並列処理シリーズ 7
並列オペレーティングシステム
本書は,マルチプロセッサシステムを対象としたオペレーティングシステムの入門書である。個々の技術を羅列するのではなく,概念・課題の整理,およびそれらの体系化を試みている。既存の書籍では記述されていない話題にもふれた。
- 発行年月日
- 1997/05/20
- 判型
- A5 上製
- ページ数
- 212ページ
- ISBN
- 978-4-339-02587-3
- 内容紹介
- 目次
本書は,マルチプロセッサシステムを対象としたオペレーティングシステムの入門書である。個々の技術を羅列するのではなく,概念・課題の整理,およびそれらの体系化を試みている。既存の書籍では記述されていない話題にもふれた。
1. 並列オペレーティングシステム概論
1.1 並列オペレーティングシステムの目的と他システムとの相違
1.2 マルチプロセッサの分類と研究課題
1.2.1 マルチプロセッサの分類
1.2.2 研究課題
1.3 オペレーティングシステムの構成法
1.3.1 基本的手法の分類
1.3.2 構成法
1.4 単一プロセッサ上のオペレーティングシステムデータ構造の統一性
1.4.1 プロセッサ放棄の分類
1.4.2 解決方法
1.5 共有メモリ型マルチプロセッサ上のオペレーティングシステムデータ構造の統一性
1.5.1 問題点
1.5.2 マスタスレーブ方式
1.5.3 リエントラント方式
2. プロセス管理とスケジューリング
2.1 プロセスとスレッド
2.1.1 プロセスの概念
2.1.2 スレッドの概念
2.2 並列実行環境モデル
2.2.1 概論
2.2.2 カーネルレベルスレッドモデル
2.2.3 ユーザレベルスレッドモデル
2.2.4 協調型ユーザレベルスレッドモデル
2.3 ユーザレベルスレッド機構の実現方法
2.3.1 単一プロセッサ上での実現
2.3.2 コンテクストの保存・回復機構の実現例
2.3.3 マルチプロセッサ上での課題と実現方法
2.4 スケジューリング
2.4.1 スケジューリングにおける問題点
2.4.2 スケジューリングの分類
2.4.3 各種スケジューリング方式
3. 同期機構
3.1 はじめに
3.2 スピンロック
3.2.1 概論
3.2.2 競合のあるアルゴリズム
3.2.3 競合のないアルゴリズム
3.2.4 各方式の比較
3.3 バリア同期
3.3.1 概論
3.3.2 再初期化問題と集中型バリア方式
3.3.3 ソフトウェアコンバイニングツリーバリア方式
3.3.4 トーナメントバリア方式
3.3.5 ツリーバリア方式
3.3.6 各方式の比較
4. メモリ管理
4.1 はじめに
4.2 TLBコヒーレンス制御
4.2.1 概論
4.2.2 TLBコヒーレンス制御アルゴリズム
4.3 高速化技法
4.4 メモリコンシステンシモデル
4.5 分散共有メモリシステム
4.5.1 概論
4.5.2 ページを基盤としたシステム
4.5.3 共有変数を基盤としたシステム
4.6 NUMAマルチプロセッサにおけるメモリ管理
4.6.1 概論
4.6.2 キャッシュ,DSMおよびNUMAとの相違
4.6.3 検討課題
4.6.4 ソフトウェア技術
4.6.5 実現例
5. 並列ファイルシステム
5.1 概論
5.1.1 分散ファイルシステムとの相違
5.1.2 検討課題
5.1.3 ファイルアクセスパターン特性
5.1.4 ディスクシステムの構成
5.1.5 ファイルシステムのインタフェース
5.2 高速化技法
5.2.1 キャッシング技法
5.2.2 マルチスレッド化のためのデータ構造
5.2.3 ディスクアクセスの高速化
参考文献
索引