コンクリート構造学

コンクリート構造学

本書では,コンクリート構造学の鉄筋コンクリートおよびプレストレストコンクリート,ならびに構造物を設計するために必要な基礎理論について,限界状態設計法を主体にし,例題を多く用いてわかりやすく解説している。

ジャンル
発行年月日
2011/04/15
判型
A5
ページ数
190ページ
ISBN
978-4-339-05231-2
コンクリート構造学
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定価

3,080(本体2,800円+税)

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本書では,コンクリート構造学の鉄筋コンクリートおよびプレストレストコンクリート,ならびに構造物を設計するために必要な基礎理論について,限界状態設計法を主体にし,例題を多く用いてわかりやすく解説している。



本書は,コンクリー卜構造学の鉄筋コンクリートおよびプレストレストコンクリー卜,ならびに構造物を設計するために必要な基礎理論を中心として記述したものである. ことに,最新のコンクリー卜標準示方書に準拠して記述し,基本的事項については,できるだけわかりやすく解説した.

わが国の土木学会「コンクリー卜標準示方書」では,1986年の大改訂時に鉄筋コンクリートおよびプレストレストコンクリート構造の設計理論として,従来の弾性理論に基づいた「許容応力度設計法」から,構造物あるいは部材の終局時の破壊,使用時のひび割れや変形,繰返し荷重下の疲労破壊などに関する種々の限界状態を取り扱った「限界状態設計法」が採用されるに至った. 従って,本書は限界状態設計法を主体にし,許容応力度設計法は必要最小限の記述とした.

コンクリート構造物の重要度,種類,形状,寸法,等々は千差万別であるが,コンクリー卜構造物を扱う技術者がどのような構造物に対しても,何らの抵抗も違和感もなく,取り組むことができるためには,基礎的な理論を十分理解しておく必要がある. 本書は,このような考えに重点をおいて記述したつもりである.

また,一層理解を深めるために,例題を数多く掲げて説明した本書は,環境都市工学系,土木系を専攻する大学生,高専生の教科書および参考書として,さらに工業高校生の参考書としても利用できるよう配慮した.

なお,実際の構造物の設計にあたって,詳細を求められる場合には,コンクリート標準示方書,プレストレストコンクリート工法設計施工指針,道路橋示方書等を参照されたい.

コンクリー卜構造技術者および今からコンクリー卜構造学を学ばれる人達にとって,本書がよき参考書,手引書となり,多少なりともお役に立つことができるならば誠に幸いである.

本書は,2008年4月10日に(株)現代工学社より初版を上梓したが,出版社の都合によりその後の出版を(株)コロナ社が引き継ぐことになった. 本書の継続出版が可能になったことを感謝申し上げる次第である. なお,内容に関しては(株)現代工学社から出版したものと同一であることをお断りしておく.

最後に,本書を執筆するにあたり,内外多数の参考文献を参考にさせて頂いた. ここに謝意を表するとともに,出版にあたって多大なご尽力を頂いた(株)コロナ社の皆様に厚く御礼申し上げる次第である.

2011年1月
著者

1.総説
1.1 コンクリート構造の意義
1.2 コンクリート構造の長所および短所
1.3 記号・単位

2.限界状態設計法
2.1 設計の目的
2.2 設計耐用期間
2.3 設計の原則
2.4 特性値および修正係数
2.5 材料強度と荷重の設計値
2.6 安全係数
2.7 安全性の検討

3.材料の性質と設計値
3.1 材料強度の特性値
3.2 コンクリート
3.3 鋼材

4.断面諸量
4.1 複合材料の断面二次モーメント
4.2 複合材料の中立軸(Neutral axis)の算定方法
4.3 全断面有効の場合とRC断面に対する中立軸および断面二次モーメント

5.RCはりの曲げ耐力機構
5.1 曲げ破壊機構を論じるうえでの仮定
5.2 曲げ破壊のパターン
5.3 圧縮側コンクリート,引張側鉄筋 どちらが先に降伏するかの判定
5.4 引張側鉄筋が降伏するときの曲げ耐力
5.5 圧縮側コンクリートが破壊するとき (終局時)の曲げ耐力

6.鉄筋コンクリート柱
6.1 帯鉄筋柱
6.2 らせん鉄筋柱

7.軸力と曲げを受けるRCはりの終局時の耐力機構
7.1 軸力のみを受けるRC柱の終局時の耐力機構
7.2 軸力と曲げの相互作用について

8.RCはりのせん断耐力機構
8.1 せん断ひび割れとせん断補強
8.2 せん断破壊の形式
8.3 修正トラス理論によるRCはりのせん断耐力機構

9.使用限界状態におけるひび割れに対する検討
9.1 環境条件の区分および許容ひび割れ幅
9.2 曲げひび割れの検討

10.疲労限界状態における疲労に対する安全性の検討
10.1 安全性の検討方法
10.2 コンクリートの疲労強度
10.3 鉄筋の疲労強度
10.4 はりの曲げ疲労
10.5 はりのせん断疲労

11.一般構造細目
11.1 鉄筋のかぶり
11.2 鉄筋のあき
11.3 鉄筋の曲げ形状
11.4 鉄筋の定着
11.5 鉄筋の継手

12.プレストレストコンクリート
12.1 プレストレストコンクリートの原理
12.2 プレストレストコンクリートの分類
12.3 材料
12.4 PC鋼材の定着方法
12.5 PC鋼線,PC鋼棒の引張応力の減少
12.6 設計の基本
12.7 使用限界状態に対する検討

13.許容応力度設計法
13.1 許容応力度設計法における仮定
13.2 コンクリートおよび鉄筋の許容応力度
13.3 長方形断面
13.4 T形断面

14.限界状態設計法による倒立T形擁壁の設計例
14.1 設計条件
14.2 使用材料および断面の仮定
14.3 剛体の安定
14.4 鉛直壁の設計
14.5 フ―チングの設計

付録
引用・参考文献
索引
著者略歴

中嶋 清実(ナカシマ キヨミ)

河野 伊知郎(コウノ イチロウ)

菅原 隆(スガワラ タカシ)

水越 睦視(ミズコシ ムツミ)