CTとMRI - その原理と装置技術 -
本書は,読者がCTとMRIの原理を十分に理解し,システムの適切な運用が図れるようになること,そしてシステム開発に役立てることを目指した。そのため基礎理論に紙面を多く費やし,技術応用では項目を絞り,文献を多く紹介した。
- 発行年月日
- 2010/07/07
- 判型
- B5
- ページ数
- 272ページ
- ISBN
- 978-4-339-07225-9
- 内容紹介
- 目次
- レビュー
- 広告掲載情報
本書は,読者がCTとMRIの原理を十分に理解し,システムの適切な運用が図れるようになること,そしてシステム開発に役立てることを目指した。そのため基礎理論に紙面を多く費やし,技術応用では項目を絞り,文献を多く紹介した。
第Ⅰ編 CT
1章 CTの概要
1.1 CTとは
1.2 CTの歴史
2章 CT画像とCT値
2.1 CT値の定義
2.2 人体組織のCT値
2.3 線質とCT値
2.3.1 観測X線の線質と減弱係数
2.3.2 線質硬化と減弱係数
3章 画像再構成の基本原理
3.1 投影データ
3.2 逐次近似法
3.3 単純逆投影法
3.4 コンボリューション補正逆投影法
3.5 フィルタ補正逆投影法
3.6 フィルタ補正逆投影法の導出
3.7 ファンビーム再構成
3.8 ハーフスキャン,ハーフ再構成,対向データ
3.9 コーンビーム再構成
3.10 補間
3.11 投影データの実際―キャリブレーション補正
3.12 画像再構成の線形性
4章 種々の方式
4.1 Translate/Rotate(T/R)方式,ペンシルビームX線
4.2 Translate/Rotate(T/R)方式,ファンビームX線
4.3 Rotate/Rotate(R/R)方式
4.4 Stationary/Rotate(S/R)方式,Nutate/Rotate(N/R)方式
4.5 電子ビームスキャン
4.6 高速連続回転方式(高速スリップリングCT)
4.7 ヘリカルスキャン
4.8 マルチスライスCT
4.9 コーンビームCT
4.10 多線源方式
5章 CTの装置構成
5.1 高電圧発生装置
5.2 X線管
5.3 X線光学系
5.4 X線検出器
5.4.1 シンチレータとフォトダイオード
5.4.2 Xeガス検出器
5.5 データ収集システム
5.6 X線計測系の具体的な数値例
6章 画質性能の原理,因子と評価
6.1 MTFと空間分解能
6.1.1 MTFの挙動と因子
6.1.2 MTFの計測
6.1.3 空間分解能とその計測
6.1.4 クォータオフセット
6.2 画像雑音
6.2.1 投影データの雑音
6.2.2 画像雑音の測定,標準偏差と雑音パワースペクトル
6.2.3 画像雑音の挙動と因子
6.3 低コントラスト検出能
6.4 SSP
6.4.1 SSPの測定
6.4.2 SSPの因子と挙動
7章 アーチファクト
7.1 サンプリング問題
7.1.1 エイリアスとクォータオフセット
7.1.2 ビュー数不足
7.2 体動アーチファクト
7.3 非線形アーチファクト
7.3.1 非線形部分体積効果
7.3.2 線質硬化
7.3.3 散乱線
7.4 金属異物
7.5 トランケーションアーチファクト
7.6 リングアーチファクト
7.7 フォトン数不足
8章 ヘリカルスキャンの再構成と画質
8.1 シングルスライスCTのヘリカル再構成
8.1.1 ヘリカル補間(z補間)
8.1.2 スキャンダイアグラムによるヘリカル補間の理解と画質
8.2 MDCTのヘリカル再構成,平行ファンビーム近似とzフィルタによる方法
8.3 MDCTのコーンビームヘリカル再構成
8.3.1 三次元逆投影による方法
8.3.2 斜断面法
8.3.3 コーンビームヘリカル再構成のSSPと雑音
8.4 MDCTによるヘリカルスキャンの画質の場所依存性
9章 心臓のCT
9.1 時間分解能とハーフ再構成
9.2 心電図同期
9.3 具体的スキャン法
10章 被曝
10.1 被曝線量の指標と計測
10.2 被曝低減技術とMDCTの
被曝関連因子
第Ⅱ編 MRI
11章 MRIの概要
11.1 MRIとは
11.2 MRIの歴史
12章 磁気共鳴現象
12.1 磁気モーメントと歳差運動
12.2 磁気共鳴の量子論的記述
12.3 巨視的磁化
12.4 回転磁場と磁気共鳴現象
12.5 緩和時間
12.5.1 縦緩和
12.5.2 横緩和
12.5.3 見かけの横緩和
12.6 Blochの式
12.7 FIDとスピンエコー
12.8 ハーンエコーと誘発エコー
12.9 ケミカルシフト
12.10 磁化移動
13章 MRIの撮像原理
13.1 傾斜磁場
13.2 周波数エンコードと信号サンプリング
13.3 位相エンコード
13.4 k空間
13.5 選択励起法
14章 基本的なパルスシーケンス
14.1 スピンエコー法
14.2 インバージョンリカバリ法
14.3 グラディエントエコー法
15章 高速スキャンイメージング
15.1 高速グラディエントエコー法
15.1.1 Spoiled GRE法
15.1.2 Balanced SSFP法
15.2 高速スピンエコー法
15.3 エコープラナーイメージング法
15.4 k空間トラジェクトリと高速スキャン
15.4.1 任意形状のk空間トラジェクトリ
15.4.2 k空間の部分充てん手法
16章 MRIの装置構成
16.1 システム構成
16.2 ループコイルによる磁場
16.3 静磁場系
16.3.1 静磁場の指標
16.3.2 超電導磁石システム
16.3.3 永久磁石システム
16.3.4 シミング
16.4 傾斜磁場システム
16.4.1 傾斜磁場コイル
16.4.2 傾斜磁場アンプ
16.5 送受信システム
16.5.1 送信回路系
16.5.2 送信アンプ
16.5.3 送受信切替器
16.5.4 受信回路系
16.6 RFコイル
16.6.1 送信コイル
16.6.2 送信波の人体による影響
16.6.3 受信コイル
16.6.4 受信信号のSNR
16.6.5 QDコイル
16.6.6 フェーズドアレイコイル
16.7 制御・画像処理・コンソール系
17章 MRI装置の安全性
17.1 安全法規格
17.2 MRI装置の生体作用と安全性
17.2.1 時間変動磁場の生体作用機序
17.2.2 静磁場
17.2.3 傾斜磁場
17.2.4 高周波磁場
17.3 MRI装置の力学作的用と安全性
18章 画質性能指標と評価
18.1 画質評価の目的と性能指標
18.2 信号雑音比
18.2.1 MR画像のSNR
18.2.2 画像SNRの実際の測定方法
18.3 画像均一性
18.3.1 MR画像の不均一性
18.3.2 MR画像の均一性の測定方法
18.4 空間直線性(画像ひずみ)
18.5 その他の指標
18.5.1 空間分解能(解像特性)
18.5.2 スライス厚(スライス特性)
18.5.3 コントラスト分解能
18.5.4 臨床画像の評価(SNRとCNR)
19章 アーチファクト
19.1 フーリエイメージングの原理的アーチファクト
19.1.1 折返しアーチファクト
19.1.2 打切りアーチファクト
19.2 動きのアーチファクト(体動アーチファクト)
19.2.1 周期運動によるアーチファクト
19.2.2 動きによるアーチファクトの抑制法
19.3 動きによる位置ずれアーチファクト
19.4 パーシャルボリュームアーチファクト
19.5 k空間の分割などによるアーチファクト
19.6 磁化率に起因するアーチファクト
19.7 ケミカルシフトアーチファクト
19.8 その他のアーチファクト
20章 パラレルイメージング
20.1 実空間手法とk空間手法
20.1.1 感度分布の推定
20.1.2 実空間法における展開処理
20.1.3 実空間法における画像のSNR
20.1.4 k空間法
20.1.5 アーチファクト
20.1.6 その他の手法
20.2 パラレルイメージングの特徴
20.2.1 パラレルイメージングの得失
20.2.2 二つの手法の得失
20.2.3 臨床応用
21章 MRIの臨床応用機能
21.1 プリパレーションパルスと造影剤
21.1.1 プリパレーションパルス
21.1.2 造影剤
21.2 MRアンギオグラフィ
21.2.1 タイムオブフライト効果と位相シフト効果
21.2.2 タイムオブフライト法と位相コントラスト法
21.2.3 非造影MRAの発展
21.2.4 造影MRA
21.3 心臓MRI
21.3.1 ブラックブラッド法
21.3.2 シネ撮像
21.3.3 心筋パーフュージョン
21.3.4 心筋遅延造影
21.3.5 冠動脈撮像
21.4 MRハイドログラフィ
21.4.1 水強調の撮像技術
21.4.2 臨床応用
21.5 拡散イメージング
21.5.1 拡散強調の原理
21.5.2 拡散テンソルイメージング
21.5.3 拡散のイメージングの特徴
21.5.4 臨床応用
21.6 潅流イメージング
21.6.1 モデル化と測定法
21.6.2 DSC-MRI法
21.6.3 ASL法
21.7 脳機能イメージング
21.7.1 原理と撮像技術
21.7.2 臨床応用
21.8 MRスペクトロスコピーとケミカルシフトイメージング
21.8.1 MRスペクトロスコピー
21.8.2 ケミカルシフトイメージング
付録
A1. フーリエ変換とコンボリューション
A1.1 フーリエ級数展開
A1.2 フーリエ係数
A1.3 フーリエ変換
A1.4 フーリエ変換の性質
A1.5 コンボリューション
A1.6 離散的フーリエ変換
A2. 三次元表示法
A2.1 三次元表示法の分類
A2.2 MPR法
A2.3 レイキャスティング法
A2.4 MIP法
A2.5 半透明表示法
A2.5.1 オパシティ
A2.5.2 Shading(陰影付け)
A2.5.3 投影法(平行と透視)
引用・参考文献
索引
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掲載日:2019/10/05