中の絶縁破壊
4.1 概説
4.2 油中絶縁破壊の基本的特性
4.2.1 平等電界と不平等電界中での破壊
4.2.2 液体の分子構造と破壊電界
4.2.3 液体中に含まれる不純物因子の影響
4.3 液体の基礎的研究と実用機器の油浸複合絶縁
4.4 実用化されている変圧器油の絶縁破壊
4.4.1 平等電界および準平等電界における変圧器油の絶縁破壊特性
4.4.2 不平等電界における変圧器油の絶縁破壊特性
4.5 超高電圧大容量変圧器における油浸複合絶縁
参考文献
5. 計測技術と計測法
5.1 誘電率および屈折率の測定
5.1.1 誘電緩和現象
5.1.2 周波数領域法による誘電率の測定
5.1.3 屈折率の測定
5.2 光エレクトロニクスを用いた電流の測定
5.2.1 発光素子
5.2.2 受光素子
5.2.3 光ケーブル
5.2.4 電流の測定回路
5.3 電気光学効果を利用した電界測定法
5.3.1 ポッケルス効果を用いた電界測定法
5.3.2 カー効果を用いた電界測定法
5.4 Voの測定
5.5 レーザドップラー効果を用いた荷電粒子の流動測定
5.5.1 レーザドップラー法による流速測定の原理
5.5.2 レーザドップラー法による流速測定例
5.6 走行時間法
5.7 ラウエプロット法
5.7.1 破壊形成遅れがガウス分布に従う場合
5.7.2 多数の独立な事象が続いておこる場合
5.8 分光学的観測
5.9 シャドー法
5.10 シュリーレン法
5.11 光干渉法
5.12 界面現象に関する測定法
5.12.1 接触電位差の測定方法
5.12.2 流動の測定方法
5.12.3 帯電度の測定方法
参考文献
6. 液体の応用
6.1 概説
6.2 液体ダイオード,トランジスタ等
6.3 放射線,高エネルギー粒子検知器
6.4 高電圧発生装置
6.5 液体ポンプ
6.6 電気粘性の液体素子
6.7 液体噴射素子
6.8 液体ディスプレイ
6.9 液体流動による溶質分子の配向変化を利用する素子
6.10 液体-固体界面を利用する素子
参考文献
索引