計測工学

機械系 教科書シリーズ 8

計測工学

本書は,情報の獲得と操作という視点を重視し,制御を目的とする計測技術を中心に,応用分野の広い基礎的な測定技術や原理をできるだけ体系的に解説した入門書である。

ジャンル
発行年月日
2001/03/16
判型
A5
ページ数
220ページ
ISBN
978-4-339-04458-4
計測工学
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定価

2,970(本体2,700円+税)

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本書は,情報の獲得と操作という視点を重視し,制御を目的とする計測技術を中心に,応用分野の広い基礎的な測定技術や原理をできるだけ体系的に解説した入門書である。

1.  計測とその目的
1.1 科学・技術と測定…1
1.2 計測工学とは…3
1.3 計測機器の利用形態…5
 1.3.1 工業プロセスや操作の監視…6
 1.3.2 工業プロセスや操作の制御…6
 1.3.3 実験的工学解析…8
1.4 本書の目的…9

2.  計測の基礎
2.1 単位と標準…11
 2.1.1 SIの基本単位とその標準…12
 2.1.2 物理量間の演算と次元,次元式…20
2.2 測定の基本的手法…22
 2.2.1 直接測定と間接測定…22
 2.2.2 絶対測定と比較測定…23
 2.2.3 偏位法と零位法…24
2.3 計測の計画と実施―計測システム計画―…26

3.  計測データとその処理
3.1 測定誤差…30
 3.1.1 誤差の原因…31
 3.1.2 測定値の統計的分布…32
 3.1.3 誤差の回避・低減…33
 3.1.4 偶然誤差の性質と正規分布…34
3.2 測定精度…37
 3.2.1 正確さと精密さ…37
 3.2.2 計測機器の確度…37
3.3 測定データの統計的処理…39
 3.3.1 有効数字…39
 3.3.2 算術平均…40
 3.3.3 誤差の伝播…43
 3.3.4 最小二乗法…46
演習問題…52

4.  計測システムとシステム解析
4.1 計測システムの基本構成…54
 4.1.1 情報源…55
 4.1.2 検出部…55
 4.1.3 信号処理部…56
 4.1.4 表示部…56
 4.1.5 制御装置…56
 4.1.6 信号伝送…56
4.2 計測システムにおける信号変換…58
 4.2.1 アナログ信号とディジタル信号…58
 4.2.2 アナログ信号処理…59
 4.2.3 ディジタル信号処理…71
 4.2.4 信号の表示と記録,記憶…95
4.3 計測システムの特性とシステム解析…99
 4.3.1 静特性…99
 4.3.2 動特性とシステム解析…102
演習問題…106

5.  信号変換の方式とセンサ
5.1 機械式センサ…107
 5.1.1 機械的拡大…107
 5.1.2 弾性変形…110
 5.1.3 サイズモ系…113
 5.1.4 ジャイロ効果…117
5.2 電気電子式センサ…119
 5.2.1 抵抗変化…119
 5.2.2 容量変化…127
 5.2.3 電磁誘導…130
 5.2.4 圧電効果…135
 5.2.5 ゼーベック効果…137
5.3 流体式センサ…139
 5.3.1 流体静力学…139
 5.3.2 ベルヌーイの定理…140
 5.3.3 カルマン渦…147
5.4 光学式センサ…148
 5.4.1 光学的拡大…148
 5.4.2 光干渉…151
 5.4.3 モアレ法…155
5.5 その他の方式…157
 5.5.1 ドップラー効果…157
 5.5.2 波動の伝搬…158
 5.5.3 相関法…161
演習問題…165

6.  計測技術の開発と応用―筆者の研究事例から―
6.1 ディジタル画像処理を用いた切削工具刃先形状の測定…166
 6.1.1 二次元すくい面画像による工具刃先状態の測定…167
 6.1.2 測定システムの構成…170
 6.1.3 データ処理の手順…171
 6.1.4 試作システムの性能と応用性…176
6.2 温度場と速度場の可視化情報計測…178
 6.2.1 感温液晶法…179
 6.2.2 可視化実験…179
 6.2.3 温度場の計測…180
 6.2.4 速度ベクトル場の計測…183
 6.2.5 二次元自然対流への適用…184
 6.2.6 三次元温度・速度計測…185
6.3 スペックルシアリング干渉法によるたわみ勾配の測定…189
 6.3.1 位相シフトスペックルシアリング干渉法…189
 6.3.2 位相シフトスペックル干渉法の精度…193
 6.3.3 位相シフト誤差の補正…195

引用・参考文献…198
演習問題解答…201
索     引…204

前田 良昭(マエダ ヨシアキ)

木村 一郎(キムラ イチロウ)

 大学は本書の題名通りの計測工学科出身で、卒業後ベアリングの会社に就職するが、どうも自分が抱いていたエンジニアとの違和感から会社を退職し、大学院修士課程計測工学専攻に入学する。大学院修了後、指導教授の薦めもあって、助手に採用される。その後、その頃注目されていたフルイディクスの研究で工学博士の学位を得て、助教授に昇格する。助教授時代には、流れの動画像計測を中心にロボットアクチュエータ、感性情報処理などの研究にも手を伸ばす。その後、私学に教授として移り、脳の情報処理、アクアバイオメカニズムなど、面白さのままに研究を進めてきた感がある。このような幅広い研究を続けられたのは、学生時代は電気も機械も学ぶ中途半端な学科と思ってきた計測工学科出身のおかげだと思っている。現在は、大学を退職し悠々自適の日々を送っているが、流れの動画像計測を通じて知り合った他大学の名誉教授の先生方とは、飲み会などで今も交流関係が続いている。

押田 至啓(オシダ ヨシヒロ)