工科系学生の数理物理入門

工科系学生の数理物理入門

  • 片山 登揚 大阪府立大高専名誉教授 博士(工学)
  • 有末 宏明 大阪府立大高専名誉教授 理博
  • 松野 高典 大阪府立大高専教授 博士(理学)
  • 稗田 吉成 大阪府立大高専教授 博士(理学)
  • 佐藤 修 大阪府立大高専教授 博士(理学)

第1部では数理物理に必要な数学のうちテーマを精選して解説し,第2部では解析力学,電磁気学,量子力学の基礎を平易に解説した。

ジャンル
発行年月日
2012/11/30
判型
A5
ページ数
284ページ
ISBN
978-4-339-06623-4
工科系学生の数理物理入門
在庫あり

定価

3,300(本体3,000円+税)

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本書は,あくまでも各物理学分野の入門書であって,学習に必要と考えられる数学の基礎部分をも同時に解説するものである。そこで,本書では上記の物理学の基礎とそれらを学ぶための数学のテーマを精選して解説する。第Ⅰ部を数理物理のための数学とし,第Ⅱ部を数理物理入門としている。具体的には以下のような項目を記述する。

第Ⅰ部においては,線形代数学と微分方程式からテーマを絞って解説する。線形代数学では,行列計算は既習のこととして,量子力学で必要とされる線形空間と線形写像,さらに固有空間と一般固有空間の導入までを記述する。例えば,線形変換における固有ベクトルや固有値の考え方は,量子力学でのシュレディンガー作用素の固有関数やエネルギー固有値に発展していくため,十分な理解が必要である。微分方程式としては,その解法,および微分方程式の解の存在と一意性を中心に丁寧に解説している。また,物理学で現れる微分方程式の解として定義される関数には,特殊関数と呼ばれるものが多く,微分方程式の級数による解法と合わせて簡単に触れている。

第Ⅱ部の数理物理入門では,物理学からのテーマとして,解析力学,電磁気学,量子力学の3テーマのみに絞ってそれらの基礎を解説する。解析力学では,力学系としてとらえられる各工学分野からの例と変分原理を示した後,ラグランジュ力学,ハミルトン力学の基礎について記述する。そこでは,一般化座標の考え方,および正準座標の考え方について,座標変換の意味を中心に解説する。ハミルトン形式は量子力学での記述形式には不可欠なものである。また,電磁気学では場の考え方を中心に解説する。ベクトル解析の復習も含め,電磁場の解析を物理的な立場からわかりやすく解説する。さらに,量子力学の項では,古典力学のハミルトニアンから対応原理に基づきシュレディンガー作用素を導く。さらに,シュレディンガー方程式の解についての物理的意味に重点を置いて解説する。

以上,いずれの分野においても,入門部分をわかりやすく解説しており,各分野の専門書への橋渡しの役目をする。さらに各解説において,適切な例および演習問題を付けてやさしい教科書または自習書としても使用できるようにした。

1.線形代数学
1.1 はじめに
1.2 行列の復習
1.3 ベクトル空間と線形写像
1.3.1 ベクトルとベクトル空間
1.3.2 線形写像と表現行列
1.3.3 連立方程式と解空間
1.4 内積空間
1.5 固有値,固有ベクトル,および行列の対角化
1.6 固有値,固有ベクトル,および固有空間
1.7 行列の対角化
1.8 最小多項式,一般固有空間,およびジョルダン標準形
章末問題

2.微分方程式
2.1 はじめに
2.2 1階常微分方程式
2.2.1 変数分離形
2.2.2 1階線形微分方程式
2.3 解析学の基礎的事項
2.3.1 実数列
2.3.2 関数列
2.4 1階常微分方程式の解の存在と一意性
2.4.1 1階線形微分方程式の解の存在と一意性
2.4.2 リプシッツ条件を満たす 階微分方程式の解の存在と一意性
2.5 ベクトル値関数の微分方程式
2.5.1 2次元のベクトル値関数の微分方程式
2.5.2 高階の微分方程式
2.6 2階線形微分方程式
2.6.1 2階同次線形微分方程式
2.6.2 2階同次線形微分方程式の解がつくるベクトル空間
2.6.3 ロンスキアン
2.6.4 定数係数2階線形微分方程式
2.6.5 非同次の2階線形微分方程式
2.7 級数による解法
2.7.1 級数による解法の基礎
2.7.2 級数による解法では解けない例
2.7.3 ルジャンドルの微分方程式
章末問題

3.解析力学入門
3.1 はじめに
3.2 連立線形微分方程式
3.2.1 行列の指数関数
3.2.2 ラプラス変換による解法
3.3 力学系の例
3.3.1 工学分野からの例
3.3.2 ケプラー運動
3.4 相空間と平衡点
3.4.1 相空間
3.4.2 保存力学系
3.4.3 平衡点の安定性
3.5 変分法
3.5.1 汎関数
3.5.2 オイラーラグランジュの方程式
3.6 ラグランジュ力学
3.6.1 ラグランジュの運動方程式
3.6.2 座標変換
3.7 ハミルトン力学
3.7.1 ハミルトンの運動方程式
3.7.2 正準変換の例
章末問題

4.電磁気学入門
4.1 はじめに
4.2 スカラー場とベクトル場
4.2.1 スカラー場の勾配と等位面
4.2.2 ガウスの定理と発散の物理的意味
4.2.3 ストークスの定理と回転の物理的意味
4.3 電荷と静電場
4.3.1 クーロンの法則
4.3.2 ガウスの法則
4.4 電位
4.4.1 電場と電位
4.4.2 電気双極子モーメントによる電場と電位
4.5 導体と誘電体
4.6 電流と静磁場
4.6.1 電流
4.6.2 ビオサバールの法則
4.6.3 円電流がつくる磁場と磁気双極子
4.6.4 アンペールの法則
4.6.5 ローレンツ力
4.7 電磁誘導
4.8 変位電流とマックスウェル方程式
4.8.1 変位電流の導入によるアンペールの法則の拡張
4.8.2 マックスウェル方程式
4.9 マックスウェル方程式と電磁波
章末問題

5. 量子力学入門
5.1 はじめに
5.2 粒子性と波動性の二重性
5.3 シュレディンガー方程式
5.4 波動関数の意味と性質
5.5 波束の広がりと不確定性原理
5.6 自由粒子の波束の運動
5.7 確率の流れ
5.8 時間に依存しないシュレディンガー方程式
5.9 1次元無限大箱形ポテンシャルに束縛された粒子
5.10 3次元無限大箱形ポテンシャル中に束縛された粒子
5.11 1次元調和振動子
5.12 物理量と演算子
5.13 トンネル効果
章末問題

引用・参考文献
各章の問の解答
章末問題の解答
索引

片山 登揚(カタヤマ ノリアキ)

有末 宏明(アリスエ ヒロアキ)

松野 高典(マツノ タカノリ)

稗田 吉成(ヒエダ ヨシナリ)

佐藤 修(サトウ オサム)