離散力学系のカオス

現代非線形科学シリーズ 2

離散力学系のカオス

カオスに代表される非線形現象を理解するための力学系理論の諸概念や確率論に基づくカオス解析について,平易な例題を交えてやさしく解説した。また,疑似乱数としてのカオスに焦点を絞り,カオスの情報通信システムへの応用を紹介。

ジャンル
発行年月日
1998/03/02
判型
A5
ページ数
294ページ
ISBN
978-4-339-02601-6
離散力学系のカオス
品切・重版未定
当面重版の予定がございません。

定価

3,520(本体3,200円+税)

購入案内

  • 内容紹介
  • 目次
  • 著者紹介

カオスに代表される非線形現象を理解するための力学系理論の諸概念や確率論に基づくカオス解析について,平易な例題を交えてやさしく解説した。また,疑似乱数としてのカオスに焦点を絞り,カオスの情報通信システムへの応用を紹介。

1.力学入門
1.1 線形システムと出力特性
1.2 微分方程式と力学系
1.2.1 簡単な微分方程式の例
1.2.2 連立1階微分方程式
1.2.3 簡単な力学系
1.2.4 非線形振動
1.3 平衡点と微小変位論
1.3.1 線形微分方程式と作用素の指数関数
1.3.2 指数行列の性質
1.2.3 2次元微分方程式の分類
1.2.4 非同次方程式
1.3.5 平衡点の安定性
1.4 リミットサイクル、ポアンカレ写像、離散力学系
1.4.1 ファンデルポル方程式と軌道安定性
1.4.2 ポアンカレ写像
1.4.3 非自律系に対するポアンカレ写像
1.4.4 離散力学系
1.4.5 線形差分方程式
1.4.6 離散力学系の平衡魚の安定性
1.4.7 周期係数の線形微分方程式
1.5 非線形力学系の定性的理論
1.5.1 ポアンカレーベンディクソンの定理
1.5.2 分岐
1.6 非線形微分方程式の近似解法
1.6.1 平均化法および等価線形化法
1.6.2 摂動法
1.6.3 記述関数法
2.離散系のカオス
2.1 カオスの定義
2.2 分岐と記号力学系
2.2.1 周期倍加分岐
2.2.2 ベルヌイ写像とコイン投げ
2.2.3 記号力学系
2.3 2次元のカオス
2.3.1 エノン写像
2.3.2 スメイルの馬蹄形写像
2.4 不変測度
2.4.1 確率論やエルゴード理論の基礎事項
2.4.2 ペロンーフロベニウス作用素
2.5 カオスの指標
2.5.1 リャプノフ指数
2.5.2 リャプノフスペクトラム
2.5.3 エントロピー
2.5.4 次元
2.6 空間平均法によるカオス解析
2.6.1 不変測度のウラム-リーによる近似法
2.6.2 不変測度のガレルキン近似法
2.6.3 ペロン-フロベニウス作用素の固有関数
2.6.4 近似的PF作用素の固有関数によるカオス解析
2.6.5 数値計算例
3.擬似乱数とカオス
3.1 線形合同法、シフトレジスタ系列
3.1.1 線形合同法
3.1.2 シフトレジスタ系列
3.2 乱数の検定法
3.3 ペロン-フロベニウス作用素によるカオス解析
3.3.1 PF作用素に基礎をおいた乱数の理論的検定法
3.3.2 ベルヌイ試行を基準とする乱数列の検定法
3.3.3 逆関数法と力学系間の位相同形関係
3.4 白色カオス生成器と1/f8雑音発生語
3.4.5 区分的線形マルコフ写像による白色カオス生成器の設計
3.4.2 間欠性カオスによる1/f8雑音発生器の設計
4.カオスの情報通信システムへの応用
4.1 情報源、スペクトル拡散通信・暗号通信システム
4.1.1 確率過程としてのシャノンの通信モデル
4.1.2 スペクトル拡散通信(SS通信)の拡散符号
4.1.3 良好な相互相関特性を有するLFSR系列
4.1.4 ストリーム暗号の鍵系列
4.2 カオス2値系列とそのi.i.d.性
4.2.1 カオス2値系列の生成法
4.2.2 I.I.D.系列としてのカオス2値系列
4.2.3 区分線形マルコフ写像によるマルコフ情報源
4.3 拡散符号としてのカオス2値系列
4.3.1 カオスビット系列の相関特性
4.3.2 有限周期カオスビット系列の統計的性質と中心極限定理
4.3.3 ビット誤り確率の評価
4.3.4 非同期DS/CDMAチャネルによる画像伝送
4.4 カオス2値系列の暗号通信への応用
4.4.1 カオスビット系列に基づいたストリーム暗号
4.4.2 カオス2値系列の暗号学的強度
4.4.3 カオス同期現象に基づいた暗号システムとの差異
引用・参考文献
索引