ME教科書シリーズ C-1
生体リズムの動的モデルとその解析 - MEと非線形力学系 -
生体のリズム現象をマクロな立場から適切な数式モデルを作って解析し,現象のある側面を説明しようと試みた。読者が自ら身近なリズム現象のモデルを作って解析し,リズム生成のメカニズムを解明できるよう具体例を示した。
- 発行年月日
- 2001/03/16
- 判型
- B5
- ページ数
- 170ページ
- ISBN
- 978-4-339-07151-1
- 内容紹介
- 目次
- レビュー
生体のリズム現象をマクロな立場から適切な数式モデルを作って解析し,現象のある側面を説明しようと試みた。読者が自ら身近なリズム現象のモデルを作って解析し,リズム生成のメカニズムを解明できるよう具体例を示した。
1.動的モデルとリズム現象
1.1 はじめに
1.2 動的モデルを作る
1.2.1 モデルとシステムの状態
1.2.2 状態方程式
1.2.3 類推:アナロジー
1.3 リズムをみる
1.3.1 システムの性質:非線形性と散逸性
1.3.2 アトラクタの例
1.3.3 パラメータの役割
1.4 非線形現象
1.4.1 アトラクタの共存と非線形共振
1.4.2 自励振動と同期化現象
1.4.3 周期倍分岐,パラメータ励振そしてカオス
1.5 まとめ
2.力学系の平衡点と周期リズム解析
2.1 はじめに
2.2 動的モデルと状態空間
2.2.1 状態の発展法則としてのベクトル場
2.2.2 状態の発展過程とアトラクタ
2.3 定常状態とその安定性
2.3.1 平衡状態
2.3.2 安定性と線形化モデル
2.4 周期リズムとその位相的性質
2.4.1 リミットサイクル
2.4.2 ストロボでみるリズム:離散時間モデル
2.4.3 リズムの位相幾何学的性質
2.5 まとめ
3.リズムの変容:分岐現象
3.1 はじめに
3.2 パラメータの重要性
3.2.1 パラメータは状態の性質を変える:分岐とは
3.2.2 アトラクタの引力圏
3.3 リズムの発生と枝分かれ
3.3.1 平衡状態の一般的な分岐
3.3.2 リズムの分岐
3.4 分岐現象あれこれ
3.4.1 大域的な分岐
3.4.2 周期的リズムからカオス的リズムに至る道
3.5 まとめ
4.リズムの同期・リズムの制御
4.1 はじめに
4.2 同期とは
4.2.1 自励振動子の結合とリズムの同期
4.2.2 さまざまな同期
4.3 外部リズムとの同期・非同期
4.3.1 振動子の正弦波応答:引込み現象
4.3.2 共振現象とパラメータ励振
4.4 リズムの相互同期
4.4.1 振動子を結合する
4.4.2 さまざまな相互同期
4.5 まとめ
5.心臓不整脈とその制御の力学系モデル
5.1 はじめに
5.2 房室伝導ブロック
5.3 強制振動子系としての心臓
5.4 副調律
5.5 リエントリー性頻拍とその制御
5.6 まとめ
6.睡眠覚醒リズムの結合発振器モデル
6.1 はじめに
6.2 モデルの記述
6.2.1 結合発振器回路
6.2.2 平均化方程式
6.3 サーカディアンリズムの分岐
6.3.1 完全同期リズムの分岐と各種リズムの再現
6.3.2 内的外的脱同調リズムの発生メカニズム
6.4 ほぼ同期/非同期リズムの遷移
6.5 時差ぼけの力学的メカニズム
6.6 インフラディアンリズムの分岐
6.7 まとめ
7.興奮性膜の動的モデル
7.1 はじめに
7.2 興奮性膜モデルのいろいろ
7.2.1 ヤリイカ神経軸索のHodgkin‐Huxleyモデル
7.2.2 その他の興奮性膜モデル
7.3 HH式のダイナミクス
7.3.1 ゲート変数のダイナミクス
7.3.2 HH式の閾値性
7.3.3 プラトー電位
7.3.4 膜の動的な電圧‐電流特性
7.3.5 HH式の縮約:FitzHugh,Rinzelの方法
7.3.6 HH式の直流電流変換特性:分岐現象
7.4 複数の時間スケールが生成する多様な振動現象
7.4.1 時定数の変更されたHH式
7.4.2 Kチャネルの活性化変数nが非常に遅い場合:slow‐fast解析
7.4.3 Naチャネルの不活性化変数hが非常に遅い場合
7.5 筋肉のHodgkin‐Huxley方程式:HHM式
7.5.1 筋肉のイオンチャネル疾患
7.5.2 筋肉のHodgkin‐Huxley方程式:HHM式
7.5.3 HHM式とHH式の違い
7.5.4 glをパラメータとした1パラメータ分岐
7.5.5 Vm×gl平面の標準値の近傍の分岐と振る舞い
7.5.6 Vm×gl平面の広いパラメータ範囲での分岐:平衡点の個数
7.5.7 本筋のまとめ
7.6 まとめ
引用・参考文献
索引