材料学 (改訂版)
機械系の「材料学」テキストの定番!! 改訂版ではおもにJIS規格の更新を行った。
- 発行年月日
- 2023/04/28
- 判型
- A5
- ページ数
- 216ページ
- ISBN
- 978-4-339-04486-7
- 内容紹介
- まえがき
- 目次
- 広告掲載情報
初めて材料学を学ぶ方向けに,金属,高分子,セラミックス,複合材料のそれぞれの分野を幅広く扱い,基礎的な知識を持ったうえで,専門的に深く追究すべきとの考えに基づいてまとめた。改訂版ではおもにJISの規格の更新を行った。
改訂版の出版にあたって
『材料学』(機械系教科書シリーズ6)が発刊されてから20年以上が経過し,この間,日本産業規格(JIS)の規格は大きく様変わりした。今回の改訂では主にJISの規格を更新した。機械技術者として習得すべき基礎知識は今も昔もほとんど変わらない。これからも本書を用いて機械材料の基礎知識を学び,JIS規格を参照しながら用途に応じた適切な材料選定ができるようになることを願っている。
2023年3月
著者
まえがき
工学の基礎になる機械工学科で,設計,工作の分野にも深くかかわる材料学について学ぶとき,金属材料,高分子材料,無機材料,複合材料など非常に多岐多様な材料を満遍なくこなすと,材料の羅列ではないかと批判されそうである。専門的に深く研究している内容について述べていくと,講義時間の制約から材料のごく一部分だけしか扱うことができない。これにはもちろん講義する者の能力にもよるわけである。
本書は,機械工学科学生に対して行ってきた材料学の講義ノートをもとに加筆・編纂しなおしたものであり,材料学の教科書として利用されることを主たる目的に執筆しているが,ときに際しそれぞれの分野での材料選定のために役立つことができれば幸いである。浅学の者であればこそ,このような広範囲にわたる内容について扱うことができたものと思う。内容については多くの文献で確認をしつつまとめたつもりであるが,不備,不適切な箇所についてのご指摘をお願いする次第である。
卒業後,企業で開発設計部門,生産技術部門のいずれについて仕事をする場合でも,必要とされるものは競合材料,代替材料について金属・非金属のバリヤフリーの知識である。また,より深く研究するために進学する者については,理論的な展開の強い材料強度学や結晶学,金属物理学,高分子化学,無機化学などを学ぶことを薦める。
本書のあらゆる箇所で,多大な数の専門書,教科書,雑誌,企業カタログ等を参考にさせて頂いた。ここに記して深く謝意を表したい。
2000年3月
著者
1.総論
1.1 機械材料の分類と規格
1.2 設計と材料選定
1.3 材料の試験および検査法
1.3.1 硬さ試験
1.3.2 引張試験
1.3.3 衝撃試験
1.3.4 疲労試験
1.3.5 クリープ試験
1.3.6 加工性試験
1.3.7 非破壊検査
1.3.8 金属組織観察
1.3.9 成分分析
演習問題
2.金属材料
2.1 金属の結晶構造とその性質
2.1.1 金属材料とは
2.1.2 結晶構造
2.1.3 結晶面および結晶方向の表示法
2.1.4 固溶体および金属間化合物
2.1.5 結晶構造の欠陥
2.1.6 金属のすべりと変形双晶
2.1.7 回復および再結晶
2.2 平衡状態図
2.2.1 金属の融解と凝固
2.2.2 結晶粒の生成と成長
2.2.3 基本状態図
2.2.4 Fe-C系状態図と組織
2.3 熱処理
2.3.1 鋼の変態
2.3.2 鋼の熱処理方法
2.3.3 その他の表面硬化処理
2.3.4 非鉄金属材料の熱処理
2.4 構造用金属材料
2.4.1 分類
2.4.2 一般構造用圧延鋼材
2.4.3 溶接構造用圧延鋼材
2.4.4 高張力鋼
2.4.5 機械構造用炭素鋼
2.4.6 機械構造用合金鋼
2.4.7 快削鋼
2.4.8 ばね鋼
2.4.9 展伸用銅合金
2.4.10 展伸用アルミニウム合金
2.4.11 チタン合金
2.5 鋳造用金属材料
2.5.1 鋳鉄
2.5.2 鋳鋼品
2.5.3 鋳造用Cu合金
2.5.4 鋳造用Al合金
2.5.5 ダイカスト
2.6 工具用金属材料
2.6.1 工具鋼
2.6.2 焼結超硬工具
2.7 耐食材料
2.7.1 ステンレス鋼
2.7.2 表面処理鋼板
2.7.3 防食設計
2.8 耐熱金属材料
2.8.1 高温酸化
2.8.2 クリープ現象
2.8.3 拡散速度
2.8.4 耐熱鋼
2.9 特殊機能金属材料
2.9.1 易融合金
2.9.2 磁性金属材料
2.9.3 形状記憶合金
2.9.4 アモルファス合金
演習問題
3.高分子材料
3.1 プラスチック材料
3.1.1 プラスチックの分類
3.1.2 プラスチックの通性
3.1.3 性能への影響因子
3.1.4 プラスチックの成形加工
3.1.5 プラスチックの機械加工
3.2 エラストマー材料
3.2.1 ゴムの分類
3.2.2 ゴムの基本的な特性
3.2.3 汎用ゴム
3.2.4 特殊ゴム
3.2.5 熱可塑性エラストマー
3.3 接着剤
3.3.1 接着・接合のメカニズムとその機能
3.3.2 接着剤の分類
演習問題
4.セラミックス材料
4.1 セラミックスの分類
4.1.1 セラミックスの分類法
4.1.2 酸化物系セラミックス
4.1.3 炭化物系セラミックス
4.1.4 窒化物系セラミックス
4.2 セラミックスの製造プロセス
4.2.1 原料粉体の製造・調整
4.2.2 成形品の製造
4.2.3 焼成品の製造
4.2.4 機械加工
4.3 機械材料としてのセラミックス
4.3.1 アルミナ
4.3.2 窒化ケイ素
4.3.3 ジルコニア
4.3.4 窒化アルミニウム
4.3.5 炭化ケイ素
4.4 光学材料としてのセラミックス
4.4.1 強化ガラス
4.4.2 耐熱性ガラス
4.4.3 光ファイバ
4.4.4 フォトクロミックガラス
4.5 耐熱材料としてのセラミックス
4.5.1 耐火物
4.5.2 断熱材
4.5.3 各種材料の熱的物性
演習問題
5.複合材料
5.1 プラスチック基複合材料
5.1.1 FRPの製造
5.1.2 異方性と積層
5.2 金属基複合材料
5.2.1 繊維強化合金の製造方法と特性
5.2.2 粒子分散強化合金の製造方法と特性
5.2.3 一方向凝固共晶合金の製造方法と特性
5.2.4 クラッド材
5.3 セラミックス基複合材料
5.3.1 繊維強化セラミックス
5.3.2 粒子分散強化セラミックス
演習問題
引用・参考文献
演習問題解答
索引
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掲載日:2023/11/07
-
掲載日:2023/09/19