ディジタル回路演習ノート

ディジタル回路演習ノート

本書は,大学課程半期でディジタル回路の本質を効率よく習熟するために書かれている。組合せ回路から順序回路までの重要事項について,多数の例題とその明瞭な解説を通してディジタル回路に精通でき,入門書として最適である。

ジャンル
発行年月日
2001/10/05
判型
A5
ページ数
180ページ
ISBN
978-4-339-00735-0
ディジタル回路演習ノート
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定価

2,530(本体2,300円+税)

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本書は,大学課程半期でディジタル回路の本質を効率よく習熟するために書かれている。組合せ回路から順序回路までの重要事項について,多数の例題とその明瞭な解説を通してディジタル回路に精通でき,入門書として最適である。

昨今のディジタル技術の進歩は著しい。民生機器や通信分野をはじめとする劇的な発展は,ディジタル技術の進歩なしには考えられない。ディジタル技術の著しい発展は,20世紀を代表する文化にまで成長したといえる。ディジタル技術を支える大きな柱としてディジタル回路設計技術とその集積化技術が挙げられる。電気製品の小形化と高性能化はひとえに半導体集積回路技術の進歩によるものと言っても過言ではない。トランジスタが発明されてからわずか数十年の間に,IC(integrated circuit),LSI(Large scale integrated circuit)の時代を経てVLSI(very large scale integrated circuit),ULSI(ultra large scale integrated circuit)と呼ばれる時代になった。また,IC時代における少品種多量生産からASIC(application specific integrated circuit)時代の多品種少量生産へと形態が変遷してきた。その間,設計回路の大規模化に伴ぃ,設計の効率化が焦点となり,CAD(computer-aided design)やEDA(electrical design automation)分野が著しく発展し,最近では,HDL(hardware description language)や論理合成の重要さが叫ばれている。すでに,時代は,1チップ上に大規模なシステムを組み込むSoC(system on chip)時代に突入している。

一方,大学での講義用を含め,ディジタル論理回路に関する多くの書籍が出版されてきている。また,ディジタル回路をはじめて学習する工学部専門課程の学生に対応したよい入門書がたくさん書かれているのも事実である。事実,私自身もコロナ社出版の教材を使用しながら,10年間以上にわたりディジタル回路の講義を行ってきた。

そこで,例題を詳細に解説することに軍点を置いた大学課程に適した入門書が書けないだろうかという観点からこのテキストを執筆することにした。本テキストでは,演習ノートと題しているように,ディジタル論理回路の例題を多数示し,その解説を通して論理回路の解析と設計(合成)の本質を理解してもらうことを目的としている。本書では,解説項目として,デバイスや論理回路の中身であるトランジスタレベルの内容については,その詳細を控え,論理に焦点を絞って述べている。これは,国内の多くの大学課程における半期十数コマという限られた時間内で,ディジタル回路の基本を繰返し学習することで確実に習熟してほしいという願いからである。また,近年のこの分野における技術革新は日進月歩である一方で,その基本的概念は一貫されており,かつ,大学学部課程等での入門者に対しては,できる限り普遍的な事項を学んでもらいたいという立場から内容を構成している。

数多く出版されているディジタル回路に関するテキストの演習書としての使用はもちろんのこと,本書単独でのディジタル回路の学習書としての使用に耐えるよう考慮している。学生諸君のお役に立てば幸いである。

最後に,本テキストを執筆する機会を与えてくださったコロナ社に深謝する。

2001年8月
浅井秀樹

1.2進数
 1.1 2進データ
 1.2 2進数,16進数による表現
 1.3 2進演算
  1.3.1 2進数の加算
  1.3.2 2の補数
  1.3.3 2の補数を用いた減算
  1.3.4 1の補数と減算
  1.3.5 その他の2進演算

2.論理演算とブール代数
 2.1 論理関数
 2.2 ブール代数
 2.3 真理値表
 2.4 ゲート回路と回路記号
 2.5 加法標準形と乗法標準形
 2.6 カルノー図とブール代数の簡単化
  2.6.1 2変数と3変数に対するカルノー図
  2.6.2 4変数に対するカルノー図
  2.6.3 5変数に対するカルノー図
 2.7 ゲート回路の構造
  2.7.1 トランジスタ
  2.7.2 MOSトランジスタによるインバータの構成
  2.7.3 CMOSインバータ回路
  2.7.4 CMOS構成によるゲート回路
  2.7.5 CMOS構成による論理回路

3.組合せ回路
 3.1 デコーダ
 3.2 マルチプレクサとデマルチプレクサ
 3.3 算術演算回路

4.ラッチとフリップフロップ
 4.1 非同期式ラッチ回路の動作
 4.2 同期式ラッチ回路の動作
 4.3 同期式ラッチの設計
 4.4 フリップフロップの構成
  4.4.1 マスタスレーブ型フリップフロップ
  4.4.2 エッジトリガ型フリップフロップ
 4.5 フリップフロップの種類
 4.6 フリップフロップの相互変換

5.順序回路の動作(解析)
 5.1 カウンタ
 5.2 シフトレジスタ
 5.3 リングカウンタ
 5.4 ジョンソンカウンタ

6.順序回路の設計(合成)
 6.1 カウンタの設計
 6.2 シフトレジスタの設計
 6.3 リングカウンタの設計
 6.4 ジョンソンカウンタの設計
 6.5 その他の設計例

7.記憶回路
 7.1 リードオンリーメモリ
 7.2 ランダムアクセスメモリ

8.総合演習

索引

浅井 秀樹(アサイ ヒデキ)