遺伝子ターゲッティングの基礎と応用

遺伝子ターゲッティングの基礎と応用

本書では,各種生物分野における遺伝子ターゲッティング技術について解説し,進展の著しいこの技術の利用の現状と将来の展望についても言及している。さらに,この技術に対応する法の役割,考え方および将来の方向性も示した。

ジャンル
発行年月日
1995/12/10
判型
A5 上製
ページ数
250ページ
ISBN
978-4-339-07636-3
遺伝子ターゲッティングの基礎と応用
在庫あり
2営業日以内に出荷致します。

定価

3,630(本体3,300円+税)

カートに入れる

購入案内

  • 内容紹介
  • 目次
  • 著者紹介

本書では,各種生物分野における遺伝子ターゲッティング技術について解説し,進展の著しいこの技術の利用の現状と将来の展望についても言及している。さらに,この技術に対応する法の役割,考え方および将来の方向性も示した。

I 微生物の遺伝子ターゲッティング
1. はじめに
2. 微生物の遺伝子ターゲッティングの基礎
2.1 相同的組換え
2.2 部位特異的組換え
2.3 非相同的組換え
2.4 トランスポゾン・挿入配列の転移による組換え
2.5 遺伝子破壊と置換
3. 細菌における遺伝子ターゲッティングの応用
3.1 生産性と安定性の向上
  3.1.1 組込みベクター
  3.1.2 スリーパーベクター
3.2 安全性の付与──スイサイドシステム──
3.3 染色体工学への応用
  3.3.1 枯草菌ゲノム工学への応用
  3.3.2 乳酸菌の分子育種
  3.3.3 放線菌の遺伝子破壊と置換
  3.3.4 シアノバクテリアの遺伝子ターゲッティング
4. 酵母の遺伝子ターゲッティング
4.1 酵母菌の生活環
4.2 酵母のベクターと形質転換法
4.3 染色体標的部位への外来性DNAの挿入
4.4 遺伝子の挿入破壊と置換
4.5 pSR1プラスミドの異性化を行う部位特異的組換え系を利用する染色体操作
4.6 酵母における応用
5. 今後の展望
引用・参考文献
II 植物の遺伝子ターゲッティング
1. はじめに
2. 植物細胞への遺伝子導入法
2.1 アグロバクテリウムを介した遺伝子導入法
2.2 直接導入法
3. 遺伝子ターゲッティングの実際
4. 遺伝子タギング法
4.1 T-DNAタギング法
  4.1.1 T-DNA挿入による変異体の作製と選抜
  4.1.2 変異とT-DNAとの連鎖分析
  4.1.3 T-DNA隣接領域のクローニング
  4.1.4 ゲノミッククローンの単離と相補性検定
4.2 トランスポゾンタギング法
5. アンチセンスRNAを用いた遺伝子発現制御
6. おわりに
引用・参考文献
III 魚類の遺伝子ターゲッティング
1. はじめに
2. ES細胞および選択的遺伝子破壊を行った動物の作製
3. モデル系としてのゼブラフィッシュ
4. ゼブラフィッシュES細胞系の開発
5. ゼブラフィッシュ胚培養細胞の由来
6. ゼブラフィッシュ胚培養細胞の特徴:FGF応答
7. ゼブラフィッシュ胚培養細胞の特徴:フィーダー層に特徴的なES細胞の維持
8. ゼブラフィッシュ胚培養細胞のトランスフェクションおよび外来遺伝子の発現
9. ゼブラフィッシュ胚培養細胞の成長胚への注入:トランスジェニックキメラの作製
10. 魚胚抽出液の有糸分裂活性
11. おわりに
引用・参考文献
IV 動物の遺伝子ターゲッティング
1. はじめに
2. 遺伝子ターゲッティングの実際
3. ES細胞
3.1 ES細胞とは何か
3.2 ES細胞の培養
4. ターゲッティングベクターの作製と相同組換えES細胞の選択
4.1 ターゲッティングベクターの特徴
4.2 相同組換えES細胞の選別法
  4.2.1 プロモーター非存在ポジティブ選別法
  4.2.2 ポジティブ─ネガティブ選別法
5. 相同組換えES細胞の同定
6. 遺伝子ターゲッティングの応用
6.1 c-mosがん遺伝子欠損と卵子の成熟
6.2 肝細胞増殖因子(HGF/SF)遺伝子欠損マウスにおける胎盤と肝臓の発育異常
6.3 高脂血症マウスの作製と動脈硬化症
7. 物質生産を目的としたトランスジェニック家畜の作製
7.1 トランスジェニック家畜作製の利点と現状
7.2 トランスジェニック家畜における有用物質の生産
7.3 生産効率の改善と肉質改良を試みたトランスジェニック家畜の作製
8. 将来の展望
引用・参考文献
V 個体の遺伝子操作とその応用
1. はじめに
2. 疾患モデル動物
2.1 症状モデルの限界
2.2 新しいモデル動物の作成
  2.2.1 トランスジェニックマウス
  2.2.2 ジーンターゲッティング
2.3 ヒト型モデルの作成
  2.3.1 2段階ジーンターゲッティングによる標的遺伝子置換法
  2.3.2 標的遺伝子置換体ES細胞からの個体発生
3. おわりに
引用・参考文献
VI 遺伝子治療
1. はじめに
2. 遺伝子治療の概略と現状
2.1 遺伝子治療の様式
2.2 遺伝子治療のプロトタイプ
2.3 遺伝子治療の対象疾患
2.4 遺伝子治療法の多様化
2.5 遺伝子治療の倫理的問題
2.6 理想的な遺伝子治療
3. 標的導入法による遺伝子治療
3.1 遺伝子ターゲッティング
3.2 遺伝子ターゲッティングによる遺伝子修正治療
4. 最近の技術的進歩
5. 将来の展望
引用・参考文献
VII 遺伝子導入生物の安全性評価
1. はじめに
2. 組換え体の実用化の現状
2.1 組換え微生物
2.2 組換え植物
2.3 組換え動物
3. 組換えDNA技術の安全利用への取組み
3.1 組換え体の研究段階の指針
3.2 OECDにおける安全性評価の検討
3.3 実質的同等性とファミリアリティ
4. 各国の産業利用指針
4.1 わが国の産業利用指針
4.2 米国の制度
4.3 欧州諸国の制度
4.4 その他の国の制度
4.5 技術移転のバイオテクノロジーの安全性
5. パブリックアクセプタンスの推進
6. おわりに
引用・参考文献
VIII バイオテクノロジーと製造物責任
1. はじめに
2. 製造物責任法の成立
3. 製造物責任法の制定に至る全体的説明
4. 産業界からみる製造物責任法の評価
5. 輸血用血液製剤と製造物責任問題
6. 輸血用血液製剤の『欠陥』判定基準について
7. 「欠陥」とは何か
8. 開発危険の抗弁の法律理論
9. 産業界にとっての製造物責任法への対応
10. おわりに
引用・参考文献
IX 遺伝子導入生物と知的財産
1. はじめに
2. 保護のあり方をめぐる国際的動向
2.1 WIPOバイオテクノロジー専門家会合
  2.1.1 保護の有効性に関する提案
  2.1.2 保護の範囲に関する提案
  2.1.3 微生物の寄託に関する提案
2.2 GATTウルグアイラウンド
3. 世界各国における保護の状況
3.1 米国
  3.1.1 微生物
  3.1.2 植物
  3.1.3 動物
3.2 欧州
3.3 その他の国々
4. わが国の状況
4.1 特許法による保護
4.2 生物関連発明に関する審査基準
  4.2.1 微生物
  4.2.2 植物
  4.2.3 動物
  4.2.4 遺伝子工学
5. 保護をめぐる課題
5.1 倫理面
5.2 安全面
6. 今後の展望
引用・参考文献
索引

緒方 靖哉(オガタ セイヤ)

村上 浩紀(ムラカミ ヒロキ)