基礎力がつくPythonプログラミング入門
「文法・機能解説」「コード例提示」「例題」の3ステップで学習をサポート
- ジャンル
- 発行予定日
- 2026/02/中旬
- 判型
- B5
- ページ数
- 232ページ
- ISBN
- 978-4-339-02956-7
- 内容紹介
- まえがき
- 目次
【読者対象】
本書は,これからPythonを体系的に学びたい初学者から,データサイエンスやAIといった応用分野でPythonを実用的に使いたい読者までを主な対象としています。また,入門者だけでなく,他言語の経験者にとっても,Pythonの文法や考え方が理解しやすいように文法事項の説明順序を工夫しました。学校の授業や研修での利用も想定し,教員や講師が講義用テキストとして使いやすいような構成としています。
【書籍の特徴】
Pythonは簡潔に書けて強力なライブラリが利用できる一方で,「なぜこう動くのか」が見えにくく,初学者には戸惑いを招くことがあります。本書では,この書きやすさと動作の複雑さのギャップを埋めるため,プログラムの文面と実際の挙動を対応づけながら説明し,「とりあえず動いた」から一歩進んで納得しながら学習できるように構成しました。各トピックは文法や機能の説明・プログラム例・例題というパターンで基本的に統一されており,講義でも独習でも,説明を読む・プログラムを実行して試す・例題を解いて確認する,という流れが自然に繰り返せます。また,内容が文法事項ごとに整理されているので,ひと通り学んだ後に必要な項目を事典のように引き直すこともできます。
【各章について】
1章では,Pythonを学習するための実行環境の整え方を説明します。
2章では,入門として,簡単なプログラムとその実行例を示します。
3章と4章では,プログラムの基本要素である「式」の書き方と,行われる計算について説明します。
5章と6章では,プログラム実行の単位である,さまざまな「文」の役割と使い方を説明します。
7章では,プログラムの部品となる「関数」の作り方を説明します。
8章と9章では,Pythonが提供する便利な「組み込み型」の使い方を説明します。
10章では,エラー処理に使う少し高度な機能である「例外処理」について説明します。
11章では,オブジェクト指向で重要な「クラス」の定義の仕方と使い方を説明します。
12章と13章では,プログラムが外部とデータをやり取りするための「ファイル入出力」機能を説明します。
【著者からのメッセージ】
Pythonは多くの分野で標準的に用いられる一方,「動くけれど仕組みがよくわからない」という不安を抱えたまま使われることも少なくありません。本書では,Pythonの文法の奥にある仕組みや考え方にも適宜触れることで,「自分が書いたプログラムがなぜこう動くのか」を読者がその都度確認でき,安心して自分が作りたいプログラムを作れるようになってもらうことを目指しました。本書を使った学習で得られた基礎が,読者が将来,Pythonを用いたさらに高度なプログラミングにも,またほかのオブジェクト指向言語を用いる場合にも役に立つことを願っています。
【キーワード】
Python,プログラミング入門,オブジェクト指向,データサイエンス,AI(人工知能),機械学習,JupyterLab
☆発行前情報のため,一部変更となる場合がございます
Pythonは,使いやすくて高機能なプログラム言語です。Pythonでプログラムを書くことで,Pythonに付属しているライブラリ(ソフトウェアの集まり)が提供する豊富な機能に加えて,数多くのグループが開発し提供している多種多様なライブラリを利用することができます。特にデータサイエンスと人工知能(AI)の分野では,Pythonは事実上の標準言語と言ってもよいでしょう。
Pythonはプログラムをコンパクトに,かつ読みやすく書けるようにデザインされています。そのため簡潔なプログラムで複雑な動作をさせることができます。ただ初学者にとって,この長所は逆に「自分の書いたプログラムが,何となく動くけど思ったのと動きがちょっと違う」とか「細かい動きを指示したいけれど,どうプログラムを書けばいいかわからない」といった難しさにつながることがあります。
本書はこのプログラムの文面上のやさしさと動作の複雑さを,例を交えながら少しずつ対応づけて説明することで,わからないことを後に残さず学習を進められるように構成しました。Pythonの言語要素は相互に関係していて,簡単なプログラムを作るために高度な要素を使うこともありますが,そういう場合には高度な要素をやさしく導入することで理解の負担にならないよう工夫してあります。さらに,入門書として一通り学習した後でも各項目を調べ直しやすいように,言語の文法事項で分類した構成としました。
各トピックの説明については,授業でも使いやすいように,①まず文法や機能の説明を行い,②コード例を示して,③例題を配置する,という構成を基本としました。これにより,先生による説明と受講者の実践を1つの単位として授業を容易に進められるようにしました。この構成は,受講者が説明とコード例を見て予習する際にも,例題を解き直すなどして復習する場合にも便利でしょう。
Pythonはオブジェクト指向のプログラム言語で,オブジェクト指向に特有の考え方に基づいて作られています。本書では,プログラムをどう書くかだけでなく,オブジェクト指向の考え方も併せて説明することで,読者が「字面だけ」のプログラミングではなく,自信を持ってプログラムが書けることを目指しています。そこで得られる知識は,読者が将来ほかのオブジェクト指向言語を使う際にも役立つでしょう。
本書で説明する範囲は,Pythonが持つ機能のうち基本的な部分です。この部分を理解すれば,Pythonのプログラムを正しく作成できるようになり,データサイエンスやAI関連を始めとする幅広い分野のライブラリを使って,実用的なプログラミングができるようになるでしょう。また,さらに進んだPythonの機能を理解する基礎も身につくでしょう。なお,本書執筆時点(2025年8月)のPythonの最新安定版はバージョン3.13で,本書の内容はおよそバージョン3.6以降に対応しています。
学習のための実行環境としては,JupyterLabのウェブインタフェースを基本に,コマンドラインからの実行やGoogle Colaboratoryなどのクラウドサービスの利用も想定して,操作法などを説明しています。これまでプログラミングに接したことのない読者でもこれらの実行環境が整えられるように,最初の章ではセットアップの仕方を説明しています。
また,本書の書籍詳細ページ(https://www.coronasha.co.jp/np/isbn/9784339029567/)から本文中のPythonコード,入出力に使っているテキストファイル,章末問題解答例,教科書採用者向け資料(提出課題として使える問題と解答)のなどの補足情報が確認できます。
謝辞
本書の執筆においては,菊池眞之先生,井上亮文先生,伝保昭彦先生をはじめ,東京工科大学の多くの先生方にご協力を頂きました。また,同大学コンピュータサイエンス学部の学生さん達には,本書のベースとなった授業を受講して頂き,有益なフィードバックを頂きました。皆様に深く感謝致します。
2026年1月
著者
☆発行前情報のため,一部変更となる場合がございます
1. 準備
1.1 必要な実行環境
1.1.1 Python処理系のインストール
1.1.2 JupyterLabのインストール
1.1.3 JupyterLabの起動
1.2 JupyterLabの基本的な使い方
1.2.1 インタフェースの構成要素
1.2.2 ノートを使う
1.2.3 JupyterLabを終了する
1.3 ほかのタイプの実行環境
1.3.1 タイプ1:ターミナルで実行
1.3.2 タイプ3:クラウドサービスを使う
1.4 公式ドキュメント
2. 使ってみよう
2.1 画面に出力する
☕エラー
2.2 計算する
2.3 キーボードから入力する
2.4 変数と代入の仕組み
☕Pythonのバージョン
章末問題
3. 式と演算
3.1 値と型
3.2 型の変換
3.3 基本的な演算
3.3.1 算術演算
☕ゼロ除算エラー
3.3.2 べき乗
3.3.3 演算子の種類
3.4 算術変換
3.5 演算子の優先順位と結合性
☕優先順位と結合性の一覧表
3.6 式の評価
3.6.1 式は構造に従って評価される
3.6.2 左から順のルール
☕プログラムのスタイル
章末問題
4. 式の基本要素
4.1 変数
4.1.1 名前
4.1.2 変数と定数
4.1.3 使わないほうがいい名前
4.2 定数
4.2.1 整数リテラル
4.2.2 浮動小数点数リテラル
4.2.3 文字列リテラル
4.2.4 エスケープシーケンス
4.2.5 長い文字列リテラル
4.2.6 f文字列
4.2.7 組み込み定数
4.3 関数呼び出し
4.3.1 引数と戻り値・呼び出し式の評価
4.3.2 引数には任意の式が書ける
4.3.3 戻り値が不要な関数はNoneを返す
章末問題
5. プログラムの実行(1)単純文・条件分岐
5.1 文の種類
5.2 コメント
5.3 基本的な単純文
5.3.1 代入文とdel文
5.3.2 式文
5.4 インポート
5.4.1 組み込みの機能と標準ライブラリ
5.4.2 import文
5.4.3 mathモジュール
5.4.4 randomモジュール
5.4.5 from~import~文
5.5 if文
5.5.1 比較演算子
5.5.2 if~else~
5.5.3 if~elif~else~
5.6 論理演算子と真理値
5.6.1 論理演算子
☕長い条件式を複数行で書く
5.6.2 Pythonの真理値
章末問題
6. プログラムの実行(2)繰り返し
6.1 while文
6.1.1 プログラムの実行を中断する
6.1.2 累算代入文
6.1.3 文の入れ子とインデント
6.2 break文
6.3 for文
6.3.1 for文とrange型
6.3.2 多重ループ
6.4 continue文
章末問題
7. 関数を作る
7.1 関数の定義と使用
7.2 関数呼び出しの動作
☕ドキュメント文字列
7.3 引数のない関数・戻り値のない関数
7.4 引数に関する指定
7.4.1 キーワードをつけて実引数を渡す
7.4.2 仮引数のデフォルト値
☕引数についてのさまざまな指定
7.5 関数から関数を呼び出す
☕名前空間
7.6 モジュール
7.6.1 モジュールを作る
7.6.2 モジュールのインポート
7.6.3 モジュールの属性の利用
7.6.4 import文のバリエーション
☕グローバルな名前空間とメインモジュール
7.7 パッケージ
章末問題
8. 基本的な組み込み型(1)数値型・文字列型・リスト型
8.1 オブジェクト指向
8.1.1 式を評価するとオブジェクトが得られる
8.1.2 オブジェクトの生成と消滅
8.1.3 型の役割
8.2 数値型
☕浮動小数点数には誤差がある
8.2.1 数値型の演算子
8.2.2 数値型を扱う組み込み関数
8.2.3 bool型
8.3 文字列型
8.3.1 文字列型を扱う組み込み関数
8.3.2 文字列型の演算子
8.3.3 文字列のメソッド
8.3.4 イテラブルとイテレータ
8.4 リスト型
8.4.1 オブジェクトの等価性と同一性
8.4.2 リストの演算子
8.4.3 リストのメソッド
8.4.4 リストを扱う組み込み関数
8.4.5 リストの内包表記
章末問題
9. 基本的な組み込み型(2)タプル型・辞書型・集合型
9.1 タプル型
9.1.1 オブジェクトの変更可能性
9.1.2 代入によるアンパック
9.1.3 関数から複数の戻り値を返す
9.1.4 ループでよく使う組み込み関数
9.2 辞書型
9.2.1 辞書項目の追加・削除
☕辞書のキーにできるオブジェクト・できないオブジェクト
9.2.2 辞書の演算子・操作
9.2.3 辞書を扱う組み込み関数
9.2.4 辞書のメソッド
9.3 集合型
9.3.1 集合の演算子
9.3.2 集合に関する組み込み関数とメソッド
章末問題
10. 例外処理
10.1 例外処理の基本
10.2 例外の種類
10.2.1 IndexError
10.2.2 KeyError
10.2.3 ValueError
10.2.4 ZeroDivisionError
10.2.5 StopIteration
10.3 try文
10.4 例外の情報を得る
10.5 組み込み例外の階層
10.6 raise文
章末問題
11. クラス
11.1 クラスとインスタンス
11.2 クラス定義
11.2.1 データ属性を与える
11.2.2 メソッドを与える
11.2.3 初期化メソッド
11.3 クラス自身に機能を与える
11.3.1 クラス変数
☕変数の使い分け
11.3.2 クラスメソッド
11.4 継承
11.4.1 継承のためのクラス定義
11.4.2 メソッドの上書きと組み込み関数super()
章末問題
12. ファイル処理(1)テキストファイル
12.1 ファイル入出力の概略
12.2 ファイルに出力する
☕文字エンコーディング
12.3 すでにあるファイルに内容を追加する
12.4 ファイルから入力する
12.4.1 文字数を指定して読む(read)
12.4.2 1行ずつ読む(readline)
12.4.3 すべての行を読む(readlines)
☕ファイル内の改行文字
12.4.4 1行ずつ読む(for)
12.5 入力と出力を合わせて使う
12.6 エラー処理
章末問題
13. ファイル処理(2)CSVファイル・JSONファイル
13.1 CSVファイルの入出力
13.2 JSONファイルの入出力
章末問題
索引








