例題で学ぶ環境科学15講

例題で学ぶ環境科学15講

自分の手で問題を解き,理解を深め,知識を十分定着させることを狙った。環境法規関連を重視し,資格試験に対応した。

ジャンル
発行年月日
2017/12/28
判型
B5
ページ数
160ページ
ISBN
978-4-339-06642-5
例題で学ぶ環境科学15講
在庫あり

定価

2,640(本体2,400円+税)

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例題を多く用意し,自分の手で問題を解くことにより,理解を深め,知識を十分定着させることを狙った。例題等には公的資格である,公害防止管理者試験の類似問題を選び,環境法規関連を重視し,資格試験に対応できるようにした。

環境科学の重要性は,近年世界的に認識されるようになってきた。しかし,環境科学といってもその範囲は非常に広く,さまざまな分野にまたがっている。本書では,自然科学的な視点で環境科学を捉えているが,一部に環境法規など,自然科学以外の分野も含めている。ここが,本書の一つの特長である。また,地球規模での環境問題を重視していることも,特長の一つである。本書では,図表を多く用いて,できるだけわかりやすくすることを心がけた。また引用するデータ等は,できるかぎり最新のものとした。

本書の最大の特長は,読者の理解を深め,知識を十分定着させるため,例題を多く用意した点である。一方的に講義を聞くだけでなく,自分の手で問題を解くことにより,理解がより深まることを狙っている。例題には詳細な解答を付け,自学自習の手助けとした。さらに,例題だけでなく,例題と類似した問題も用意した。問題には,解答を付けていないが,学習者のチャレンジを期待したい。なお,確認のため,コロナ社ホームページの書籍詳細ページに解答が公開されている。また各講には演習問題を設けた。演習問題は,より手ごたえのある問題を選んだ。大学院の入試問題なども参考に作られている。しっかり取り組んでほしい。なお演習問題にも,詳細な解答を巻末に付してある。

また本書の特長として,公的資格である,公害防止管理者試験の類似問題を例題等に選んだ。そのため,環境法規関連を重視し,資格試験に対応できるようにした。資格に関心のある読者は,さらに勉強をして,公害防止管理者試験等にも挑んでいただきたい。

日本では,その地理的状況のため自然災害が多く発生している。近年でも,1995年の阪神淡路大震災,2000年の三宅島の大規模噴火,2011年の東日本大震災等が発生して,環境に非常に大きな影響を与えている。そこで本書では,災害と環境の講を設けて,地震や火山噴火が環境に与える影響について詳しく記述した。これも,本書の大きな特長である。

本書は,環境科学を専門とする3名が分担して執筆した。それぞれの専門を考え,第1講地球環境の危機,第7講放射線と環境,第8講騒音,振動と環境,第9講水質汚濁と環境,第10講水の浄化と水資源,を久野が担当し,第2講地球温暖化,第12講有害有毒物質,第13講内分泌撹乱物質(環境ホルモン),第14講環境保全への取組み,を小出が担当した。そして,第3講オゾン層破壊,第4講酸性雨および硫黄酸化物,窒素酸化物,第5講光化学オキシダントとPM2.5,第6講森林減少と都市緑化,第11講土壌・地下水汚染,第15講災害と環境,を伊藤が担当した。全15講としたのは,大学,高専等での半期の講義時間を考慮して,その教科書としての利用を考えたためである。

本書でさまざまな環境問題の発生とその解決の歴史を学ぶことは,今後起こる環境問題解決の糸口を見いだすための基礎になるであろう。そして,産業活動を発展させながら地球環境を保全するという難しい課題が,人類の英知で解決されていくことを願いたい。

本書を執筆するにあたり,すでに刊行されている多くのすぐれた環境科学教科書を参考にさせていただいた。お礼を申し上げたい。また本書の出版にあたり,ご尽力いただいた株式会社コロナ社に厚く感謝申し上げる。

2017年10月 伊藤和男(著者代表)

1. 地球環境の危機
1.1 人口増加
1.2 密度効果
1.3 化石燃料の使用
1.4 地球環境の危機
演習問題

2. 地球温暖化
2.1 地球温暖化とは
2.2 地球温暖化のメカニズムとその原因
2.3 地球温暖化による影響
2.4 二酸化炭素の排出量
2.5 地球温暖化防止対策
演習問題

3. オゾン層破壊
3.1 オゾン層の概要
3.2 オゾン層の破壊物質
3.3 オゾン層破壊のメカニズム
3.4 紫外線の有害性
3.5 モントリオール議定書とオゾン層保護法
3.6 ドブソン単位
演習問題

4. 酸性雨および硫黄酸化物,窒素酸化物
4.1 酸性雨
 4.1.1 酸性雨の発生機構
 4.1.2 酸性雨の状況
 4.1.3 酸性雨の影響
 4.1.4 酸性雨への対応
4.2 硫黄酸化物
4.3 窒素酸化物
演習問題

5. 光化学オキシダントとPM2.5
5.1 光化学オキシダントとは
5.2 光化学オキシダントの環境影響
5.3 光化学オキシダントの現状と対策
5.4 浮遊粒子状物質およびPM2.5とは
5.5 PM2.5の環境影響
5.6 浮遊粒子状物質およびPM2.5の現状と対策
演習問題
コラム 環境思想家,芭蕉と賢治

6. 森林減少と都市緑化
6.1 森林減少の進行
6.2 森林減少の影響
6.3 森林減少の原因
6.4 森林減少対策
6.5 日本の森林環境
6.6 森林の世界遺産登録
6.7 都市緑化
演習問題

7. 放射線と環境
7.1 放射線の種類
7.2 放射線の性質
7.3 放射線の生物への影響
7.4 放射線のモニタリング
演習問題

8. 騒音,振動と環境
8.1 騒音と振動の概要
8.2 音と振動の性質
8.3 音の範囲
8.4 騒音と振動の測定
演習問題

9. 水質汚濁と環境
9.1 水質汚濁の歴史的背景
9.2 水質汚濁の指標と原因物質
9.3 環境基準と排水基準
演習問題

10. 水の浄化と水資源
10.1 水の性質
10.2 世界と日本の水資源
10.3 水質と生活排水
10.4 水の浄化
演習問題

11. 土壌・地下水の汚染
11.1 土壌の分類
11.2 植物にとって良好な土壌
11.3 土壌汚染の現状
11.4 農地の土壌汚染
11.5 市街地の土壌汚染
11.6 土壌汚染対策
11.7 地下水汚染の現状
11.8 汚染の仕組み
演習問題

12. 有害有毒物質
12.1 有害有毒物質と生体
12.2 人に対する毒性の種類
12.3 有害金属の毒性
 12.3.1 カドミウム(cadmium:Cd)
 12.3.2 水銀(mercury:hg)
 12.3.3 鉛(lead:Pb)
 12.3.4 ヒ素(arsenic:As)
 12.3.5 クロム(chromium:Cr)
12.4 有機化学物質の毒性
 12.4.1 有機リン系農薬
 12.4.2 有機塩素系農薬
 12.4.3 ポストハーベスト農薬
12.5 ダイオキシン類
12.6 自然毒
 12.6.1 カビ毒
 12.6.2 動物性毒
 12.6.3 植物性毒
12.7 食中毒細菌
演習問題

13. 内分泌撹乱物質(環境ホルモン)
13.1 野生動物への影響
13.2 人への影響
13.3 内分泌撹乱化学物質の種類
13.4 ホルモンの作用と働き
13.5 懸念されている生体への影響
13.6 内分泌撹乱物質に対する国内外の対応
演習問題

14. 環境保全への取組み
14.1 環境行政と対策
14.2 環境基本法
14.3 環境アセスメント
14.4 化学物質対策
 14.4.1 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)
 14.4.2 特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(化学物質排出把握管理促進法(化管法))
14.5 REACH規則
14.6 環境マネジメントシステム
 14.6.1 ISO14000シリーズ
 14.6.2 エコアクション21
演習問題

15. 災害と環境
15.1 地震波とは
15.2 地震発生のメカニズム
15.3 地震の環境への影響
15.4 火山噴火の頻度と火山分布
15.5 火山噴火の環境影響
演習問題

引用・参考文献
演習問題解答
索引

伊藤 和男(イトウ カズオ)

小出 宏樹(コイデ ヒロシゲ)

関連資料(一般)

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