生命工学概論

バイオテクノロジー教科書シリーズ 1

生命工学概論

本書では,生物現象の仕組みを分子レベルで理解して技術化する,いわゆる生命工学(バイオテクノロジー)の全体像が把握できるよう,基礎分野から実用分野までをまとめた。これから,バイオテクノロジーを学ぶ学生にとって必読の書。

ジャンル
発行年月日
2010/05/17
判型
A5 上製
ページ数
232ページ
ISBN
978-4-339-06701-9
生命工学概論
在庫あり
2営業日以内に出荷致します。

定価

3,850(本体3,500円+税)

カートに入れる

電子版を購入

購入案内

  • 内容紹介
  • 目次
  • 著者紹介
  • 書籍紹介・書評掲載情報

本書では,生物現象の仕組みを分子レベルで理解して技術化する,いわゆる生命工学(バイオテクノロジー)の全体像が把握できるよう,基礎分野から実用分野までをまとめた。これから,バイオテクノロジーを学ぶ学生にとって必読の書。

1 生命工学の見方・考え方(概念,用語,意味の理解に向けて)
1.1 現象論的見方・考え方と構造論的見方・考え方
 1.1.1 現象論と構造論
 1.1.2 学び方・教え方
 1.1.3 生命科学・生命工学での概念と用語の混乱
1.2 ゲノムという考え方・解析法
 1.2.1 ゲノムの意味するもの
 1.2.2 オミックス:ゲノムから生命現象に至る各段階でのゲノム的考え方

2 生物の構造と機能
2.1 主要な生体物質
2.1.1 生体物質に働く非共有結合
 2.1.2 デオキシリボ核酸の構造
 2.1.3 リボ核酸の構造
 2.1.4 タンパク質・ペプチドの構造
 2.1.5 糖鎖の構造
 2.1.6 脂質と脂質二重層
2.2 細胞・組織・器官
 2.2.1 細胞の構造と機能
 2.2.2 細胞分裂と細胞周期
 2.2.3 アポトーシス
 2.2.4 組織と器官
2.3 生体高分子の機能・代謝
 2.3.1 複製
 2.3.2 転写
 2.3.3 RNAプロセシング
 2.3.4 RNA干渉
 2.3.5 逆転写
 2.3.6 翻訳
 2.3.7 タンパク質プロセシング
 2.3.8 酵素
 2.3.9 糖鎖の付加
 2.3.10 生体高分子の分解
2.4 エネルギーの生成
 2.4.1 高エネルギー化合物
 2.4.2 解糖系とTCA回路
 2.4.3 呼吸鎖(電子伝達系と酸化的リン酸化)
 2.4.4 光合成
2.5 発生と分化
 2.5.1 胚
 2.5.2 分化
 2.5.3 幹細胞
2.6 生体の情報伝達
 2.6.1 細胞間情報伝達
 2.6.2 細胞内情報伝達
 2.6.3 他の動植物・微生物における情報伝達
2.7 免疫
 2.7.1 免疫に関与する細胞
 2.7.2 免疫に関与する主要なタンパク質
 2.7.3 自己と非自己の識別
2.8 生態系
引用・参考文献

3 生命工学の基礎技術
3.1 遺伝子・ゲノム分野
 3.1.1 in vitro遺伝子増幅技術
 3.1.2 ゲノムDNAの抽出と配列の解析
 3.1.3 マイクロアレイ技術
 3.1.4 遺伝子多型の解析技術
 3.1.5 遺伝子発現解析
 3.1.6 分子間相互作用の解析(タンパク質間相互作用を中心に)
 3.1.7 遺伝子改変動物
3.2 立体構造解析技術分野
 3.2.1 X線回折・放射光による結晶構造解析
 3.2.2 中性子線による結晶構造解析
 3.2.3 核磁気共鳴(NMR)法による構造解析
 3.2.4 極低温電子顕微鏡による構造解析
 3.2.5 立体構造に関するデータベースとプログラム
3.3 生命情報解析技術分野
 3.3.1 バイオインフォマティクス
 3.3.2 バイオインフォマティクスを学ぶための環境の整備
 3.3.3 バイオインフォマティクスに関連するサイト
3.4 細胞・組織分野
 3.4.1 細胞培養
 3.4.2 組織培養
 3.4.3 細胞融合
 3.4.4 細胞内注入技術
 3.4.5 発生工学
3.5 特定の分子・細胞の可視化技術
 3.5.1 タンパク質・ペプチドの蛍光標識
 3.5.2 核酸・ヌクレオチドの蛍光標識
 3.5.3 糖鎖の蛍光標識
 3.5.4 細胞内イオンの蛍光プローブ
 3.5.5 蛍光タンパク質
 3.5.6 可視化のための新しい画像技術
3.6 生体機能関連生産技術分野
 3.6.1 固定化生体触媒
 3.6.2 バイオセンサー
引用・参考文献

4 生命工学の実用分野
4.1 医療・薬学分野
 4.1.1 ゲノム創薬
 4.1.2 バイオ医薬品
 4.1.3 遺伝子検査・遺伝子診断・遺伝子鑑定
 4.1.4 遺伝子治療
 4.1.5 薬理ゲノミクスと個別化医療(テイラーメード医療)
 4.1.6 バイオマーカー
 4.1.7 再生医療
4.2 工業品分野
 4.2.1 産業用酵素
 4.2.2 生分解性素材
 4.2.3 バイオマス
 4.2.4 バイオマスエネルギー
 4.2.5 バイオマス資材
4.3 農林水産・食品分野
 4.3.1 DNA検査・遺伝子診断
 4.3.2 植物分野(農作物・花卉・菌類・藻類などを含む)
 4.3.3 畜産分野
 4.3.4 水産分野
 4.3.5 食品分野
4.4 環境分野
 4.4.1 メタゲノム解析
 4.4.2 環境浄化
 4.4.3 コンポスト
 4.4.4 内分泌攪乱化学物質(外因性内分泌攪乱化学物質,環境ホルモン)
引用・参考文献

5 生命工学に関連する規則・規制
5.1 遺伝子組換え実験に関する規制
 5.1.1 遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(カルタヘナ法)の制定
 5.1.2 遺伝子組換え生物等の定義
5.2 ヒトに関するクローン技術および特定胚の取扱いの規制
5.3 ヒトES細胞に関する規制
5.4 ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する規制
5.5 遺伝子組換え食品・農作物に関する規制
 5.5.1 遺伝子組換え食品・農作物の安全評価
 5.5.2 遺伝子組換え食品の表示
引用・参考文献

6 生命倫理
6.1 生命倫理について
6.2 生命倫理の分野
6.3 生命科学・生命工学から見た生命
引用・参考文献

7 知的財産権の保護
7.1 生命工学と知的財産権
7.2 バイオテクノロジーにおける特許の問題点
 7.2.1 特許請求権の範囲
 7.2.2 特許の対象となり得るもの
 7.2.3 タンパク質立体構造の場合
 7.2.4 生命倫理と特許(ヒト試料・医療行為)
7.3 農林水産業(生物生産)における問題点
 7.3.1 農林水産業における知的財産
 7.3.2 特許
 7.3.3 種苗法
 7.3.4 商標権
引用・参考文献

8 生物多様性と遺伝資源の保全
8.1 生物多様性の保全
 8.1.1 生物多様性とは
 8.1.2 生物の多様性に関する条約(生物多様性条約)とカルタヘナ議定書
 8.1.3 生物多様性の保全
8.2 遺伝資源の保全
 8.2.1 遺伝資源とは
 8.2.2 遺伝資源の収集と保全
引用・参考文献

索引

太田 隆久(オオタ タカヒサ)

生物工学会誌 2011年1月号(Vol.89) 掲載日:2011/04/16

「書評」で紹介されました。