ポリマーバイオマテリアル - 先端医療のための分子設計 -

バイオマテリアルシリーズ 2

ポリマーバイオマテリアル - 先端医療のための分子設計 -

本書は,新たなポリマーバイオマテリアルを中心に医療機能性を考え,その分子設計概念について解説した。バイオマテリアルの研究は工学のみならず,医学・薬学の連携も必要であり,本書ではこの開発過程について実例を挙げ記述した。

ジャンル
発行年月日
2009/06/12
判型
A5
ページ数
154ページ
ISBN
978-4-339-07095-8
ポリマーバイオマテリアル - 先端医療のための分子設計 -
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定価

2,640(本体2,400円+税)

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本書は,新たなポリマーバイオマテリアルを中心に医療機能性を考え,その分子設計概念について解説した。バイオマテリアルの研究は工学のみならず,医学・薬学の連携も必要であり,本書ではこの開発過程について実例を挙げ記述した。

1. 序説
1.1 現在の医療に欠かせないポリマーについて 
1.2 ポリマーとバイオマテリアルとの違い 
1.3 マテリアル設計の重要性とポリマー分子制御の基礎 

2. ポリマー生成の化学反応
2.1 付加重合 
2.1.1 ラジカル重合 
2.1.2 イオン重合 
2.1.3 リビング重合 
2.2 重縮合 
2.3 重付加 
2.4 開環重合 
2.5 分子構造の制御法 
2.5.1 共重合による官能基の導入 
2.5.2 モノマーユニットの配列制御 
2.5.3 立体構造の制御 
2.6 バイオ分子との複合化 

3. ポリマーバイオマテリアルの生体親和性
3.1 生体環境と接触する界面の重要性 
3.2 タンパク質の吸着にかかわる要因 
3.2.1 表面自由エネルギー 
3.2.2 界面動電位 
3.2.3 吸着様式 
3.2.4 タンパク質吸着の測定法 
3.3 細胞の応答 
3.4 マテリアルが生体から受ける影響 

4. 接着の概念を変えた生体組織内でのポリマーの合成
4.1 生体組織との接着 
4.2 エナメル質への接着 
4.2.1 歯表面への接着 
4.2.2 歯組織へのモノマーの拡散と重合に起因した接着機構 
4.3 象牙質への接着 
4.4 歯科用金属,セラミックスヘの接着 

5. ポリマーの相分離を利用した空間的機能発現    
5.1 ミクロ相分離構造の構築と生体親和性 
5.2 相分離構造を基盤とするポリマーミセルと高機能生理活性分子送達システム 
5.2.1 ポリマーミセルの基礎 
5.2.2 PEG‐疎水性ポリマーブロック共重合体からの自己組織体形成 
5.2.3 薬剤キャリヤーとしてのブロック共重合体ミセルの設計 
5.2.4 コアを機能化したポリマーミセル 
5.2.5 シェルに特異反応をするパイロット分子を結合させたポリマーミセル 
5.3 ポリイオンコンプレックスを基盤とした自己組織体形成 
5.3.1 ポリイオンコンプレックスミセルを構築するポリマーの分子設計 
5.3.2 遺伝子ベクターとしてのポリイオンコンプレックスミセル 

6. 人工細胞膜表面構造のポリマーバイオマテリアル
6.1 細胞膜表面構造の特殊性とマテリアル設計 
6.1.1 細胞膜の構造 
6.1.2 人工細胞膜の生体親和性 
6.1.3 人工細胞膜表面をもつポリマー 
6.1.4 人工細胞膜表面での生体反応制御 
6.2 人工細胞膜構造による自由水界面の創製 
6.3 水の構造制御と生体親和性の相関 
6.4 人工細胞膜表面をもつ医療用デバイス 

7. ポリマーの相転移現象による刺激応答性界面創製と細胞工学への展開   
7.1 刺激応答性ポリマーと界面特性制御 
7.2 温度応答性ポリマー界面での細胞接着の制御 
7.2.1 温度応答性ポリマーの機能 
7.2.2 細胞培養インテリジェントデバイスの創製 
7.2.3 細胞シートの二次元マニピュレーション 
7.2.4 細胞シートの臨床使用 

8. 動的機能を組み入れたバイオマテリアルとしての超分子
8.1 分子貫通型ロタキサン構造 
8.2 ポリロタキサンの機能 
8.2.1 ポリロタキサンと細胞・組織との多価相互作用 
8.2.2 超分子からなるハイドロゲル 
8.2.3 遺伝子ベクターとしての超分子 
8.2.4 細胞内での機能発現に寄与する超分子設計 

9. 体内で分解するポリマーバイオマテリアル
9.1 生体内分解吸収性ポリエステルの合成 
9.2 脂肪族ポリエステルの臨床応用 
9.2.1 吸収性縫合糸 
9.2.2 人工骨充てん材 
9.2.3 癒着防止材 
9.2.4 徐放性製剤 
9.3 新しい生分解性ポリマーの分子設計 
9.3.1 ポリエステルアミドによる生分解性の調節 
9.3.2 デプシペプチドポリマーの分子構造制御 
9.3.3 ポリリン酸エステル系生分解性ポリマーの構造と機能 

10. 新時代のポリマーバイオマテリアルとは
10.1 ナノテクノロジーとバイオテクノロジーの融合 
10.2 ナノバイオ領域のサイエンスからエンジニアリングへ 
10.3 ナノバイオエンジニアリングの展開 
10.4 ナノバイオの新研究領域 
10.4.1 バイオインタフェース工学 
10.4.2 ナノバイオプロセッシング工学 
10.4.3 バイオコンジュゲート工学 
10.4.4 ナノバイオマトリックス工学 

参考文献 
索引 

石原 一彦(イシハラ カズヒコ)