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責任ある人工知能ロボット - 倫理・法・社会的観点から考える未来 -

シリーズ システム・制御のニューフロンティア D-2

責任ある人工知能ロボット - 倫理・法・社会的観点から考える未来 -

AIに対する倫理的・社会的課題への対応が急務となる中,AI倫理原則と社会実装の間には大きな隔たりがある。本書では人を幸せにするAI社会を造るため,AIロボット開発における倫理的・法的・社会的課題についてアプローチ。

発行年月日
2026/06/30
定価
3,630(本体3,300円+税)
ISBN
978-4-339-03405-9
在庫あり

レビュー,書籍紹介・書評掲載情報

読者モニターレビュー【 N/M 様 (業界・専門分野:総合情報学[情報科学])】

掲載日:2026/06/25

本書は「シリーズ システム・制御のニューフロンティア」のカテゴリーD(人間社会におけるシステム・制御)の2巻目に位置する書籍である.本巻では,人工知能ロボットの技術的な内容をさまざまな理論や数式を用いた数学モデルを扱うのではなく,近い将来,人工知能ロボットを人間社会に導入する際に関わりが出てくるであろう倫理や法など社会的観点からの解説がなされている.

1章では,人間の暮らしとスマートロボットとの関係性について述べられている.ただ,私自身の読解力の問題もあり大変恐縮だが,図や表,箇条書きによる整理がなく,何ページにもわたって文章が延々と続くため,冗長で論点がやや掴みにくかった,というのが正直な感想である.まるで学生時代の現代文の評論文を読んでいるかのような錯覚さえ覚えた.

まえがきの執筆分担や巻末を拝見すると,著者の方々は理系ではなく文系寄りのようで,急に登場するカタカナ用語や海外の思想家や学者が随所に記述されていることと,一部のページの脚注が全体の3分の2くらいもあり,所謂,文系のお作法(分かっていることは全部,詳細に文献をあげて書く)みたいなものが,残念ながら私には合わなかったようだ.

4章では,スマートロボットであるAIRECが将来,人間社会に浸透していく際に必要な法的な問題についての考察がなされている.

具体的には,AIRECのようなスマートロボットが広く国内・海外問わず流通し,利活用されていく際を想定したケーススタディを,主に日本のAI法と欧州AI法(AI Act)に当てはめて,さまざまな観点から考えうる法的な問題点の検討がなされている.

単にスマートロボットを導入すると便利だといっても,2章や3章にある倫理や規制・ガバナンス,そして,4章にある法的な問題,まえがきや6章にある「ヒューマン・ファースト・イノベーション」などといった,現実的な問題,法整備など解決しないといけないことや,考慮するべき課題がまだまだ山積みであるという認識が少しでも得られたことが本書を読んでの大きな収穫である.

読者モニターレビュー【 namamugi 様 (業界・専門分野:電気電子工学)】

掲載日:2026/06/24

【具体例を用いた実践的な内容で分かりやすい一冊】
工学を学ぶ学生として、AIを利用したものづくりにおいて、どのような点に気をつけるべきか、ということが知りたくて読み始めました。倫理学の本と聞くと抽象的で分かりにくい、浮世離れしたイメージを抱くかもしれませんが、本書は具体的な法令やケーススタディを用いた、非常に実践的な内容となっています。この本の読者層としては大学院生も想定されているようで、確かに高度な部分も多いのですが、決して理解できない訳ではなく、むしろ具体例を交えてかなり分かりやすく書いてくれているように感じました。
特に面白かったのが4章で、スマートロボット「AIREC」を元に、起こりうる事例を(1)物理的リスク、(2)心理的リスク、(3)プライバシーとセキュリティのリスク、(4)環境リスクの4つの視点から分析していきます。実際の日本の法律を挙げながら、具体的な数値・データを元に、スマートロボットの製造においてどのような点に留意すべきかということを紐解いていくのは、非常に実践的で参考になりました。
これからの時代、AI技術が進歩していくなかで、工学やものづくりに携わる人がそれらに関わらずにいることはほとんど不可能だと思います。一度、本書のような本で工学の倫理について考えておくことは、ある種の責任ともいえるのではないでしょうか。