レビュー,書籍紹介・書評掲載情報
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電力系統のシステム制御工学 - システム数理とMATLABシミュレーション -
ネットワークシステムの解析と制御の観点から,多数の発電機,負荷,送電網等から構成される電力系統のモデリング,数値シミュレーション,制御系設計,数理解析の要点を解説する。MATLABシミュレーションのプログラムを掲載。
- 発行年月日
- 2022/12/02
- 定価
- 4,620円(本体4,200円+税)
- ISBN
- 978-4-339-03384-7
レビュー,書籍紹介・書評掲載情報
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読者モニターレビュー【 テル 様(ご専門:電力系統、パワーエレクトロニクス )】
掲載日:2022/12/29
電力系統のシステム制御工学という名であるが,電力系統に関する内容(パワーエレクトロニクスや電力工学)についてはあまり詳しく書かれおらず,電力系統の基礎的な内容を理解したいのなら他の本を読んだ方がよいと感じた。
一方で数理モデルや系統の制御については大学学部レベルの範囲を超える内容も扱っており,かなり詳細に議論されていると感じた。学部レベルの制御工学や線形代数の知識がないと読み進めるのは難しいと思われる。また,本書で扱われているMATLABのコードはGitHubで公開されており,実装しながら内容を理解できる点は非常に良いと感じた。
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読者モニターレビュー【 しろのわ~る 様(ご専門:電力システム工学 )】
掲載日:2022/11/24
電力系統の解析・制御をシステム制御工学の視点から再定義したこれまでにありそうでなかった書籍です。
制御工学を専門にしている院生・研究者が電力系統の発電機制御をユースケースとした制御器設計に取り組む際に必読となる書籍だと思います。また,電力系統工学を専門としてきた院生・研究者にとっても,電力系統の過渡応答に関するシミュレータを構築する際,参考にできる書籍として大いに活躍することでしょう。
この書籍の内容を理解するためには,学部程度の制御工学(古典制御・現代制御)に関する知識は必須です。基本的な電気回路に関する知識は第1章に触れられているもので十分だと思います。
また本書では電力系統の制御を扱っていますが,動的モデルで表現する安定性(定態・過渡・周波数)を対象としており,経済負荷配分や発電機起動停止問題のような最適化に基づくスキームは取り扱われていない点に一応の注意が必要です。
本書で取り扱われている解析・制御手法にはサンプルコードがついており,それに加えて筆者らの開発したMATLABベースのコードをダウンロードして試すこともできます。MATLABで書かれたプログラムではありますが,toolboxの使用は最低限に抑えられており,プログラムのフローを読めばPythonなどの他言語でも実装可能です。
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読者モニターレビュー【 中村 勇太 様 名古屋工業大学大学院工学研究科 助教(ご専門:電力システム、数理最適化 )】
掲載日:2022/11/24
本書における式展開や解析例は,システム制御工学を専攻としている技術者を対象としていることもあり,電力システム分野専攻の技術者が執筆したものとは表現や視点が異なると思われる部分も多くあった。そのため,システム制御工学専攻者だけでなく,電力システム分野を専攻している技術者にもぜひ読んでもらいたい。
また,IEEE68母線モデルをはじめMATLABによるシミュレーション例も公開・掲載されており,さらに著者らのホームページにてMATLABのプログラムに関するマニュアルや解析についても詳述されている。MATLABを用いた電力システムのシミュレーション例やサンプルはいくつかあるが,日本語かつ詳細に掲載されているものは少なく,電力システムとプログラミングを両方学べるという意味では大変貴重な一冊になるのではないか。
システム制御工学分野と電力システム分野の両者について,基礎的な知識が無いと内容を進めていくのが難しい部分が多いと感じたが,専門知識もプログラミングも十分学べるという理由で,特に関連する研究室に配属された学部高学年生や大学院生にもお薦めできる一冊である。
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MathWorks「MATLAB/Simulink 関連書籍」電力系統のシステム制御工学:システム数理とMATLABシミュレーション
掲載日:2022/11/11
MathWorks 様にプロモーション用ページを制作いただきました。