培養細胞による治療

培養細胞による治療

培養細胞の作られ方や,どのような治療に使われてきたかについて,著者が自身の経験も合わせて解説。

ジャンル
発行年月日
2017/12/18
判型
B6
ページ数
136ページ
ISBN
978-4-339-06755-2
培養細胞による治療
在庫あり

定価

1,650(本体1,500円+税)

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培養細胞がどのように作られ,これまでにどのような治療に使われてきたかなどについて,世界で最初に培養細胞を用いてヒト臨床を行った,いわば再生医療の父であるとともに,細胞生物学の父でもある著者が自身の経験もあわせて解説。

訳者まえがき
本書は二〇一五年、九〇歳で亡くなったハワード・グリーン先生が二〇一〇年に出版された著書(Therapy with Cultured Cells)の翻訳である。

本書をお読みいただければ明らかなように、グリーン先生は世界で最初に培養細胞を用いてヒト臨床を行った、いわば再生医療の父であるとともに、細胞生物学の父でもある。グリーン先生の基礎生命科学としての細胞生物学における貢献は大き過ぎて、枚挙に暇がないほどである。だが、本書では3T3細胞株の誕生の経緯について言及している。3T3細胞株は、分子生物学の実験で、もっとも多用されてきた細胞株であり、これを用いた上皮細胞のフィーダーレイヤー法は現在のES細胞、iPS細胞の標準的な培養法としても使われている。

このようにグリーン先生の現代生命科学における貢献には目をみはるものが多数あり、もう少し長生きできればノーベル賞受賞は間違いないと訳者は確信していたのだが、残念である。訳者は、グリーン先生の生前、ハーバード大学の先生のオフィスでの会見をはじめとして、何度かお会いしてじっくりお話する機会をもつことができたことを誇りにしているものである。先生は科学的洞察はもちろん、どのような話題においても的確なご意見を表明され、月並みな表現であるが、大変頭のよい方であるとの印象をもつとともに大変素晴らしいお人柄に敬服した。事実、本書にも記載があるように、グリーン先生の研究室での研究経験をもつ世界中の多数の研究者が、上皮細胞の基礎研究と再生医療を牽引しているのである。

訳者は、再生医療、上皮の細胞生物学に興味をおもちの日本の読者により読みやすい訳書を提供することは、日本の再生医療リテラシーの向上に役立つものと考え、翻訳の労をとった。本書は末尾に網羅的かつ膨大な引用文献のリストを有している。本文を楽しんで読んでいただくとともに、気になった箇所では引用文献に直接あたって、より深い理解を目指していただきたい。すべての読者が知的興奮とともに本訳書をエンジョイすることを期待する。
二〇一七年一二月 大和 雅之


まえがき
三〇年以上も前に、私の研究室で培養細胞を用いた人の治療が誕生してから、私は細胞治療の領域の研究一筋に取り組んできた。それ以来、細胞治療は人々の関心を集め、米国、フランス、イタリア、スウェーデン、オランダ、日本、韓国の研究者たちがこの領域の研究に参入してきた。産業からも細胞治療に参入するようになった。私は本書で、細胞培養の黎明期と、さまざまな疾患の治療に用いられたさまざまな種類の培養細胞について書こうと思う。非常に多数の患者が治療を受け、得られた結果は良好であった。

私はまた、胚性幹細胞に関する記述と、胚性幹細胞由来の体細胞を人の治療に用いる前に解決されなければならない諸問題についてもこの本に含めようと思う。

1. 細胞培養の黎明期
 外植片培養
 細胞培養への移行
 培養細胞の栄養要求性
 培養細胞の利用
2. ケラチノサイトの培養の始まり
3. 火傷の治療
 真皮の再生
 産業の役割
 哲学的省察
 培養の支持体としてのフィブリン
4. ケラチノサイトの幹細胞としての性質を定義する
 幹細胞決定因子としてのp63
5. 他人の培養表皮細胞による処置
6. 目の病気の処置
 目の治療におけるフィブリンの利用
7. 遺伝子治療
8. 培養軟骨細胞による治療
9. 胚性幹細胞による治療の将来性
 培養ヒト胚性幹細胞からケラチノサイトを作る間のマーカーの継承
 NOD細胞の起源
 生後のケラチノサイトとヒトES細胞由来のケラチノサイトの違い
 HPV16のE6E7遺伝子の導入の効果
最後の哲学的内省

参考文献
索引

Howard Green(ハワード グリーン)

掲載日:2020/05/08

「日本機械学会誌」2020年5月号広告

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