電子情報通信学会 大学シリーズ D-3
電子物性
電子物性の基礎理論と思われているエネルギー帯理論は,固体の化学結合,表面状態および非晶質物質の電子状態との対比と関連によって深い理解が可能である。本書はこの点に力点を置き物理的直観に基づき理解させる。
- 発行年月日
- 1980/08/10
- 判型
- A5 上製
- ページ数
- 180ページ
- ISBN
- 978-4-339-00019-1
- 内容紹介
- 目次
電子物性の基礎理論と思われているエネルギー帯理論は,固体の化学結合,表面状態および非晶質物質の電子状態との対比と関連によって深い理解が可能である。本書はこの点に力点を置き物理的直観に基づき理解させる。
1. 電子物性の基礎
1.1 量子力学のまとめ
1.1.1 エネルギー固有値
1.1.2 遷移確率
1.2 原子の電子状態と原子間の結合
1.2.1 水素原子および原子中の電子状態
1.2.2 原子間の結合
1.3 固体における結合
1.3.1 完全結晶
1.3.2 共有結合と半導体
1.3.3 金属結合
1.3.4 水素原子による一次元固体(金属)とエネルギー帯
1.3.5 イオン結晶のエネルギー帯
1.3.6 半導体のエネルギー帯
演習問題
2. 完全結晶の電子状態
2.1 完全結晶
2.2 ブロッホの定理
2.3 強く束縛された電子からの近似
2.4 半導体の化学結合と価電子帯
2.5 自由電子近似
2.6 半導体のバンド構造
2.7 サイクロトロン共鳴
2.8 結晶表面の電子状態
演習問題
3. 不完全結晶の電子状態
3.1 結晶の不完全性
3.2 ドナーおよびアクセプタ
3.3 ドナーおよびアクセプタの水素原子モデル
3.3.1 水素原子モデル
3.3.2 有効質量方程式
3.3.3 有効質量方程式のSiのドナーへの適用
3.3.4 アクセプタ準位と深い不純物準位
3.4 励起子
演習問題
4. 半導体と金属の電気的性質
4.1 半導体中の電子と正孔の熱分布
4.1.1 状態密度
4.1.2 フェルミ分布
4.1.3 電子と正孔の分布
4.2 半導体の電気伝導現象
4.2.1 古典電子集団の伝導現象
4.2.2 電界および磁界における結晶中の電子および正孔の運動
4.2.3 移動度,ホール係数および磁気抵抗
4.2.4 GeおよぴInSbの移動度の温度変化
4.3 金属の導電率
4.4 ボルツマンの輸送方程式
4.4.1 ボルツマン方程式
4.4.2 弾性散乱の場合の緩和時間
4.4.3 統計平均値〈τm〉などの計算式の導出
4.4.4 アインシュタインの関係
4.5 格子振動
4.5.1 一次元単原子結晶の格子振動
4.5.2 三次元結晶の格子振動の基準座標
4.5.3 単振動の量子化
4.5.4 三次元結晶の基準振動の量子化
4.6 キャリヤの散乱機構
4.6.1 イオン化した不純物による散乱
4.6.2 音響型格子振動による散乱
4.7 高電界現象
4.7.1 熱い電子
4.7.2 電子の飽和速度
4.8 強磁界中の導電率
4.9 不純物伝導
4.9.1 不純物準位の非局在化
4.9.2 不純物伝導
4.10 非晶質半導体の電子状態
4.10.1 移動度端と最小金属導電率
4.10.2 局在状態
4.10.3 ホッピング導電率
4.10.4 不純物伝導における活性化エネルギーεzと二次元系の最小金属導電率
演習問題
5. 固体の熱的性質と熱電効果
5.1 格子比熱
5.2 熱伝導率
5.3 熱電効果
演習問題
6. 超伝導
6.1 完全反磁性と永久電流
6.2 エネルギーギャップと磁気的性質
6.2.1 超伝導体の基本量
6.2.2 第一種超伝導体と第二種超伝導体
6.2.3 第二種超伝導体
6.3 磁束量子化とジョセフソン効果
6.3.1 ボーズ粒子としての電子対
6.3.2 SQUID
演習問題
文献
演習問題解答
索引