認知変数連結論 - 認知心理学を見つめ直す -

認知変数連結論 - 認知心理学を見つめ直す -

今まで独立して扱われてきた「認知変数」を理論的に検討し,連結作業を試みたはじめての書。「認知変数」という語を通常の概念枠を超え「認知的構成概念」や「認知的事象」まで包含し広義かつ緩い表現として用いるなど工夫している。

ジャンル
発行年月日
2007/11/02
判型
B6 上製
ページ数
294ページ
ISBN
978-4-339-07787-2
認知変数連結論 - 認知心理学を見つめ直す -
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定価

2,860(本体2,600円+税)

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今まで独立して扱われてきた「認知変数」を理論的に検討し,連結作業を試みたはじめての書。「認知変数」という語を通常の概念枠を超え「認知的構成概念」や「認知的事象」まで包含し広義かつ緩い表現として用いるなど工夫している。

第1章 認知心理学的変数の「設定」と「連結」
 1 認知心理学の特徴
 2 認知心理学と伝統的心理学
 3 認知心理学と方法論
 4 認知心理学における変数設定
 5 認知変数の「設定」から「連結」へ

第2章 心理学的諸理論を連結する「ルート・メタファー」
 1 メタファーと世界仮説
 2 Pepperの世界仮説
   フォーミズム/機械論/有機体論/文脈主義
 3 AltmanとRogoffの世界仮説
   特性/相互作用/有機体的/トランスアクション

第3章 認知心理学を覆う「メタフォリカル」な発想傾向
 1 認知心理学とメタファー
 2 メタファーとは
 3 認知的概念とメタファー
   ワーキングメモリ/注意/記憶

第4章 「スキーマ」概念に媒介された「エラー発生の認知モデル」と「認知療法のICS理論」との連結性
 1 エラーの認知心理学的分類
   Normanの分類/Reasonの分類
 2 エラー発生の認知心理学的モデル 46
   Normanのモデル/Reasonのモデル
 3 「認知療法」における「ICS理論」
   「認知療法」とは/「ICS理論」とは
 4 「エラーモデル」と「ICSモデル」との連結性

第5章 「二重符号化理論」と「二重処理理論」と「ワーキングメモリ理論」と「処理資源理論」との連結性
 1 「二重符号化理論」とはなにか
   二つのサブシステムの存在を考える/二つのサブシステムによる三種類の情報処理/「二重符号化理論」の諸特徴
 2 「二重処理理論」とはなにか
 3 「二重処理理論」と「ワーキングメモリ理論」との連結
 4 「ワーキングメモリ理論」と「処理資源理論」との連結

第6章 「注意の瞬き現象(AB現象)」と「ワーキングメモリ」と「処理資源」との連結性
 1 注意の瞬き現象とはなにか
 2 AB現象の典型的説明モデル
   注意のゲート・モデル/類似性理論/注意滞留モデル/二段階モデル/中枢干渉理論
 3 記憶理論とAB現象
 4 AB現象とワーキングメモリ
 5 資源理論とAB現象
   処理資源/単一資源理論/多重資源理論/AB現象に関与する資源はなにか

第7章 「ワーキングメモリ」と「長期記憶」の連結性
 1 ワーキングメモリに関するバッドレイ・モデル
 2 「視・空間スケッチパッド」と長期記憶
 3 読書による物語理解とワーキングメモリ
 4 「視・空間スケッチパッド」における情報圧縮の仕掛け
 5 検索手がかりと「長期ワーキングメモリ」
 6 ワーキングメモリと長期記憶との連結における「中央実行系」の役割
 7 ワーキングメモリと長期記憶との連結における「エピソード・バッファ」の役割

第8章 「ストループ効果」と「ワーキングメモリ」と「処理資源」との連結性
 1 ストループ効果とはなにか
 2 ストループ効果のこれまでの説明理論
   知覚的コード化説/反応競合説/自動的処理説
 3 ストループ効果の最近の説明理論
 4 ストループ効果とワーキングメモリと処理資源

第9章 「プライミング効果」と「ストループ効果」の連結性
 1 「プライミング効果」とはなにか
 2 「負のプライミング効果」とはなにか
 3 「ストループ効果」とはなにか
 4 ストループ効果に見られる特色
 5 負のプライミング効果に見られる特色
 6 ストループ効果と負のプライミング効果の共通性
 7 プライミング効果における「速さ」と「正確さ」の要因

第10章 「展望的記憶」と「ワーキングメモリ」の連結性
 1 「展望的記憶」とはなんだろうか
 2 展望的記憶とワーキングメモリの類似性
 3 展望的記憶と時間軸との関係
 4 展望的記憶に関する理論モデル
 5 「『展望的記憶』における制御的プロセス」と「『ワーキングメモリ』におけるバッドレイ・モデル」との連結
 6 展望的記憶の分類
 7 展望的記憶の実験室的研究事態

第11章 「展望的記憶」と「回想的記憶」の連結性
 1 展望的記憶は普通の記憶とどこが違う?
 2 展望的記憶と回想的記憶との関係性
 3 臨床的研究による両記憶の関係
 4 両記憶と加齢効果
 5 別個になされた両記憶研究間の相関
 6 「二重反応デザイン」による両記憶研究

第12章 「展望的記憶」と「処理資源」の連結性
 1 「準備的注意プロセス」と資源
 2 「準備的注意プロセス」と加齢効果
 3 展望的記憶と二重課題事態
 4 展望的記憶課題と現在進行中の課題における課題間の性質
 5 展望的記憶と「多重資源理論」

第13章 「リアリティ・モニタリング」と「メタ認知」、「内的記憶」、「外的記憶」、「展望的記憶」、「回想的記憶」、「夢の記憶」、「自伝的記憶」との連結性
 1 「リアリティ・モニタリング」とはなにか
 2 リアリティ・モニタリングのモデル
 3 リアリティ・モニタリングと「認知的操作」
 4 リアリティ・モニタリングと「夢の記憶」の連結性
 5 リアリティ・モニタリングと「自伝的記憶」の連結性
 6 リアリティ・モニタリングは「メタ認知」、「内的記憶」、「外的記憶」、「展望的記憶」、「回想的記憶」、「夢の記憶」、「自伝的記憶」との連結子の役割を果たす
 7 リアリティ・モニタリングと「目撃証言」の連結性

第14章 「素朴概念」と「心の理論」および「メタ認知」との連結性
 1 「素朴概念」とはなにか
 2 「素朴概念」としての「素朴物理学」
 3 「素朴概念」としての「素朴生物学」
 4 「素朴概念」と「心の理論」の連結性
 5 「素朴概念」と「メタ認知」との連結性

第15章 「脳事象関連電位」と「順応水準」の連結性
 1 「脳事象関連電位」とは
 2 P300と「順応水準」
 3 「脳事象関連電位」におけるP300
 4 Helsonの「順応水準理論」
 5 「順応水準」の測定と「脳事象関連電位」の測定
 6 刺激連続体の属性と「順応水準」

第16章 「認知系」と「パフォーマンス系」(「動作系」)の連結
 1 パフォーマンス研究
   キネシオロジカル・サイコロジーとは/キネシオロジカル・サイコロジーの諸領域/「近代」のキネシオロジカル・サイコロジー
 2 「認知」と「パフォーマンス」の連結─認知とパフォーマンスは二分法的存在物ではない─
 3 今後のキネシオロジカル・サイコロジーは「認知系」と「パフォーマンス系」の連結性を増す
 4 新しい「情報処理能力」を育てるトレーニング・メニューには「動作系」をかませたほうが良い

第17章 「日常性の心理学」と「実験室の心理学」の連結性
 1 「日常性の心理学」を特徴づける三つの視点
   「科学のメタファー論」的視点/「認知心理学」的視点/「総合学」的視点
 2 「実験」と「日常性」の関係に見られる連続的性質
   実験の中で日常性を目指す/日常性の中で実験を目指す/事後的事象の中に実験と同値の構造を見いだす/「日常性の心理学」と「実験(室)心理学」の連繋

第18章 「社会的構成主義の心理学」と「エスノメソドロジーの心理学」と
「伝統的心理学」との連結性
 1 社会的構成主義の心理学
   「社会的構成主義」の一般的特徴/「社会的構成主義」と「教授・学習」/「社会的構成主義」と“narrative therapy”/心理学と「社会的構成主義」
 2 エスノメソドロジーの心理学

第19章 「認知変数(認知的構成概念)間の連結性」を研究するためのマクロアプローチとミクロアプローチ

引用・参考文献
欧文索引
事項索引
人名索引

中島 義明(ナカジマ ヨシアキ)