ボンドグラフによるシミュレーション

現代制御シリーズ 9

ボンドグラフによるシミュレーション

電気回路,力学系,流体機械などを,構成要素がエネルギーの伝達によって結合されているシステムという統一的視点で捉え,その動的挙動を解析するのに有効な手法がボンドグラフであり,本書はその基礎と各種の応用について述べる。

ジャンル
発行年月日
1996/08/10
判型
A5
ページ数
314ページ
ISBN
978-4-339-03089-1
ボンドグラフによるシミュレーション
品切・重版未定
当面重版の予定がございません。

定価

4,400(本体4,000円+税)

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電気回路,力学系,流体機械などを,構成要素がエネルギーの伝達によって結合されているシステムという統一的視点で捉え,その動的挙動を解析するのに有効な手法がボンドグラフであり,本書はその基礎と各種の応用について述べる。

1. シミュレーションとグラフによるシステムモデル
1.1 舞台の設定
  1.1.1 問題の領域
1.2 工学における回路表現
1.3 関連の話題
  1.3.1 回路と等価回路
  1.3.2 ブロック線図とその逆転
引用・参考文献
2. パワーと信号のやりとりの表現としてのボンドグラフ
2.1 言葉によるボンドグラフとボンドグラフの主要変数
2.2 ボンドグラフの標準的素子
  2.2.1 単ポート素子
  2.2.2 R素子
  2.2.3 C素子
  2.2.4 I素子
  2.2.5 変数と素子の回転木馬
  2.2.6 エフォート源とフロー源
  2.2.7 2ポート素子
  2.2.8 3ポート素子:直列接点と並列接点
2.3 計算のためのマーク:パワーの向きと因果関係
  2.3.1 エネルギー貯蔵C素子およびI素子
  2.3.2 強制される因果関係と望ましい因果関係
  2.3.3 パワーの向き
  2.3.4 R素子に関する因果関係と方程式
  2.3.5 パワーの向きと単ポート素子の特性則
  2.3.6 変数源素子のパワーの向きと因果関係
  2.3.7 トランスフォーマとジャイレータ
  2.3.8 接点におけける因果関係とパワーの向き
  2.3.9 因果関係を定める統一的な手順
2.4 ブロック線図とボンドグラフに基づくシミュレーション
2.5 非線形特性とブロックボンドグラフ
2.6 ボンドグラフにおける多ポート素子
  2.6.1 Cフィールド
  2.6.2 Cフィールドの物理的意味と例
  2.6.3 TUTSIMにおける2ポートCフィールド
  2.6.4 Cフィールドにおける可逆性とエネルギー/パワー関係
  2.6.5 Iフィールドすなわち一般化インダクタ回路網
  2.6.6 Rフィールドすなわち一般化抵抗回路網
  2.6.7 多ポートフィールドの対称性
2.7 ボンドグラフの構成
2.8 接点構造と変換
2.9 システム表現としてのボンドグラフ
引用・参考文献
3. 機械系のシミュレーションと設計
3.1 応用例の初めにあたって
3.2 基準点が固定している機械系
  3.2.1 モータとポンプ駆動
3.3 基準点が移動する機械系におけるボンドグラフの系統的な描き方
  3.3.1 連結した鉄道車両
  3.3.2 電気動力計と歯車変速機のトルク反力
  3.3.3 遊星歯車機構
  3.3.4 ねじり振動系のランチェスタダンパ
3.4 すべり,クラッチ,誘導電動機
  3.4.1 誘導電動機
3.5 トランスミッションと効率
引用・参考文献
4. 流体パワーシステムのシミュレーション
4.1 流体流れにおける静圧パワー
  4.1.1 HydrostaticかHydraulicか
  4.1.2 ポンプ,油圧機械とトランスフォーマ
  4.1.3 圧力レベルと回転ケーシング
  4.1.4 流体抵抗
  4.1.5 油圧容量
  4.1.6 作動油の慣性
4.2 バルブ制御アクチュエータとサーボモータ
4.3 油圧回路と油圧伝動装置
  4.3.1 油圧伝動装置の例
  4.3.2 油圧機械の詳細について
4.4 特に取り上げる油圧機器と装置
  4.4.1 圧力制御弁と流量制御弁
  4.4.2 流体抵抗についての注意事項
  4.4.3 静圧軸受
  4.4.4 自動変速機の油圧制御
引用・参考文献
5. 電気回路,電動機と構成部品
5.1 電気回路と構成部品
5.2 電動機
  5.2.1 交流誘導電動機と同期電動機
5.3 コンデンサ,インダクタ,アクチュエータと実際の変圧器
  5.3.1 静電形スピーカまたはコンデンサ形マイクロホン
  5.3.2 磁気インダクタ
  5.3.3 実際の変圧器
引用・参考文献
6. ボンドグラフから数式モデルへ
6.1 ボンドグラフ,数式モデル,シミュレーション
6.2 数式モデル
  6.2.1 状態方程式表現
  6.2.2 伝達関数表現
6.3 因果関係による結合
6.4 ボンドグラフから状態方程式を求める
6.5 ボンドグラフと伝達関数
  6.5.1 ボンドグラフから伝達関数を求める
  6.5.2 例題
引用・参考文献
7. 線形システムの二,三の性質
7.1 はじめに
7.2 状態方程式と伝達関数
  7.2.1 状態方程式から伝達関数へ
  7.2.2 伝達関数のプロパー性
7.3 貯蔵素子の個数と伝達関数の次数
7.4 構造的可制御性と構造的可観測性
7.5 安定性と定常特性
  7.5.1 漸近安定性
  7.5.2 構造的漸近安定性
  7.5.3 定常状態
引用・参考文献
8. 数値計算の概観,実用的手順と問題点
8.1 ボンドグラフによるシミュレーションのプログラム
8.2 固有値と時間刻み
8.3 固有値の推定とダイナチェック
  8.3.1 直列回路と並列回路
  8.3.2 トランスフォーマ,ジャイレータ外し
  8.3.3 トランスフォーマ,ジャイレータ外しとパラメータの変化
  8.3.4 固有値推定の例
  8.3.5 摩擦力が変化するランチェスタダンパ
8.4 因果関係の問題と代数ループ
  8.4.1 C素子とI素子の付加および後ろめたい気持ちの解消
  8.4.2 微分性の因果関係の計算
  8.4.3 油圧ロボットの例
  8.4.4 代数ループ
8.5 コンパクトなパラメータとパラメータチェック
  8.5.1 機械系のコンパクトな単位
  8.5.2 パラメータチェック(パラチェック)
  8.5.3 シミュレーションの実行とボンドグラフツリー
  8.5.4 ボンド番号の付け方
8.6 メーソンループと検査解析
引用・参考文献
9. 熱力学,化学などへの応用
9.1 エントロピーとの出会いおよびエントロピーへの愛情
  9.1.1 エントロピーの性質
  9.1.2 摩擦のない基礎的な熱力学
  9.1.3 Cフィールドにおける摩擦のない熱力学
  9.1.4 摩擦要素のある熱力学
  9.1.5 熱流束に関する擬似ボンドグラフ
  9.1.6 シリコン基板のシミュレーション
9.2 対流,物質の流れと太陽エネルギー
  9.2.1 2相流と化学反応
  9.2.2 対流における容量相似
  9.2.3 熱流体機械の動特性
  9.2.4 太陽熱放射
9.3 化学と物理学におけるボンドグラフ
  9.3.1 浸透
  9.3.2 物理学における概念的マルチボンド
引用・参考文献
10. さらに進んだ問題
10.1 マルチボンド,ロボット工学,回路理論
  10.1.1 マルチポートの可変トランスフォーマ
  10.1.2 複雑なメカニズムとそのトランスフォーマ
  10.1.3 テレゲンの回路定理
  10.1.4 ロボットのインピーダンス制御
10.2 分布定数系のボンドグラフ
  10.2.1 モード合成を用いたラム式水撃ポンプのシミュレーション
10.3 衝撃,衝突とヒステリシス
  10.3.1 ヒステリシス
10.4 交流ボンドグラフの問題
  10.4.1 むすび
引用・参考文献
11. 高度な応用例
11.1 流体関係
  11.1.1 水撃ポンプ
  11.1.2 ジェットパイプ式サーボ弁
  11.1.3 フリーザ用圧力制御弁
11.2 熱流体関係
  11.2.1 油空圧式疲労試験機
引用・参考文献
付録
索引

J.U. トーマ(ジェーユー トーマ)

須田 信英(スダ ノブヒデ)