ナノイムノセラピー - 免疫を制御するナノメディシン -

ナノイムノセラピー - 免疫を制御するナノメディシン -

生命科学とナノテク・材料科学の融合領域であるナノメディシンとナノバイオマテリアルについて,主に生物学的観点から書かれた一冊。

ジャンル
発行年月日
2015/02/27
判型
A5
ページ数
220ページ
ISBN
978-4-339-06748-4
ナノイムノセラピー - 免疫を制御するナノメディシン -
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生命科学とナノテク・材料科学の融合領域であるナノメディシンとナノバイオマテリアルについて,主に生物学的観点から書かれた教科書である。必要に応じて,ナノメディシンの先端的な分野を取り上げた。

第1部 免疫システムの基礎
1. 免疫の生物学
1.1 病原体の感染に対する三つの防御システム
1.2 血液細胞の分類
1.3 適応免疫
1.3.1 適応免疫の概要
1.3.2 サイトカイン
1.3.3 抗原提示細胞による病原体の捕捉と抗原提示
1.3.4 Th0 細胞の分化
1.3.5 B 細胞の分化
1.3.6 Th1 細胞とTh2 細胞のバランス異常による疾患
1.3.7 花粉症のメカニズム
1.3.8 細胞傷害性T 細胞
1.4 自然免疫
1.4.1 上皮による防御
1.4.2 食細胞による防御
1.4.3 インターフェロンによる防御
1.4.4 病原体を認識するセンサー
1.4.5 TLR4 によるLPS の認識
1.4.6 TLR のMyD88 依存的シグナル伝達経路
1.4.7 TLR のTRIF 依存的シグナル伝達経路
1.4.8 細胞質のRNA 受容体
1.4.9 細胞質のDNA 受容体
1.4.10 インフラマソーム形成による炎症性サイトカインの誘導
1.4.11 NLR ファミリーによる病原体の認識
1.4.12 TLR の内在性リガンド
1.4.13 細胞質DNA 受容体の内在性リガンド

2. イムノセラピーの戦略
2.1 イムノセラピーとは
2.2 自然免疫の活性化
2.3 アジュバント
2.3.1 アジュバントとは
2.3.2 アラムの作用機序
2.3.3 アジュバント効果を有するTLR リガンド
2.3.4 CpG DNA
2.3.5 アジュバントとしてのCpG ODN のクラス
2.3.6 CpG ODN の分子構造に依存した細胞内局在
2.3.7 ホスホジエステル骨格のCpG ODN
2.4 ワクチン
2.4.1 ガンワクチン
2.4.2 ガンの予防ワクチン
2.4.3 DNA ワクチン
2.4.4 DNA ワクチンのアジュバント効果
2.4.5 RNA ワクチン
2.5 その他の核酸医薬
2.5.1 アンチセンスおよびsiRNA
2.5.2 MicroRNA
2.5.3 デコイDNA
2.6 ヒト化抗ヒトIgE マウスIgG 抗体

第2 部 イムノセラピーのためのナノキャリア
3. ナノイムノセラピーの基本概念
3.1 ドラッグデリバリーシステムの概念
3.2 イムノセラピーのためのドラッグデリバリーシステム
3.3 キャリア粒子の受動的性質
3.4 薬剤の体内動態
3.5 薬剤の細胞内動態
3.6 キャリアからの薬剤の放出システム
3.7 薬剤の投与方法

4. ナノキャリアとしてのウイルス
4.1 ウイルスの構造
4.2 アデノウイルスナノキャリア
4.3 アデノ随伴ウイルスナノキャリア
4.4 レトロウイルスナノキャリア
4.5 レンチウイルスナノキャリア
4.6 ウイルスタンパク質による細胞質へのデリバリー
4.7 ウイルスタンパク質による核内へのデリバリー
5. リポソームキャリア
5.1 リポソーム
5.2 脂質分子の特性
5.3 リポソームとリピッドマイクロスフェア
5.4 カチオン性リポソーム
5.4.1 カチオン性リポソーム
5.4.2 カチオン性リポソームによるCpG ODN のデリバリー
5.4.3 マウスTLR9 に関する新たな知見
5.5 リポソームの細胞内動態の制御
5.5.1 イムノセラピーのための薬剤の細胞内デリバリー
5.5.2 pH 応答性リポソームによる細胞質へのデリバリー
5.5.3 ペプチドリポソーム
5.5.4 プロテオリポソーム
5.5.5 リポソームと超音波による細胞質へのデリバリー
5.5.6 核内へのデリバリー
5.6 リポソームの体内動態制御
5.7 エクソソームのナノキャリアへの応用
5.8 リポソームによる薬剤の放出制御

6. ポリマーキャリア
6.1 ナノキャリアとしてのポリマー
6.2 合成ポリマー
6.2.1 カチオン性ポリマー
6.2.2 ポリマー粒子の構造
6.2.3 生分解性合成ポリマー
6.2.4 脂肪族ポリエステル
6.2.5 ポリマーの粒子化
6.2.6 PLGA ナノ粒子によるイムノセラピー
6.2.7 ポリ乳酸‒PEG ブロック重合体粒子
6.2.8 ポリマーミセル
6.2.9 デンドリマー
6.3 天然ポリマー
6.3.1 天然ポリマーの生分解性
6.3.2 多糖
6.3.3 アテロコラーゲン
6.3.4 ゼラチン

7. 無機系,炭素系,および金属ナノキャリア
7.1 金属系ナノ粒子
7.1.1 金ナノ粒子
7.1.2 金ナノ粒子のプラズモン共鳴
7.2 半導体ナノ粒子
7.2.1 量子ドット
7.2.2 コアシェル型量子ドット
7.2.3 シリコン量子ドット
7.3 炭素系ナノマテリアル
7.4 セラミックス系ナノ粒子
7.4.1 窒化ホウ素ナノ粒子
7.4.2 リン酸カルシウム
7.4.3 メソ細孔シリカナノ粒子

第3 部 ナノイムノセラピーのための評価技術
8. 生物学的評価技術
8.1 ナノマテリアルの安全性評価
8.1.1 In vitro 評価とin vivo 評価
8.1.2 細胞活性を指標としたナノマテリアルのin vitro 評価
8.1.3 死細胞の測定
8.1.4 フローサイトメーター
8.2 細胞の単離 173
8.3 サイトカインの定量
8.3.1 ELISA 法
8.3.2 リアルタイム定量PCR 法
8.4 抗原特異的抗体の定量
8.5 共焦点レーザー走査蛍光顕微鏡

9. ナノマテリアルの物性評価技術
9.1 ナノマテリアルの形態観察
9.1.1 走査電子顕微鏡
9.1.2 透過電子顕微鏡
9.1.3 原子間力顕微鏡
9.1.4 ナノ粒子のサイズ測定
9.1.5 メソ細孔ナノ粒子の比表面積と細孔径の解析
9.2 ゼータ電位
9.3 ナノマテリアルの化学構造解析
9.3.1 赤外分光法
9.3.2 X 線回折
9.3.3 ラマン分光法
9.4 示差走査熱量分析

参考文献
索引

「現代化学」(東京化学同人 発行) 2015年5月号 掲載日:2015/05/01