レビュー,書籍紹介・書評掲載情報

電磁波による生体内イメージング - 原理からMATLABを用いた数値解析まで -

電磁波による生体内イメージング - 原理からMATLABを用いた数値解析まで -

  • 桑原 義彦 静岡大名誉教授・愛知医科大客員教授

本書では,ミリ波・マイクロ波イメージング技術のシステムを構築するために必要な知識・技術を系統的に解説している。また読者の理解を促すため,画像再構成を行うためのMATLABのプログラムコードを解説,掲載し配布している。

発行年月日
2022/03/08
定価
4,070(本体3,700円+税)
ISBN
978-4-339-00981-1
在庫あり

レビュー,書籍紹介・書評掲載情報

「電子情報通信学会誌」105巻,12号,2022/12/1,1481頁,copyright(c)2023 IEICE

「電子情報通信学会誌」105巻,12号,2022/12/1,1481頁,copyright(c)2023 IEICE

掲載日:2023/01/16

読者モニターレビュー【 m 様(ご専門:IT)】

掲載日:2022/03/22

本書の電磁波による生体内イメージングは、乳がんを主に扱っている。
マイクロ波・ミリ波による生体内イメージングを行うには、生体の電気的性質や電波伝搬、センサ、測定、画像再構成など、幅広い知識が必要となり、ハードルが高い。
筆者は、このハードルを下げる為、長年の研究で蓄積したMATLABのプログラムやカラー図表を公開している。本書の中でも、図表(モノクロ)やプログラム例や計算式を多用し、理解しやすさに配慮して説明している。
電磁界解析では、MATLABとのやり取りや制御の容易さからシミュレータにエーイーティ(日本)のCST STudio Suiteを使用。その他の代表的シミュレータとの比較もある。
研究結果から見えた課題や限界にも触れている。

本書は、電磁波による生体イメージングに必要な基礎技術や工程を横断的に学べ、そこで使うプログラムや計算式なども掘り下げて理解を深められる点が、他に無い魅力だと思う。
プログラムや計算式は初学者には難しいが、避けて通れない道であり、答えだけでなく、過程の解説がある点も本当に有難い。
課題についても考えるきっかけになると思う。

読者モニターレビュー【アールエフ 様(ご専門:高周波回路設計)】

掲載日:2022/03/03

本書で取り扱う生体内部(特に乳癌)の電磁波イメージングには、電波伝搬・測定アンテナなどマイクロ波・ミリ波工学のハードウェアと、信号処理などのソフトウェアの技能をともに必要とし、筆者の述べるように、どちらかを専門とすることの多い、本領域の初学者にとってハードルが高い。しかし、筆者による長年にわたる研究成果をベースとした、各種Matlabプログラムやカラー図面の提供、本書中でのプログラム例の詳細な解説がなされており、初学者にとっても大変理解しやすく配慮されている。上記プログラム例には、人体や乳癌などを再現する電磁界解析モデル(本書ではMatlabとの親和性や導入コストなどを理由とし、CST Studio Suiteを選定している)との練成解析を含み、ハードウェア技術者、ソフトウェア技術者の両者においても、本領域の理解に大いに寄与するものと思う。

また筆者の研究成果を羅列、解説するだけでなく、それらをベースとし、現時点での限界なども正直に述べられている。実用化に向けた研究開発に向けて、それらを踏まえ、本書で紹介された各種イメージング方式の更なる探求、あるいは新規方式の着想を目指すうえで、本書による基礎固めが大変有益であると感じた。

一方で、本書のイメージングで用いた各種広帯域アンテナに関しては、利用したアンテナの言及に留められており、選定の指針など、本領域の更なる理解のため、今後の本書のベースとなったという電子情報通信学会アンテナ・伝搬研究専門委員会でのセミナーや、本書の続編などを期待したい。

MathWorks「MATLAB/Simulink 関連書籍」電磁波による生体内イメージング

掲載日:2022/02/18

MathWorks 様にプロモーション用ページを制作いただきました。