レビュー,書籍紹介・書評掲載情報
- 発行年月日
- 2026/05/18
- 定価
- 4,290円(本体3,900円+税)
- ISBN
- 978-4-339-04723-3
在庫あり
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読者モニターレビュー【 小川 哲男 様 (業界・専門分野:ヒューマノイドロボット)】
掲載日:2026/04/30
私は強化学習や模倣学習を用いて、ヒューマノイドロボットによる人手作業の代替化に取り組むフィジカルAI技術者です。今回献本いただいた『ロボット運動計算論』は、AIと物理世界を繋ぐ高速な力学計算や「微分可能シミュレータ」の基盤理論を真に理解するのに必要十分な情報が網羅されていました。
現在のフィジカルAI開発において、ロボットの制御は「運動の最適化問題」として一般化して解かれつつあります。非線形モデル予測制御の実時間実行や、GPU並列シミュレーションによる二足歩行制御器の強化学習には、本書で体系化されている6次元空間ベクトルを用いた高速な動力学計算(Articulated Body Algorithmなど)が不可欠です。
中でも特に興味深かったのは、第9章で述べられている「包括的運動表現」です。空間変換、速度変換、加速度変換を統合し、18次元の行列空間でロボットの運動を定義するこのアプローチは圧巻でした。この枠組みは、未知の物体操作や外部環境との接触といった、実環境特有の様々な空間的・速度的・力的な制約を伴う諸問題を、AIの学習モデルや運動最適化に的確に提示・反映させるための強力な理論的基盤となります。
データドリブンなAI制御技術を確固たる物理的基盤の底上げによって革新したいと考える全エンジニアにとって、間違いなく手元に置くべき必読の一冊です。








