機械力学 (増補)

機械系 教科書シリーズ 18

機械力学 (増補)

  • 青木 繁 都立産業技術高専名誉教授 工博

本書は主に振動に関連する内容を取り入れた。振動を学ぶ目的の一つとして,機械や交通機関から発生する振動や地震における建物の振動などの解決がある。これらを踏まえ基礎的事項を中心に解説した。増補では章末問題を増やした。

ジャンル
発行年月日
2018/04/30
判型
A5
ページ数
204ページ
ISBN
978-4-339-04484-3
機械力学 (増補)
在庫あり

定価

2,640(本体2,400円+税)

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本書は主に振動に関連する内容を取り入れた。振動を学ぶ目的の一つとして,機械や交通機関から発生する振動や地震における建物の振動などの解決がある。これらを踏まえ基礎的事項を中心に解説した。増補では章末問題を増やした。

機械力学は,機械の運動に関することを扱うものである。「機械力学」のタイトルのついた多くの本が出版されているが,その内容は広範囲にわたっている。本によっては主として工業力学を扱ったもの,機構学を扱ったもの,場合によっては材料力学あるいは自動制御に関連する内容を扱ったものなどがある。一般には,物体の運動を解明するために用いられる動力学を扱い,特に振動に関連する内容を扱ったものが多い。

本書では,おもに振動に関連する内容を取り入れた。振動といっても対象としては,ばねにおもりをつるしたものや,糸におもりを付けた振り子のような簡単なものから大形のプラントのような複雑なものまである。近年,振動が大きな社会問題となっている。例えば,家庭用機器,産業用機械や交通機関などによって発生する振動・騒音や,大地震における建物などの振動がある。このような振動を防止し,問題を解決することも振動を学ぶ一つの目的である。

これらのことを踏まえ,本書では,振動の基礎的なことについて記述することにする。I章では,振動を学ぶうえで知らなければならない,力学の基礎,および振動問題を解くために必要な数学を扱う。これらの知識がある読者は,2章から始めて,必要に応じて参考にして欲しい。

2章と3章では,振動を考えるうえで最も基本となるl自由度系振動について述べる。2章では,最初に条件を与えて,その後は力を加えない場合の振動である,自由振動を扱う。衝撃的な力を受けた場合の振動についてもこの章で示す。この章で出てくる「固有振動数」および「減衰比」は,3章以降でも頻繁に出てくる。3章では,正弦波で表される規則的な力や変位を入力として受ける1自由度系の強制振動について述べる。4章では,多自由度系の振動を解くための基礎となる2自由度系の振動について述べる。2自由度系になると計算が複雑になる。まず,自由振動を求める方法を示し,自由振動の特徴について述べる。さらに強制振動についても示す。5章では,2自由度系で述べたことを応用して,多自由度系の振動を解くための方法について述べる。6章では,連続体の振動について述べ,弦,棒およびはりの振動を扱う。連続体の振動を求める方法を示し,振動の特徴についても扱った。

7章では,回転体に伴う振動問題の基礎について述べ,おもに不釣合いのある回転体の振動を扱う。不釣合いのある回転体を釣り合わせる方法も示した。8章では,3章および4章の内容を応用した振動の防止について述べる。3章および4章で述べたことを別の観点から見ることにより,振動を防止する方法を示した。また,動吸振器およびフードダンパについても述べる。9章および10章では,2~4章で扱ったことを,それぞれ複素数およびラプラス変換を用いて解く方法について述べる。複素数またはラプラス変換を用いると,振動の計算を容易に解くことができる。

理工系の教科書は,最初から最後まで読んで理解するというものではない。途中の式の展開や,得られた結果と実際の現象との対応を考え,問題も自分で解いてみなければなかなか力はつかない。本書では,できるだけ式の展開をわかりやすく記述した。しかしながら,読者自身もノートなどに式の展開をして,確実に自分のものにして欲しい。式の展開方法には,いくつかの方法があり得るので,本書で示した方法とは別の展開方法などもあり得る。演習問題についても別の解き方もあり得る。演習問題も例題などを参考に,できるだけ解答に頼らずに解いて欲しい。

振動は奥の深い分野である。本書で扱った内容のほかに,不規則振動や非線形振動,あるいは音響なども振動を考えるうえで重要である。また,連続体や平面や立体の振動も興味のある問題であるし,振動の計測や測定の原理なども重要である。これらについては専門書も数多く出版されているので,さらに知識を深めて欲しい。

2004年7月
著者

1. 総論
1.1 力学の基礎
1.2 力学モデル
1.3 運動方程式
1.4 三角関数
1.5 行列
1.6 行列式
1.7 慣性モーメント
1.8 平行軸の定理
演習問題
 
2. 1自由度系の振動
2.1 減衰のない1自由度系
 2.1.1 運動方程式
 2.1.2 1自由度系の例
2.2 減衰のある1自由度系
 2.2.1 運動方程式
 2.2.2 減衰振動
2.3 衝撃入力を受ける1自由度系
 2.3.1 単位インパルス応答関数
 2.3.2 任意の入力を受ける系の応答
演習問題
 
3. 1自由度系の強制振動
3.1 力入力を受ける1自由度系
3.2 半パワー法
3.3 変位入力を受ける1自由度系
演習問題

4. 2自由度系の振動
4.1 運動方程式
4.2 固有振動数および固有振動モード
4.3 力入力を受ける2自由度系の強制振動
4.4 変位入力を受ける2自由度系の強制振動
演習問題
 
5. 多自由度系の振動
5.1 多自由度系の自由振動
5.2 多自由度系の強制振動
演習問題

6. 連続体の振動
6.1 弦の振動
6.2 棒の縦振動
6.3 棒のねじり振動
6.4 棒のせん断振動
6.5 はりの横振動
演習問題

7. 回転体の振動
7.1 回転体の危険速度
7.2 不釣合いによる励振を受ける振動
7.3 回転体の釣合せ
 7.3.1 1面釣合せ
 7.3.2 2面釣合せ
演習問題
 
8. 振動の防止
8.1 振動絶縁
8.2 基礎絶縁
8.3 動吸振器
 8.3.1 減衰のない動吸振器
 8.3.2 減衰のある動吸振器
 8.3.3 フードダンパ
演習問題
 
9. 複素数による振動計算
9.1 複素数の基礎
 9.1.1 複素数とは
 9.1.2 複素数の表し方
 9.1.3 複素数の計算
 9.1.4 オイラーの公式
 9.1.5 特殊な場合の絶対値と偏角の求め方
9.2 複素数を用いた1自由度系の振動の解法
 9.2.1 減衰のない1自由度系
 9.2.2 減衰のある1自由度系
9.3 複素数を用いた1自由度系の強制振動の解法
 9.3.1 力入力を受ける1自由度系
 9.3.2 変位入力を受ける1自由度系
9.4 複素数を用いた2自由度系の固有振動数の求め方
9.5 複素数を用いた2自由度系の強制振動の解法
 9.5.1 力入力を受ける2自由度系
 9.5.2 変位入力を受ける2自由度系
演習問題
 
10. ラプラス変換による振動計算
10.1 ラプラス変換とは
10.2 ラプラス変換を用いた1自由度系の振動の解法
 10.2.1 減衰のない1自由度系
 10.2.2 減衰のある1自由度系
 10.2.3 衝撃入力を受ける1自由度系
 10.2.4 任意の入力を受ける系の応答
10.3 ラプラス変換を用いた1自由度系の強制振動の解法
 10.3.1 力入力を受ける1自由度系
 10.3.2 変位入力を受ける1自由度系
10.4 ラプラス変換を用いた2自由度系の固有振動数の求め方
10.5 ラプラス変換を用いた2自由度系の強制振動の解法
 10.5.1 力入力を受ける2自由度系
 10.5.2 変位入力を受ける2自由度系
演習問題
 
参考文献
演習問題解答
索引

青木 繁(アオキ シゲル)

【抜群の採用実績,豊富な演習問題】

発行以来,多数の大学,高専にてご採用いただいており,抜群の採用実績となっています。2018年には読者の方々からのご要望にお応えし,章末の演習問題を30問追加してさらなる内容の充実を図りました。演習問題の解答解説も詳しく記載され,自学自習にもお薦めの1冊です。